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映画「佐々木、イン、マイマイン」

初めて映画の感想を書かせていただきます。
(*ネタバレを含みます)

内山拓也監督作品の「佐々木、イン、マイマイン」を視聴しました。

1番に思うのは、『甘酸っぱい青春映画』などではないということ。

①【君の存在】
 石井にとって佐々木という人物はとても大事な存在だということ。
佐々木は父との2人暮らしだが、父はほとんど家に帰ってこない。寂しさを埋めるかのように学校ではふざけている。誰かに認められたい、自分に注目してほしいかのように。家に帰っても1人。
特に注目してほしいのが、佐々木を演じた細川さんの演技である。遠くを見る眼差しはどこか佐々木の寂しさを表しているのでないかと感じる。

 対して石井も祖母と2人暮らし。境遇は佐々木と似ているがどこが自分と違う佐々木にどんどん惹かれていく。
そんな石井に焦点を当てて今作を作っている内山監督は素晴らしい。佐々木ではなく、石井に。


②【セリフの重み】
 あるシーンのあるセリフが1番重みがあると感じた。

佐々木宅にて
石井 「ご飯食べにいく?」
佐々木「行かない」
   「最近カップ焼きそばにハマってるん     よ」
石井 「あれ美味しいよな」
佐々木「くそうめぇんだよ」

文字にすると伝わり辛いがこのシーンが自分的には、興味深かった。


③【最後の演技】
 父が死んだ後、平気な顔で佐々木は登校。だが、食堂に行く途中、「佐々木コールをしろ」と言う。
みんなはそんことできるはずもなく、佐々木とはそれから少しずつ疎遠になっていく。
 最後、霊柩車が佐々木を運んでいる際に、佐々木は棺桶から裸で出てくる。それに賛同し、佐々木コールを泣きながら始める石井、多田、木村。
「あの時こうしていれば、お前はこうなっていなかったのではないかと」思わせる演出・演技に涙が止まらなかった。

④【まとめ】
 今作の佐々木の境遇に自分の境遇を重ねてしまった。涙が終始止まらなかった。
認められたいと心の底から思っているのに認められない。認めてくれたのは周りにいた本当の友達、石井、多田、木村。
「お前らと過ごした青春は何者にも変え難い思い出」と表しているかのような青春映画。

 泣きたい人。甘酸っぱい青春映画に飽きた人。夢に対して努力している人。には特にお勧めしたい一作。自分もこんな作品に出てみたい。


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