我が家の食卓・料理事情なぞを綴っていくこの🍎家の食卓シリーズ。聞いてくださいよ。ふふふ。我が家にスタンドミキサーが来たんです。うふうふ。というわけで今回はスタンドミキサーとLeft Over：残り物の話。

スタンドミキサー。お菓子とかパンとかパスタなどを作る際に大活躍するががが、ごごごと混ぜるアレである。

これねぇ、たっかいの！（叫）500ドルくらいするの。で、うちは夫アルゴが何も考えずに欲しいものはじゃんじゃん買う人なので、私が気をつけねばならないのと、そもそもケチなので100ドル以上するものは熟考に熟考を重ねる。50ドルでもめっちゃ考える。本当に必要？ちゃんと使う？てか、本当に使うか？置き場はある？値段に見合う？などなど。しかもこのミキサーなんて500ドル。いや、買えないわけではないが、買うのを数年、躊躇っていた。たまに気まぐれでパンやケーキ、餃子の皮だとか肉まんなぞこさえる私であるが、普通の電動ミキサー、手持ちのミキサー、もしくは己の捏ね（手）で事足りる。なので結局、買わないでいたのである。

ちなみにこのように私がしつこく何年も悩み、買わない、ということがほとんどなので、我が家にあるキッチンガジェット（電気の圧力鍋的なインスタポット、炭酸水を作るSodaStream、エアフライヤーなど）は呆れた、というか苛々したアルゴが購入してくる。

ところが、だ。我が家には、夫アルゴの他にももう一人、何も考えずに欲しいものはじゃんじゃん買う人、がいた。亡きママの妹であるおばである。Noteでも繰り返しご紹介している「近所のおば」である。

この人は夫アルゴなぞ比にならぬくらいのレベルで物を買う。Shopping Holicというヤツで病的なレベルで買い物が好きで、とにかく買うのだ。叔母は近所に住んでいるため、よく家に行くのだが、ある日、家に行ったらダイニングにどどん、とこのスタンドミキサーの箱があった。

……２つも……

夫アルゴは「は？なんなん、これ？何でこんなもんがあるの？いらんやろが！（叫）」といきなりの説教モードである。そして2箱あることに気づき「しかもなんで！2つも買ってんのよ！あんた、絶対に、天地がひっくり返ってもこんなもん使わないだろう！」と、やいやい大声で叔母をせめたてた。

ごもっともである。この叔母はまったく料理をしない・できない。そもそも食事に興味がない。アントワネットかよ！と言いたいのだが、彼女は普通の食事の代わりにケーキ、チョコレート、クッキーやアイスクリームなどが主食なのである。もちろん、健康問題も諸々ある。注意しても聞きはしない。しかも彼女はこんな風に買い物をしまくるため、常日頃、お金が無いとやかましいのだ。無駄遣いやめなさいよ……（がくり）

そんな彼女からのびっくり仰天の返事。

「あ、うん。1つ買うともう1つが半額で買えるセールだったの（ケロリ） cannot beat that!　（ドヤ）」

cannot beat that!　というのは、この場合、お得だったから逆らえなかった、他にこんなお得なことはないよ！買っておかなきゃ！的な意味である。

ちょっ！えぇぇぇぇ。いや、確かにこの国には、BOGO (Buy One Get One)というセール文句があり、1つの商品を買うともう１つはタダ。もしくは、半額、などというシステムがあり、食品や衣服ならともかく、家電などでも「1つ買えばそれでいいものをなぜ？」と思えるような商品にもこの手の製品でも使われるのだ。でもだからって、使わない・必要のないものを買うか？そして彼女は続ける。

「This is for a show! I will not use it, will decollate the kitchen！（ドヤあぁぁ）」

脱力した。「これはね、見せるためのもの！使わないわよ？キッチンに飾るの！」

This is for a show!　This is for a show!　This is for a show!　この言葉が私の頭の中でコダマした。どうやら2階のまったく、全然、使用していないキッチンに飾るのだろう。彼女の家は何故かキッチンが2つあるという仕様（おじが購入した時から2つあって、40年以上まったく使用されていない）なのだ。

だがしかし、別にモデルハウスでもなければ、家を売る予定もないというのに、一体、誰のために見せるというのか！なんのために！！そもそもスタンドミキサーを「デコレーション」グッズとして使用する人がいるのか！（おるわ、目の前に……）50年近く生きて、そしてこのおばとの付き合いも21年目になるのだが、それはものすごい衝撃であった。

私が数年、欲しいと考えていたもの（高価）を、このようなもう阿呆としか言えないような、全く意味のない理由で買ったという事実には、もう清々しさすら覚え、日々、倹約だ、節約だと思っている自分が小さい存在に思える。しかもこれ、しつこいけど、500ドルよ！1つ！（叫）茫然とする私と叔母のあまりの言いぐさに怒りに震えるアルゴに叔母は、あっさりと、

「あ、あともう1つはリンゴちゃんにあげる」

ええええええ。そんな！いやいや、うれしいけど、結構なお値段であるし、ほいほいもらえるものではない。ちなみにおばは、私がコイツを長年、欲していたことは知らないので、単なる思いつきでくれたのである。

「いや、こんな高価なものもらえないし、お金払うよ」という私たちの言葉を聞き入れもせず、叔母はさっさともう1つのスタンドミキサーを我々の車に積み込んだ。えええええ。叔母は物をじゃんじゃん買う割に、購入したものに関して全く執着がないのである。だから、それなら買うなよ、と思うし、もう1万回くらいそれは本人に伝えてある。全然、聞く耳をもたない。

