カケル(気象予報士)

読書好きです。 これまで「誰かのお役に立てれば」と考えて仕事をしてきましたが、今後はn…

カケル(気象予報士)

読書好きです。 これまで「誰かのお役に立てれば」と考えて仕事をしてきましたが、今後はnoteを通じて「読書で得た知識」、「気象の知識」の発信もしていきます。 妻、こどもの3人家族で育児にも奮闘中ですが、新たなチャレンジのつもりで楽しんで情報発信していきます。

最近の記事

「避難」ってどういう意味ですか。~災害対策基本法改正を踏まえた5つのポイント〜

災害対策基本法の改正により、「避難」について、注目が集まっています。 ニュースなどでよく聞く言葉ですが、改めて「避難」という言葉の意味を考えると、いつ、どこに、どうやって避難すればよいかわからない方もいるのではないでしょうか。 この記事では大雨の時の「避難」について正しく理解するために、5つのポイントに絞って解説したいと思います。 1.避難する必要性の確認まず最初に、住んでいる場所が大雨の時の「避難」の必要な場所かどうかを改めて考えてみましょう。 例えば避難の必要がな

    • ~日本に適したイノベーター~リアル企業内イノベーター 半田純一(著)を読んで

      「ベンチャー輩出に期待をするな!」 「シリコンバレーは手本にならない」 という過激な本の帯に惹かれて本書を手に取りました。 「イノベーション」と聞くと「ベンチャー」、「シリコンバレー」という言葉が浮かんでしまいますが、文化やビジネス環境の異なるアメリカ発の手法を鵜吞みにすることが果たしていいのか。 そんな、疑問がふっと沸いた瞬間にはすでに購入していました。 本記事ではそんな疑問に答えるべく筆者の考え方について触れてみたいと思います。 1 著者の紹介半田 純一(はんだ じゅ

      • ~スタートアップ~シリコンバレーの一流投資家が教える世界標準のテクノロジー教養 山本康正(著)を読んで⑤

        前回の記事では、DXの本質と企業の実例に関して述べましたが、この記事では第八章について触れて、個人的にまとめのコメントをしたいと思います。※前回の記事は以下のとおりです。 1 第八章 スタートアップ 最新テクノロジーを取り入れる 第八章ではテクノロジーを企業に導入する一つの選択肢として、スタートアップとの連携について触れています。この章では、シリコンバレーにおいて日本企業とスタートアップの協業案件を数多く手がけてきた野村佳実氏に話を伺っています。 日本が抱える最大の課題

        • ~DX~シリコンバレーの一流投資家が教える世界標準のテクノロジー教養 山本康正(著)を読んで④

          前回の記事では、フィンテック、ロボティクスについて述べましたが、この記事では第六章から第七章について触れて、個人的にコメントをしたいと思います。※前回の記事は以下のとおりです。 1 第六章 DX デジタル化の本質DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念である。デジタルシフトも同様の意味である。2004年にスウェーデンのウメオ大学教授、エリック・ストルターマンが提唱したとされる。   ウィキペデ

        「避難」ってどういう意味ですか。~災害対策基本法改正を踏まえた5つのポイント〜

          ~フィンテック・ロボティクス~シリコンバレーの一流投資家が教える世界標準のテクノロジー教養 山本康正(著)を読んで③

          SaaSやリテールテックについて、前回の記事にて述べましたが、この記事では第四章から第五章について触れて、個人的にコメントをしたいと思います。※前回の記事は以下のとおりです。 1.第四章 フィンテック データが創る新しい経済 第四章では、日本がフィンテックで遅れている原因や、この現状を打破するための議論をフィンテックベンチャー金融事情に詳しい北村充崇氏と議論しています。 フィンテックとは フィンテック(FinTech)とは、金融(Finance)と技術(Technolo

