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【短め】報われぬ愛に心抉られる?〜私の推薦図書『ノートル=ダム・ド・パリ』

こんにちは。

突然ですがみなさん「ノートルダム大聖堂」はご存知ですか?

言わずもがなエッフェル塔や凱旋門などと並び、フランスに訪れたらぜひ訪れたい人気の観光名所ですよね。

上にもあるように中世に立てられたゴシック建築を代表する建物です。ノートルダム大聖堂には「ポワンゼロ」という点がありまして、この点がパリの中心ということになります。
頂上からパリを眺めると、ここを中心としてパリは広がっていったんだなとパリの歴史を視覚的に眺めることができます。

残念ながら2019年に起こった大規模な火災により教会の一部が消失してしまいましたが、今尚世界的に人気のある観光名所ですね。

(2017年頃に実際に訪れた時の写真)

2017年頃のノートルダム大聖堂からの眺め
ノートルダム大聖堂のステンドグラス


では、そんな人気のノートルダム大聖堂を舞台に1831年に書かれた小説があるのはご存知ですか?

それがフランスの文豪ヴィクトール・ユゴーによって描かれた『ノートル=ダム・ド・パリ』です(訳によっては「ノートルダムの鐘」とも訳されたりしています)。

ヴィクトールユゴーといえばミュージカルや音楽で有名な「レミゼラブル」を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、こちらの作品もユゴーの代表作に数えられるほど有名な作品です。

時は小説が描かれてからさらに350年ほど遡った1482年を舞台にした作品です。

ノートルダム大聖堂の歴史本というわけではなく、ノートルダム大聖堂の司教補佐であるクロードフロロ、大聖堂の鐘撞番のカジモド、ジプシーの娘エスメラルダ、王室射手隊の隊長フェビュス、それぞれの恋模様や人間関係が描かれた小説です。

キーワードは『宿命』。

数々の登場人物がそれぞれの愛や嫉妬に翻弄されていく姿が切なくもあり、美しく、情熱的に描写されています。

今から約200程前に描かれた作品であるのにもかかわらず、当時の社会情勢も踏まえ人間の心理や恋心を見事に捉えられたユゴーの筆致に感銘を受けます。


こちらの作品はいくつかの出版社から出版されていますが、ユゴーの哲学やこちらの作品を隅々まで味わいたいといった方には岩波文庫版がオススメです。

岩波文庫版

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ただ岩波文庫では上下巻で出版されていますが、時々物語から少し離れて自身の哲学など、物語にはあまり関係のない話が展開されることがあります。(厳密には関係なくはないが、あくまで物語のストーリーを読む上ではあまり必要ない)

ですので正直、岩波文庫で読むと途中で物語から脱線したり、難しい話も出てくるので挫折してしまう可能性もあります。

物語だけ知りたい!難しい話はいらない!」という方は角川文庫から抄訳版も出版されているのでそちらで読まれることをオススメします。

両方読みましたが、抄訳版でも十分この物語を味わえるなと思いました!

角川文庫版『ノートル=ダム・ド・パリ』(抄訳)


ちなみにこちらの小説、必ずしも明るいお話とはいえないです。読み進めていくうちにある種の暗さや切なさを受けます。

上の画像にもあるように角川文庫版の本の帯に『報われぬ愛に心えぐられる』そんな帯が付いてました笑

本当に心が抉られます。

1996年頃にディズニーがこちらの作品を映画化しているのですが、原作と比べて結末などが何点か変更されています。元々子供むきの物語ではないので、子供が見ても楽しめるように変更されているみたいですが原作は中々のもの。

ですので原作を読む上で、どんなことが起こってもそれがユゴーが描いた「ノートル=ダム・ド・パリ」だということを受け入れて読み進めていってください。

作品を読み終えた後色々衝撃を受けましたが、個人的にはただ暗くなるばかりではなく、「現実はこんなもの」という悲観的な印象を与えられたと同時に、「ならばそれを受け入れてどう生きるのか」という前向きな光を与えてくれたとも思っています。

どう捉えるかは人それぞれ自由だと思うのでぜひ読んでみてください!

オススメするのは
・歴史的な有名な小説を読みたい!
・人間模様や人間心理、恋愛心理を味わいたい!
・第三者から人の愛を見てみたい!
・一流の文章に触れたい!
・心を抉ってほしい!(?)

ぜひ一度、200年前の異国フランスで文豪ヴィクトールユゴーによって描かれた恋模様を味わってみてはいかがでしょうか?


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