そういうわけで押し付けられるようにして、棚から牡丹餅、的なアレでスタンドミキサーが我が家にやってきたのである。叔母宅で、デコレーションと化してしまったかわいそうなスタンドミキサーの分もじゃんじゃん活用していこうと決心した私は、棚にはしまわず（結構、場所を取る）あえてキッチンカウンターにどどん、と配置した、というわけなのだ。

そして、その日、私は早速、🥧パイ生地を作った。パイ生地。すごい……めっちゃ時短。めっちゃ楽（感動）パイ生地は、夕飯のポットパイに使用した。

ちなみにこのスタンドミキサーにはパスタを伸ばしたり、生地を入れてスイッチを押すとパスタ状になる付属品（別売り）などもあり、これは、今後、パスタだの餃子の皮だの、じゃんじゃん作れる、と震えた。後になって調べたら、なんと83種類もの付属品が存在し（驚）パスタだけでなくアイスクリームや野菜のヌードル（人参・ズッキーニなどを麺状にする）もできる。心が躍りすぎる。だがまずは、箱に入っていた3つも基本付属品を使いこなしてからにしようと思う。

ちなみに、ケチであると上記したが、私は無駄にするのが嫌なのだ。なので残り物リメイクなど大層、得意である。この日、作ったポットパイは、前日の夕飯に作った野菜の付け合わせ（人参、グリーンピース、ブロッコリーをバター炒めしたもの）が残っていたので、それに小麦粉をまぶした鶏肉を炒め、残り物野菜を入れ、牛乳とコンソメを入れ、ホワイトソース状にしてシチューというかチャウダーというかそういうものを作った。

夫アルゴも、ついでに言うと件の叔母も何故か、「残り物」を非常に嫌う。残り物として冷蔵庫に入っているものには手を付けない。なので、アルゴと一緒にいるようになって残り物リメイクが上手になった。夫アルゴの面倒な点は、明らかに昨日の残り、という体で出すと手を付けない。なので、見た目なぞを変えなくてはならない。面倒な男なのである。

ちなみに、アメリカのレストランは阿呆のような量が出てくるので、持ち帰りをする人が多い。会計する際にはお持ち帰り用の入れ物いる？と大抵聞かれるし、持ち帰り用の箱暮れ、と言えばどこでももらえる。

ついでなので残り物活用？レシピ的なものを書いてみる。

残り物レシピ。マッシュポテト。茹でてつぶした芋にバターを入れ、塩コショウで味付けしつつ、牛乳を入れてちょっとクリーム状にするのだが、これも割と残りがちになる。コロッケなぞにしてもいいが、牛乳などが入っているため、マッシュポテトにすると、コロッケにしづらい。なので、余ったら絞り袋にいれ、絞り出し、パルメザンチーズだの、みじん切りにしたパセリなぞを散らしてオーブンでほんのり焦げ目がつくくらいに焼くとまた別のものとして楽しむことができる。これにカレー粉なぞを入れたりするのも良い。

このほかにも、余ったマッシュポテトは、チーズを混ぜ込んで、他のみじん切り野菜と混ぜて、オムレツの具にすることもある。コーンスターチ、もしくは、片栗粉を混ぜ込んで、固くした後、平べったくして、フライパンでパリパリ・カリカリになるまで焼いてせんべい的にするのも良き。最後にフライパンの鍋肌に醤油を垂らすとますますせんべいっぽくなるのでよく作る。いももちの変型バージョンとてもいうのか。それを作るためにわざと多めにマッシュポテトを作ることもある。

そして、食卓シリーズその３で触れたMac &Cheese マカロニチーズ。マカロニがチーズソースまみれの、アメリカではとても一般的な料理。こちらは、時間がない時などは箱入りのインスタントを使うが、これもまたひと箱使うとめちゃくちゃ余る。（インスタントを使わないレシピもそのうちご紹介したいと思っている）

コイツは、余ったら翌日は、オーブン皿に入れ、溶き卵をまぜて、上にチーズを敷いて、粉末パプリカを振りかけて焼く。その３でも書いたベイクドマカロニチーズである。連日、マカロニチーズでゲンナリ、の場合は、使い捨てのアルミ製のオーブン皿にいれ、カバーをかけて冷凍しておく。別の日のらくちんごはんになるのだ。それでも余れば、ホワイトソースを作り、牛乳とか他の具材と混ぜて、スープにしたりする。

アメリカ人はマカロニチーズが大好きなせいか、マカロニチーズバーガーとか、日本マクドナルドで展開するかの、グラコロのようなものも存在する。だが、この国にグラタンは存在しない。

ちなみに、箱入りマカロニチーズを使う時の私のコツ（亡きママに教わった）は、オニオンパウダー、ガーリックパウダーを入れ風味をつける。付属のチーズソースと一緒にティースプーン1杯ほどのマスタードを入れる、黒コショウを振りかける。これだけでかなり味が違うので、箱入りのインスタントマカロニチーズを使うことがあれば、お試しいただきたい。マスタードがポイントである。

というわけで、これからはスタンドミキサーも活用しつつ、じゃんじゃん色んなものを作っていきたいなぁと思っている次第である。

終

ちなみに夫アルゴの誕生会で作った30人分のパンは、このスタンドミキサーのおかげでできたわけなのです。夫アルゴの誕生会の話はこちら。

そして、後日、叔母宅へ行ったら本当に飾られていた🤔可哀そうなスタンドミキサー（デラックスタイプ）