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~DXの遅れの背景とは~シリコンバレーの一流投資家が教える世界標準のテクノロジー教養 山本康正(著)を読んで①

1.著者の紹介

東京大学で修士号取得後、NYの金融機関に就職。 ハーバード大学大学院で理学修士号を取得。修士課程修了後、グーグルに入社し、フィンテックやAI(人工知能)などで日本企業のデジタル活用を推進。ハーバード大学客員研究員。日米のリーダー間にネットワークを構築するプログラム 「US-Japan Leadership Program」諮問機関委員、DNX Ventures インダストリー パートナー。京都大学特任准教授。日本経済新聞電子版テクノロジー欄にて「教えて山本さん!」週刊東洋経済にて「リーダーのためのDX超入門」などのコラムを連載。 amazonホームページ(筆者の紹介)より

筆者の本を読むのは今回が初めてでしたが、「2025年を制覇する破壊的企業」など、有名な本を多数出版されていることは知っていたため、非常に期待して、読み始めました。

2.目次

第一章 DXの浸透と黒船の襲来
第二章 SaaS ものづくり時代のおわり(倉林陽氏)
第三章 リテールテック 体験としての売買(前田浩伸氏、中垣徹二郎氏)
第四章 フィンテック データが創る新しい経済(北村充崇氏)
第五章 ロボティクス 人と機械の共生(Q・モティワラ氏)
第六章 DX デジタル化の本質(櫛田健児氏)
第七章 DXの成功例 世界で戦う日本企業(冨樫良一氏)
第八章 スタートアップ 最新テクノロジーを取り入れる(野村佳美氏)
おわりに 日本の希望【本の内容】

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本書は、現在、世界で何が起きているかを筆者が解説し、第二章以降では、各分野で活躍するスペシャリストの知見を紹介しています。

この記事では、各章における主張をご紹介して、個人的な意見も付け加えたいと思います。

3.第一章 DXの浸透と黒船の襲来

DX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みは日本では大きく遅れており、その背景を筆者はITエンジニアの分布で説明しています。

マッキンゼーによるレポート「マッキンゼー緊急提言」によると海外の企業が日本とまったく違うのは、社内にITエンジニアを抱えていることです。(略)                                      日本は逆で、ITエンジニアのほとんどを社外に頼っているので、なかなかDXが進みません。                           「シリコンバレーの一流投資家が教える世界標準のテクノロジー教養 山本 康正(著)」より

筆者はそこで「5G」、「クラウド」、「AI」の三本の柱を理解することが重要としていますが、日本には特にAI分野が弱く、人材を育成する専門機関、専門機関がないということを危惧しています。

特にプラットフォームビジネスにより、日本企業がどれだけ良いアプリを作っても利益はどんどんアメリカ企業に吸い取られるという状況が続いてしまう・・。

こうした危機感に対して、残りの時間は少ないが、まだ間に合うと筆者は言います。

個人的には、導入が進んでいない企業においては、DXによる成長の伸びしろは大きいと思いますが、我々の生活のベースにしっかりと根付いてしまったプラットフォームビジネスによる搾取の構図の説明は妙なリアリティを感じました。

前近代の小作農がいくら働いても、ほとんどを地主に取られてしまうことと似ています。あるいは、オセロの角をとられているような状態といってもよく、どうやっても逆転ができません。                「シリコンバレーの一流投資家が教える世界標準のテクノロジー教養 山本 康正(著)」より

深刻な現状に対して、どのような処方箋が本書によって示されるのか。

第二章以降は、また改めて書きたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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