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映画「ファーザー」

 皆さんの身近の人が認知症だったらどうしますか?

 今回、アカデミー賞主演男優賞を受賞した、フローリアン・ゼレール監督の映画「ファーザー」を視聴させていただきました。

 初めて今作を見た人はきっと混乱すると感じました。自分もそうです。混乱しました。
ですが、この混乱も今回のテーマである”認知症”をより細かにわかりやすく伝えるための演出なのだとも感じました。

①【認知症】
 みなさんは認知症に対してどれだけ知っていますか。なんとなく聞いたことはあると思いますが、認知症という病気をより細かに表しているのが今作。
僕が持ってる認知症という病気の考え方が今作を見て大きく変わりました。


本当に悩ましい病気です。

現在日本における認知症患者は、2018年時点で、65歳以上の約7人に1人は認知症でした。 
もしかしたら身近に認知症方がいるかもしれません。
超高齢化社会とうたわれるほどの高齢者が日本には存命しております。日本に住んでいるからこそこの問題に対して真剣に向き合わなくてはならないのではないかと自分は思います。身近にある病気だからこそ多くの日本人に見ていただきたいと感じました。

②【演出】

全てが混乱。

 演出・構成には、びっくりました。深くはお伝えしませんが、作品を見て混乱します。
注視して作品の中にあるヒントを拾い上げないと今作を理解するのは難しいと感じました。
 自分も気軽な思いで今作を視聴する予定でしたが、だんだんと雲行きが怪しくなっていき、目が離せない状況が続き、飽きずに見れました。
 観客の混乱を招く類似した作品として挙げられるのが、クリストファー・ノーラン監督の「メメント」を思い出した。

③【アンソニー・ホフマンの演技】
 認知症患者を演じる上で認知症を理解するのは当たり前です。ですが、わからない病気を演じるのは大変な苦労だったと感じました。
どれほど落とし込みに苦労したのだろうか。
 この作品こそアンソニーが演じるに相応しい作品だと感じました。主人公である、80歳を越えた高齢の老人アンソニーは、実質的にアンソニー・ホプキンスその人なのだとも感じた。名前だけでなく、誕生日もホプキンス本人と同じ日にし、そうすることで観客が、本人の体験なのではないかと錯覚する作り方になっている。


④【まとめ】
 認知症というテーマに焦点をあて、認知症を疑似体験しているかのような映像の作り方には圧巻。
 自分が体験したことのない映画体験をし、不思議な感覚に陥りました。

 認知症への理解は難しいです。ですが、寄り添うからこそ見えてくるものがあると思います。認知症という病に苦労している人こそ今作を見ていただきたいです。


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