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今年度の登校回数1回…だと?

 ご無沙汰しております,先日ご縁あって研究の話から全国地上波デビューしてしまった院生です.日テレ系「笑ってコラえて!」の「記念館の旅」というコーナーに出演したら中高の知人から学部時代の同期,修士の時の後輩,元バイト先の先輩後輩から連絡がきてびっくりしました,私はまだ学生なぞをしております.(パッケージは腐っても商業美術…スポンサーの関係で私の研究対象やパッケージについてはそこまで触れられていませんが,1/13放映のものが1年くらいTVerやFuluでアーカイブ見られるそうです…余談ですが)

 前回の投稿からまた日が経っておりますが,本日の目次を提示してませんでしたね,コロナ禍で悪化した体調だったり後期の中間発表だったりゼミだったり調査だったりと総括して博士の生活って…と堕ちに堕ちて今這い上がっている日々です,と大袈裟に盛っておいて目次です.どん.

1.後期の研究活動
 1.1 ようやく登校?
 1.2 研究活動…学会延期の皺寄せ
2.コロナ禍なんて関係ない閉塞感
 2.1 研究をさせろください
 2.2 ていうかそもそも進まない
 2.3 感謝しかない
3.おわりに

 なんだか目次が多いので各項目さらっとします.長くならないように気をつけて書く予定ではおります.

1.後期の研究活動

1.1 ようやく登校?
 さて,夏休み期間もおわり,10月,初めて対面ゼミをやろうかという話が学部ゼミであがり,B4は特に卒業制作もあるので作品を実際に見ながら意見交換はしたいとの趣旨もありました.スタジオ配属(ラボ,研究室のことを幣学科ではスタジオと呼んでいます)にも影響するB3生のお試しのようなプレゼミもあり,実際に研究室の雰囲気を感じてもらおうと業務用の扇風機をガンガンに回してドアも窓も開けて喚起し,ソーシャルディスタンスをとっての対面ゼミを月1かそのくらいの頻度でやっていたのかな,後期から私は院ゼミしか参加していないので詳細はちょっとわからないのですが.とはいえあとはZOOMでのゼミだったようで,本当に数えられるくらいの回数しか対面はやってないそうですが,制作もあるので前期のように閉校することはなく,他のスタジオもプロジェクトを始動していたり少しずつキャンパスライフなるものが戻り初めていたりしました.
 基本的に水曜日は京都の大学のゼミ,木曜日はホームの院ゼミというスケジュールなのですが学部ゼミが後期から水曜日になったので参加できず,1回だけようやく今年度初の登校をしました!(本来なら4月の健康診断もありましたし…)そして大学名が4月から変わっていたのでようやく新しい大学名の学生証を入手し,7ヶ月ぶりのスタジオ,デスクに置きっぱなしにしていた資料の回収,B4生・助教・指導教員との対面再会…となったこの日を最後に未だに登校しておりません….結局このまま今年度を終えそうなので今年度の登校回数は1回で終わりそうで恐ろしいですね…,卒業制作展には顔を出したいのですが発表などは全てZOOMなので恐ろしいものです.