          ~フィンテック・ロボティクス~シリコンバレーの一流投資家が教える世界標準のテクノロジー教養 山本康正(著)を読んで③

          ~SaaS・リテールテック~シリコンバレーの一流投資家が教える世界標準のテクノロジー教養 山本康正(著)を読んで②

          本書の著者や目次の紹介に加えて、第一章で述べられている、「現在、世界で何が起きているか」については、前回の記事のとおりですが、この記事では第二章から第三章について触れて、個人的にコメントをしたいと思います。※前回の記事は以下のとおりです。 1.第二章 SaaS ものづくり時代のおわり(倉林陽氏)第二章以降は各分野のスペシャリストの考え方を紹介しています。 第二章ではデジタルエコノミーに不可欠な「SaaSの活用」、「M&A」、「CVC」三要素について、SaaS投資の第一人者

          ~SaaS・リテールテック~シリコンバレーの一流投資家が教える世界標準のテクノロジー教養 山本康正(著)を読んで②

          ~DXの遅れの背景とは~シリコンバレーの一流投資家が教える世界標準のテクノロジー教養 山本康正(著)を読んで①

          1.著者の紹介東京大学で修士号取得後、NYの金融機関に就職。 ハーバード大学大学院で理学修士号を取得。修士課程修了後、グーグルに入社し、フィンテックやAI(人工知能)などで日本企業のデジタル活用を推進。ハーバード大学客員研究員。日米のリーダー間にネットワークを構築するプログラム 「US-Japan Leadership Program」諮問機関委員、DNX Ventures インダストリー パートナー。京都大学特任准教授。日本経済新聞電子版テクノロジー欄にて「教えて山本さん!

          ~DXの遅れの背景とは~シリコンバレーの一流投資家が教える世界標準のテクノロジー教養 山本康正(著)を読んで①

          AIビジネス推進のためのスキル(“経験ゼロ”から始める AI時代の新キャリアデザイン 石角 友愛 (著))を読んで

          1.AI技術と企業とをつなぐ役割の重要性AI技術による企業の課題解決のニーズが高まる背景などは、前回の記事のとおりですが、その中でも特に、AIの技術(専門家)と企業とをつなぐ「橋渡し役」がこれから求められると感じています。 この点を個人的に深堀りします。 企業において、AIをビジネスに活用したいというニーズがあった場合でも、実際にAIを導入する際には、企業の意思決定者の理解を得ることは必ず必要になります。 特に、これからAIを導入したいと考えている企業の多くは、企業の意

          AIビジネス推進のためのスキル(“経験ゼロ”から始める AI時代の新キャリアデザイン 石角 友愛 (著))を読んで

          これからのAIビジネス(“経験ゼロ”から始める AI時代の新キャリアデザイン 石角 友愛 (著))を読んで

          1.著者の紹介最初に、著者の経歴を紹介させていただきます。 パロアルトインサイトCEO(www.paloaltoinsight.com) 2010年にハーバードビジネススクールでMBAを取得したのち、シリコンバレーのGoogle本社で多数のAIプロジェクトをリードし、後にHRテックベンチャー立ち上げや流通系AIベンチャーを経て2017年パロアルトインサイトを起業。日本企業に対してAI戦略提案からAI実装まで一貫した支援を提供する。新著に「いまこそ知りたいAIビジネス」(デ

          これからのAIビジネス(“経験ゼロ”から始める AI時代の新キャリアデザイン 石角 友愛 (著))を読んで

          『ビジネスと人生の「見え方」が一変する 生命科学的思考』(高橋祥子 著)を読んで

          1.本書を選んだ理由この本を読もうとした主な理由は以下の2点です。 ・健康や睡眠など、生活をするための不可欠な要素について、生命科学的な視点から本質に迫る必要性を感じていたから。 ・新型コロナウイルス感染症により、改めて生命科学的な視点が求められていると感じていたから。 1点目については、健康、睡眠、ストレス、集中力など、私たちが生活するうえで欠かせない、より良く生活するために重要な分野の研究が進み、関連する多くの本が出版されています。 多くの本に共通している内容は、

