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『運命と選択の科学~脳はどこまで自由意志を許しているのか?~/ハナ―・クリッチロウ』の感想とレビュー

『運命と選択の科学~脳はどこまで自由意志を許しているのか?~/ハナ―・クリッチロウ』読了!

ーーー・・・以下書籍レビュー・・・ーーー

➤面白さ
★★★★★

➤知識量
★★★★☆

➤難解度
★★☆☆☆

➤オススメ度
★★★★☆

*
*

自分が普段、何気なく行っている選択

今日は何を着ていこうか?
ランチは何を食べようか?
どんな人と結婚しようか?

多くの人は、自らの意志でこれらを選択していると考えますよね⁉

この本では、最新の脳科学と遺伝学を駆使して、私たちの行動選択や人格、信念形成がどこまでコントロールできているのかを検討していきます

結論を一言で言えば、『私たちが考えているほど、私たちには自由がない』となるでしょう

つまり、生まれつき変えられない遺伝子配列、直近数世代のエピジェネティックな修飾、そして過去(誕生前を含めて)の経験によって刻まれた脳内の神経配線などによって運命はある程度決められているということ

例えば、あなたの体重の70%、目新しさを追い求めるが傾向の60%は、遺伝子で直接見積もれると考えられているそうです

個人的に面白かったのが、遺伝子検査で自分の遺伝的傾向を知った人たちが取る態度

書籍内で紹介されていた内容によると、多くの人は自分の遺伝的傾向を知ると、初めはそれに抵抗しようと努力するが、最終的にはそれを言い訳に自分を正当化し、行動や習慣は変わらないのだそう

遺伝子検査はむしろしない方がいい人もいるんですね

とはいえ、この本の内容に物理的な見解が一切出てこないのは、運命決定論を語る本としてはかなり限定的ですね

なぜなら遺伝子配列も脳内神経回路も、粒子が織り成す物理的法則から逃れることはできないので

全体的には分かりやすく書かれていましたし(翻訳もOK)、興味深い研究もたくさん紹介されていたので、終始面白く読むことができると思いますよ

運命と選択の科学
~脳はどこまで自由意志を許しているのか?~
ハナ―・クリッチロウ著
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