『あなたがあなたであることの科学/デイヴィッド・J・リンデン著』の感想とレビュー
『あなたがあなたであることの科学/デイヴィッド・J・リンデン』読了!
ーーー・・・以下書籍レビュー・・・ーーー
➤面白さ
★★★☆☆
➤知識量
★★★☆☆
➤難解度
★☆☆☆☆
➤オススメ度
★★★☆☆
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ざっくり言うと、
身長や体重などの外見的な特徴、
それから思考や行動、性格、好み、知能などのパーソナリティに関わる要素は
どのように決定するのか?という疑問に答えていく内容
昔から言われている
「生まれか育ちか」という議論への
最新科学による現時点での結論といえるだろう
著者によると答えは
どちらも間違っているとなる
個人の特徴は、
両親から受け継ぐ遺伝的要素と
発達中におけるランダムな要素に、
環境から受ける経験が
複雑に相互作用した結果で決定されるからだ
例えば身長は、
裕福な環境では約85%が遺伝的に決まるが、
貧困層では約55%に下がるらしい
なぜなら、
劣悪な環境では栄養不足によって
身長が遺伝的限界まで達しない場合が多いから
また
遺伝的に全く同じ細胞から発達した一卵性双生児の細かな違いは、
胎児期における脳内のランダムな神経配線も一部影響している
その他
信念形成に大きく影響も与える記憶のメカニズム、
性的指向、
男女差、
人種間の違いなど、、
自分がなぜその選択をしたのか?
なぜそのように考えるのか?について、
一般論的に知ることができる内容である
全ての主張に科学的な裏付けを提示しており、
未解明な部分への断言は避ける著者の科学者としての態度も
個人的にはとても好感が持てた
ただしそれが故に、
全体的に歯切れの悪く
ぼんやりとした結論で締めくくられることが多い印象を持った
このことは
この分野の研究がまだまだ発展途上であることを示しているのだろう
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