          『ビジネスと人生の「見え方」が一変する 生命科学的思考』(高橋祥子 著)を読んで

          愛称が決まった気象庁「危険度分布(キキクル)」の特徴と効果的な利用法

          「危険度分布?」 聞き慣れない言葉かもしれませんが、下のイメージを大雨の時のテレビニュースなどで見たことがあるのではないでしょうか。           出典:気象庁ホームページ その「危険度分布」の愛称が気象庁から発表されました。 その愛称は「キキクル」です。 気象庁が愛称を募集した背景は、多くの方々に「危険度分布」の情報を知ってほしい、活用してほしいというところにあります。 今回は災害のおそれを事前に把握できる、「危険度分布」の概要を解説します。 1.「危険

          愛称が決まった気象庁「危険度分布(キキクル)」の特徴と効果的な利用法

          スマホ通知の罠~欲求への刺激との正しい付き合い方~

          スマホの通知機能は無意識のうちに、私たちから時間やお金を奪っていくものです。欲求を刺激するスマホの通知機能と正しく付き合うことで、生活そのものを主体的にかえることができます。 その背景と概要を記事にしています。 1.私たちの欲求を刺激する過去のマーケティング過去の高度経済成長期では、より良い生活が送れるという期待から、消費者の購買活動は、より活発になりました。 その時代には、テレビやラジオをはじめとするマスマーケティング(多くの方々にまとめて広告すること)によって、消費

          スマホ通知の罠~欲求への刺激との正しい付き合い方~

          気象予報士試験は独学で合格できるのか?スクールを受講すべきか?

          気象予報士試験は独学で合格できるのか?スクールを受講すべきか? 結論は ·気象に関する知識が少しある ·物理や地学の知識がある 以外の場合には受講したほうがよいと思います。 この記事では以下の点から受講したほうがよい理由を解説します。 1.効率的な学習による時間の短縮1番の理由はこれです。 物理や地学の知識がある方や気象に関する知識が少しでもある方を除いては、講義を聴くことが理解を深めることの近道です。 参考書を読んでいるだけでは、「大気の熱力学」や「大気の力

          気象予報士試験は独学で合格できるのか?スクールを受講すべきか?

          勉強を「しなさい」と言われると「したくなくなる」のはなぜなのか

          「勉強の出来る子どもになってほしい」 「勉強ができるようになる環境を与えることがこの子のため」 と考えて、様々な教育機会を与えている知人の話を聞くと、疑問に思うことがありました。それは、私自身が 「勉強しなさい」 と言われると 「勉強したくない」 という気持ちがより強くなった経験があるからかもしれません。 その私の性格をよく理解して、親は途中から「勉強しろ」とは一切言わなくなりました。 そんな調子なので、私は元々勉強嫌いで、成績もいい出来とはとても言えませんで

          勉強を「しなさい」と言われると「したくなくなる」のはなぜなのか

          理系でなくても合格できる気象予報士試験対策(合格体験記)

          この記事は、主に「気象予報士試験受験生」や「気象予報士試験に興味がある方」向けに書いています。 本日、3月12日(金)は令和2年度第2回(通算第55回)気象予報士試験の合格発表日です。 この記事では、理系でなく、気象の知識、興味もなかった私が、気象予報士試験の合格までに考えたこと、やったことを共有させていただきます。 1.受験を決めたきっかけ私は会社内の異動によって、それまでしていた仕事とは全く違う、危機管理の業務を担当することになりました。 大雨による被害が全国各地

          理系でなくても合格できる気象予報士試験対策(合格体験記)

          レバレッジ・シンキング 本田 直之 (著) かなり昔の本ですが、確実に私の人生観を変えた本。 コロナ禍で生活が一変する中で、変わらない原則が浮き出てきたこの1年だと感じます。 やはり、社会の原則を学ぶ姿勢はレバレッジ(てこ)が効きますし、得たことが陳腐化しません。

          レバレッジ・シンキング 本田 直之 (著) かなり昔の本ですが、確実に私の人生観を変えた本。 コロナ禍で生活が一変する中で、変わらない原則が浮き出てきたこの1年だと感じます。 やはり、社会の原則を学ぶ姿勢はレバレッジ(てこ)が効きますし、得たことが陳腐化しません。