1.2 研究活動…学会延期の皺寄せ
 まいりました,なんとなく.後期が忙しなかったのは,元々最終学年でなければ院生の中間報告は年内にしてしまうので後期の中間報告は12月前半.そして,3月に発表予定だった学会の全国大会は1つ完全になくなり,もう1つの発表は「延期」のままでずっとスケジュール調整中の状態でしたが,後期が始まってから届いたメールに11月下旬のスケジュールでZOOMでの発表で,発表は可能ですか?とのことだったので勿論もうここで発表しなければどこでする…という状態で二つ返事でした.
 そして逆転しますが,10月中旬にあった学会の秋季全国大会(ZOOM)では,京都のゼミでお世話になっている先生からのお話をいただき,大会の様子のレポーターとして学会のお手伝いをさせていただきました.学会のHPに掲載するウェブ記事だったので字数制限に悪戦苦闘しながら何とか原稿落とさずにやり遂げたのですが,11月1週目のホームゼミで外部の先生を招待しての博論章立て構想会を控えておりました.
 毎日研究と向き合うのはいいのですが,未だに手探りですし模索しまくってますが先行研究の参照に難航したり,自分の研究のディシプリンを聞かれるといつも答えられない,タイトルは簡潔にならない,副査の先生にはあまり理解を得られていない,そもそも専門が若干デザイン史からメディア研究へと移っている等頭を抱えておりました.そして11月の博論構想会を無事に終えたのですが,その少し前から母方の祖母があまり良い状態ではなく母や叔母はよく病院から電話がかかってきたり通い詰めたりして,とうとう危篤の電話がきたのもこの辺りです.あ,無事に10月に両親が韓国赴任から帰国して14日間の隔離を終えた後でした.そして学会発表の事前資料の提出締め切り直前に法事が入り,ドタバタしながら何とか資料を提出,学会発表を終え,知らぬ間に11月が終わろうとしていて2週間後には後期の中間発表があり,スライド地獄に法事に学会にと何かとバタバタしたままでした.とりあえず発表は終わったものの,色々フィードバックをいただいたので今年の9月締め切りまでに論文化します.そして父の定年もあり金銭問題で心身が擦り切れたのもこの時期です….

2.コロナ禍なんて関係ない閉塞感

2.1 研究をさせろください
 さて,14日間の隔離生活を終えた両親が実家に帰ってきました.リモートになるかと思いきや,父の会社が大変なことになり出社の毎日,母がいることの違和感(最初だけ),姉は平常運転の病院勤務.しかし今まで姉と2人暮らししていた家に3年ぶりに4人揃っての生活となると騒がしくもなり,土日の生活も変わり,博士や大学院に縁のなかった両親にとっては私がどんな生活をしてるのかなど知らないのは当たり前なのですが集中が途切れるようなことが多々,基本ゼミもリモートなので引きこもり状態になっていました.とにかく集中できない.だからといって大学に行ったところで高い交通費(往復1000円以上するし元が取れないので定期は買ってないです)をかけてもこのご時世で大学図書館も居座ることができず,結局自室でもそもそと過ごすだけでした.

2.2 ていうかそもそも進まない
 体調が休学時の鬱状態再来に近く,スケジュールがバタバタしたことも重なりまた自律神経をやらかしたりしてはモチベーションが下がったりしました.発表があると思って何とか動かないとという時期もあったので,後期の中間発表が終わって反省会をお願いしてからはしばらく研究と向き合えなかったり,向き合おうとしてもずっと絵を描いてる日々でした.したくないわけではないのに体が動かなかったり,考え始めても頭が回らなくて罪悪感と生産性がない1日を過ごしたと何かと自分を責めることが多かったです.今でもそうですが.
 そう上手くいかないものです,人生なんて.とか思ってますが,京都のゼミで毎度自分は博士の学生など名乗れないという劣等感に苛まれ(専門が違うんだから当たり前),ホームのゼミでは回数を増すごとに学会のようになっていく意見交換や答えられない質問の数々,自分が今している調査の目的と結果で何がわかって誰に提言をし,何が得られて誰が得をし,社会貢献しているんだ?私の研究意義って何?そもそもディシプリン答えられない時点で博士課程アウト,確かにこれは突っ込まれるけど答えられない,何だこれ…状態が続き,博士の地獄がようやくやってきます.好きなこと極めた〜い!だけでは成り立たない研究,済まされない研究.自分の研究の立ち位置が説明できない,言葉選びに迷うほど,D1の時点で色んな領域を覗き見しすぎたのかなと思ってしまいました.その時は消去法など考えられずにこれも一部当てはまるしここもそうだし,これは隣接してる…という状態でした.故に先行研究も上手く引っ張ったり検索することができずに手が止まり,自分の頭の中だけで悶々と考えるだけでした.本当に危険です,これ.(今だから思うし言えると思う…)

