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海外在住フリーランスUXデザイナーをおすすめしない理由

こんにちは、Shimomura Kanako(下村 香菜子)です。1月15日~31日まで日本に一時帰国していました。約1年半ぶりに日本に帰国し、弟達・友人・会社関係の人などたくさんの人に合うことができました。帰国してみて、やはり東京は大都会だなと改めて感じました。そしてどこへ行ってもとても清潔ですね。笑

さて、今回は少し鋭利なタイトルではありますが海外在住フリーランスデザイナーの私が海外在住フリーランスUXデザイナーをおすすめしない理由という内容でお話しようと思います。

この記事はこんな人におすすめです
海外在住フリーランスUXデザイナーを目指している方
海外在住フリーランスデザイナーのノウハウを知りたい方
海外在住フリーランスUXデザイナーの具体的な実現方法を探している方


まず、なぜこんな記事を書こうと思ったのかからお話していこうと思います。私の自己紹介でもnoteを始めた経緯として記載していますが、UXデザイナーのフリーランスに関する質問が増えたことです。また、YoutubeやTwitterでは「未経験 / フリーランス / ノマド / UXデザイナー / 海外移住」といった耳触りの良い情報をみかけます。ですが、正直かなり難しいと思っています。
とはいえ、実際私は海外に住みながらフリーランスデザイナーとして働いており、生活ができています。なので私の経験を元におすすめしない理由、私なりの解決策という大きく2点をお話しようと思います。相変わらず長いので目次をご活用ください。



海外在住フリーランスUXデザイナーをおすすめしない理由

役割・業務内容的に「海外在住」「フリーランス」という状態が向かない

 UXデザイナーは、
  1. コミュニケーションを密に取る必要がある
  2.  1人作業より複数人との作業が多い
  3. 情報整理→まとめるという1人のスキルでは難しい役目が多い
  4. 担当しているサービスの顧客・ユーザーを生で見れたほうが良い

それぞれ具体的に説明していきます。

1. コミュニケーションを密に取る必要がある

UXデザイナーは案件序盤にタスクが偏る事が多いです。また、フリーランスの場合、案件単位で契約することが主流なので全員知らないメンバーと仕事をするなんてことは日常茶飯事です。なので、序盤に仕事がある × 全員知らない = 密なコミュニケーション必須となります。海外在住の場合、時差の関係でMTGに出れなかったり、Slack等のチャットが賑わう時間にログインすることができません。その為、「海外在住」かつ「フリーランス」だと関係構築の難易度が上がると感じています。

2. 1人作業より複数人との作業が多い

1つ目で記載した通り、UXデザイナーは序盤にタスクが集中します。序盤はやりたいことが定まっていないことが多いのでステークホルダーにインタビューを行ったり、メンバーの意識を揃えるためにワークショップを開催したりします。また、ペルソナ作成やカスタマージャーニーマップもUXデザイナーが1人で作るものではありません。その為、想像より複数人での作業や自分がリードする立場が多くなります。①同様に「海外在住」という時差の問題がネックになりやすいです。

3. 情報を整理してまとめる役目が多い

UXデザイナーというポジションは、絵を作る意味でのデザインよりも情報を設計する意味でのデザインが主な仕事です。クライアントやユーザーの情報を集めたり、ワークショップで発散させた上でゴールに向けて情報をまとめるといった作業を多く行います。フリーランスの場合、プロジェクトに自分しかデザイナーがいないなんてことはザラにあります。会社であれば、他にデザイナーがいて相談できたりしますがフリーランスは難しいです。自分の引き出しの量に依存するので「フリーランス」だと難しいところだと感じます。

4. 担当しているサービスの顧客・ユーザーを生で見れたほうが良い

UXデザイナーはその名の通りユーザーに重きを置いたデザイナーです。リクルート時代、フィールドスタディを目的に実際にサービスを使っている現場へ行き観察をしたことがあります。私は飲食店向けのSaasサービスの担当だったので、お店の暗さ、スタッフは常に両手が塞がっていること、手が濡れていることなど実際に現場を見ることで気づきがたくさんありました。また、改善案を盛り込んだモックアップを実際にユーザーに使って貰いブラシアップすることもよくあります。このようにUXデザイナーは顧客・ユーザーに関わる方がよりユーザーファーストなサービスを設計することができます。この点で「海外在住」は大きなデメリットになります。


2. 私がどう解決しているか

ここまで話したおすすめしない理由に対して、実際私はどのように振る舞っているのか私の解決アイデアを紹介します。

課題:海外在住フリーランスだと、コミュニケーションが密にとれない

知っている人がいる会社で働かせてもらう

これは仕事の取り方に近いですが、顔見知りがいるかどうかで仕事のしやすさは格段に代わります。例えば、他己紹介のような形で自分の事を軽く紹介してくれるかもしれません。「○○○さんの元同僚?」のような形で会話のきっかけも生まれます。

案件単位ではなくポジション単位で働く

案件単位の場合は契約期間が短い場合が多いですが、ポジションで契約が取れると長期的に関わる事ができます。例えば、○○○アプリのUIUXデザイナー等。長く働けばメンバーとの関係性も築きやすくなります。

課題:海外在住フリーランスだと複数人との作業が上手く段取りできない

準備を徹底し事前に共有する

ワークショップ自体は無くすことができないですが、当日の時間を有効活用できるようにワークショップの説明や実施の背景・目的を事前に共有します。これをしておくと時間がオーバーして会議を増やす羽目になったり、必要な情報を聞けなかったという事が起こりにくくなります。

作業のたたき台を積極的に作る

これは、自分が会議やコミュニケーションの場にいる機会が少ないからこそ、積極的に「ここは整理が必要だな」と思ったら作業のベースを作りみんなに「どう思う〜?書いて〜」と投げるという作業です。作業のきっかけが分かればみんなの議論の流れも読みやすくなります。

30%くらいで共有する

情報整理の作業は膨大になることが多いです。完璧に作ってから共有するといつの間にか修正が入っていたり、キャッチアップが間に合わず内容についていけなかったり、ズレの修正が無駄になります。なので、少し作成したら「この辺で作業してるよ〜」とFigmaのリンクをメンバーに送ります。そうすると、認知してくれるので変更内容を共有してくれたり、会話について行きやすくなります。


課題:情報を整理してまとめるという大役だけどフリーランスだから相談できる人がいない

デザイナーが複数いる案件に1つは入る

これも仕事の取り方に近いですが、できれば自分と同じポジションのデザイナーがいる案件に入ってください。私はカナダへ来る半年前からGoodpatch Anywhereに所属させていただいています。AWにはかなり様々な種類のデザイナーが所属しているので、気付きや学びがたくさんあり相談もしやすいです。


課題:海外在住だからサービスを利用するユーザー、顧客に直接合う事ができない

ユーザーの利用環境が「リアルな場」ではない物を選ぶ

例えば、現在私はオンライン完結型の診療サービスに関わっていますが、このサービスはユーザーが自宅で使うので日本に住んでいても現場を見るのが難しいです。代わりにユーザーが実際に触った形跡をデータで追ったり、診療後のアンケートを見たりして情報を得ています。

他のメンバーに代行する

例えば、ヒアリングであれば「ヒアリング内容の設計」まで行って実際のヒアリングは別のメンバーに行ってもらうことが可能です。また、現場の環境を動画で撮影してもらったり、議事録を共有してもらうことでキャッチアップは可能です。


最後に

今回の内容はいかがだったでしょうか。

ここまで読んでくれてありがとうございます。
誰かの役に立てたら嬉しいです。


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