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サービスデザイン思考-「モノづくりから、コトづくりへ」をこえて-のセミナーに参加してみて

「はじめてまして」と「こんにちは」
ペーペーデザイナーのカナです。

久々に記事を書きます。
11月5日(土)に参加した井登友一さんご登壇の、サービスデザイン思考-「モノづくりから、コトづくりへ」をこえて-のセミナーに参加しました。リアルイベントは2,3年ぶりだったのでドキドキしながら会場に向かいました笑

今回は、セミナーで印象に残ったこと3点と所感を綴らせていただきます。
デザイナーがサービスを考える上で意識すべきことは何かが皆さんも見えてくると嬉しいです。

価値をどういったコンテクストで経験させたいか

価値は、どういうコンテクスト(文脈・背景)で経験させたいかを考えて提案する必要があります。

例えば、単純な例ですがここに「とても美味しい」という価値を持った水があったとします。
この「とても美味しい」という価値をどういうコンテクストで経験させるか。
何回かサウナに入って整った後に、脱衣所で少しポカポカした状態で紙コップ一杯の水を飲んでスッキリさせて締めるという経験のもとの「とても美味しい」価値と、毎月定期便で美味しい水が届いて、その水を使ったご飯が普通の水で炊くのとは違って絶品で「とても美味しい」とでは、同じ「とても美味しい」であっても、誰にどんな背景のもと「とても美味しい」と感じてもらいたいかによって、適切なコンテクストは変わります。

ただ、適切なコンテクストを考えることは正直大変です。多方面で物事を考え、あらゆるパターンのコンテクストを洗い出す必要があります。
今回の例のサウナの場合だと、脱衣所ではなくてサウナに入っている最中に水を飲む方が「とても美味しい」と感じるかもだし、サウナのやめ時に水を飲んで「とても美味しい」と感じて、モチベーションを上げてラストスパートのサウナの追い込みができるという経験もあるかもしれません。
このようにいくつかパターンを考えてから、何が一番良さそうか理由も明確化させて目星をつけます。
さらにそのコンテクストが本当に適切だったのかの振り返りがしやすい状態にし、PDCAを回して理想的なコンテクストに徐々に近づけさせます。ここは踏ん張りどころですね。

固定概念や自分の思考にとらわれないで、自分たちの届けたい価値の理想的なコンテクストを考えるようにせねばと感じました。

企業は価値提案しかできない

「企業は価値提案しかできない」というのはどういうことか、セミナーの話をもとに説明すると、

美味しい水を売る企業があります。企業が「この水は美味しいよ!」と、どんなに伝えたとしても、お客さんがその水を飲んで「美味しい」と思わなければ「美味しい」という価値は提供できていないことになります。お客さんが利用・経験し「これは美味しい水だ」と感じてはじめて、価値は生まれるのです。

そのため、私たちは「これが価値だ!」と伝えて終わりではなく、しっかりとその価値をお客さんが意図通り感じてもらえているのかを調べる必要があります。
意図通り感じていないのであれば、なぜ感じてもらえなかったのか、全く違うところに価値を感じたのではないか、価値を届けるターゲットが違ったのではないか、などしっかり分析して振り返り、次のアクションを考えるところまでやらなければなりません。

私たちがやっていることはあくまでも「価値提案」であって、提案で満足しては行けないことを改めて思い知らされました。

価値提案しユーザーが感じてはじめて価値が生まれ、その関係性が価値共創となる

"脱"人間中心設計

世の中は人間中心でサービスを生み出せるようになりました。お客さんにとって満足な経験は、ある程度のサービスは提供できています。
そのため、ユーザーのニーズをただ叶えるサービスだと、コモディティ化しているサービスの中で生き残れないのです。
ではどうしたらいいのか、それが"脱"人間中心設計にあります。
ここから先は私の解釈が多いので、合っているかは分かりません。ご了承ください。

私は"脱"人間中心設計を、ターゲットだけを見るのではなく、ターゲットを取り巻く環境・社会・競合・自社すべてを見てサービスを設計することだと捉えました。
ターゲットのニーズを捉え、ニーズを叶えるサービスであることは絶対条件です。(井登さん講義の中でいうニーズドリブン)
そこからイノベーションを起こす、お客さんにとってかけがえのない存在になるためには、お客さんと距離をとって、ターゲットの取り巻く環境・社会・競合を調査し、自社の強みを再定義しサービスを設計することが生き抜くために必要な条件になってきます。
そんなの当たり前じゃん、と思っている人もいるかもしれませんが、意外とどの会社もニーズを捉えて価値を提案することだけで精一杯になっているところが多数かと思います。自分も含めて、より広い視点でニーズを捉えることができているのか振り返ると良さそうですね。

これからは、"脱"人間中心設計の考え方を取り入れて、競合との違いは何か、どういう想いのもとお客さんのニーズを叶えたいのかを、適切なチャネルとアプローチで伝え経験させる設計をしていきます。

ニーズドリブンとビジョンドリブン

以上、印象に残ったこと3点と所感でした。

ちなみに話は脱線しますが、井登さんが最後の方で経験の次はトランスフォーメーション(変化・変身)が来るであろうとおっしゃってました。
確かに、仮想世界で自分のアバターを作成して現実世界とは違う自分になれることに価値を感じている人が徐々に増えてきている気がします。他にもVtuberは、現実ではありえない設定のなりたい自分になることができ、その自分をリスナーから評価されるという、変身した姿に価値を感じているように見えます。
「自分を商品として売り出す時代になってきた」という言葉が印象的で、考えさせられる興味深い題材です。

今回セミナーに参加した理由が、「サービスデザイン思考を改めて自分の解釈で言語化したい」という思いだったので、次回はサービスデザインを改めて自分の言葉で整理したものを記事にします。そこでトランスフォーメーションについて私の考えも綴ろうと思います。

それでは、ここまで読んでくださりありがとうございました。
ペーペーデザイナーのカナでした。



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