2.3 感謝しかない
 これはもう簡潔に書きますが,研究助成の財団の存在です.修士の頃から足を運んで現地での調査や直接のやりとりが多かったため,コロナ禍でメールでのやりとりが多くなり,美術館や博物館にも行きにくくなった頃からフットワークが重くなっていました.
 しかし,今年度研究助成を受けている財団の資料室にとてもお世話になり,一次資料に触れる機会がありました.何度もお邪魔してはその度に今まで見ることができなかった,大正期の文献や資料を思う存分拝見し,旧字体も割と読めるくらいにはかなり通っては学芸員さんや学外の研究者と喋る機会があり,家からも出るし本当に研究に没頭できるし新しい知見を得られて楽しい時間でした.まだまだ期間中はお世話になりそうですが,今までの手法で立ち止まっていたところに新たな知見と視点をもたらしてくれました.そこで一度上向きになりまして,少し持ち直しました.

3.おわりに

 本当はもうすぐ書こうと思いましたが,また長くなりそうですし,最初に書いた目次と内容が色々と重複したので締めます.
 「今年のゼミでは泣かないようにします」とか言っておいて新年一発目のゼミで早速泣いていました.主にずっと領域の話でグルグルしていたからです.そしてプライベートでは,お金のことで心身ともに余裕がなくなり再び(4度目くらい?)の左耳の聴力低下と薬が増え,進まない研究に主人とのすれ違いなど,遠距離で暮らしているとこうもギスギスするのかと思ったくらいには今までで一番話し合いをしたり泣きまくった時期でした.
 博士の研究をしていて,やはり修士とは格段にレベルも違うし業績や発表などしなければ意味がないというか,フィードバックも得られないし自分の研究なので勿論先人はいても実行する本人がどう動くかは自分が決めるし先生のアドバイスが全ての世界ではないので,あれやこれやで靡くことも多く本当に覚悟しなね,と入学前に言われた言葉を何度も噛み締めていました.
 あまりにこんなことで悩んでも,と京都のゼミの先生に面談を申込み,まだ1度も発表していなかったこともあり,不完全なのは重々承知なので博士の学生同士での意見交換や違う専門の学生からの視点ではどう見られるのかを知りたいと思いゼミ内発表の後に京都のゼミでも発表させていただく予定です.先生はとても忙しいので面談前にレジュメを先に送っておいたのですが,実際に面談時に,レジュメを見て今私が何に悩んでいるのかが大体わかったとのことで物凄い量のアドバイスや参考文献,資料などの情報をいただきました.というのも,先生自身も私のように学際的な研究をされてきたのでとても二刀流に関しての迷いをバッサリしてくださいました.
 面談後,先生が院生時代にされたというゼミでの研究の整理方法を実行し,それ以来今はルーティーン化しようと朝,論文ディグったり作業したりする前に必ず,一番最初に自分の研究について思っていることや研究概要の見直し,再確認として紙にバーッと書き出しています.資料を読んでいて浮かんだ疑問だったり目的がぶれていないか研究課題は何だったかであったり,細かいことでもこの章とこの章の関係性は?など本当にその時のことですが自分の研究と向き合う時間を作り書き出して頭の中身を文字として吐き出す,ということをしています.だんだんこの前のあの文献の言い回しと似ているな,とか文献との類似点が見つかるとか,章立てにはこれが必要とかそういったものがなんとなくですが,少しずつノロノロとクリアになってきています.
 まだまだ蟻地獄のような混沌とした自分の研究の中でもがいていますが,今年は博士の学生の方との交流もなく,ホームのゼミも修士生がいないので意見交換が助教と指導教員のみというある意味ありがたい環境なのですが,同級生的な存在との意見交換ができなかったこともあって気が落ちやすいです.それでも自分が動かないとやはり何も動かないので,今2つのゼミに参加している環境を利用するのは手ですし,来年度は今のB4生で院進してくれる後輩もいるので院ゼミでの意見交換が楽しくなりそうです,
 コロナ禍といえどそれがなくてもだんだんと見えてきた博士の地獄と揶揄される厳しさに,ここで折れるわけにはいかないとなんとか歯を食いしいばってます.
 ここまで長い文章を読んでくださってありがとうございます.どうぞお体に気をつけてお過ごしくださいませ.

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