見出し画像

8歳息子のWISK-Ⅳ

小学校生活に馴染めず、区の教育相談に通っている中でWISK-Ⅳを勧められ受けてみた

WISK-Ⅳってなに?

息子が受けたのは、日本版WISK-Ⅳというもので、5歳から17歳未満の子どもの知能を測定する検査。知能を4つの分野に分類し、それぞれを測定することができる。4分野とは、「言語理解」(言葉で考える力、知識量)と「知覚推理」(知っていることを手掛かりに、未知の問題を推測する力)の”インプット”分野と、「ワーキングメモリ」(情報を一時的に記憶してそれを使いこなす力、注意力)と「処理速度」(目から入ってきた情報を識別して処理する力)の”アウトプット”分野の大きく2つに分かれる。
それぞれの4分野のIQを測るほか、インプット側(一般知的能力)とアウトプット側(認知熟達度)のそれぞれのIQ、そして全体を平均した全検査IQを測ることができる。

検査方法は?

区のサポートセンターのようなところで、専門の資格者が子どもと1対1で向き合って口頭で質問し、答える形式。どんな問題が出たのかは、息子に聞いたけど「覚えてない!!」といわれた…。一例として、ワーキングメモリの検査では複数の単語や絵柄を見せられ、それを覚えて、一定時間経った後いくつ覚えているかなどみるようだ。
専門の病院でも受けられるようだが、検査費が高いとも聞く。息子は区のサポートのもとで受けたので無料だった。
検査時間は、通常1時間ほど、たくさん喋る子だと1時間半くらい、と言われ、おしゃべりが止まらない息子はたっぷり2時間ちかくかかった。だいぶ疲れて戻ってきた。
口頭のやり取りの中で、答えではなく、考えた時間や、考え方、ぽろっと発した言葉なども、とても大切にみると説明を受けた。

子どもにどう伝えた?

あなたのことがとても育てづらくて心配だから、知能検査を受ける、とは当然言えないので(笑)、「自分がどんなことが得意で、どんなことが苦手だかわかるテスト」という説明をした。
「ふーん」と特に疑問を持たずに受け入れていたが、終わった後、
「どの問題がどういう力を測る問題だったの?!」
と聞いていたので、イメージする「テスト」とはだいぶ違ったのだろう。
「答え方や考え方も丁寧に見てくれている見たいよ」
というと
「あ〜だから何も答えてないのにずっとメモとってたんだ〜」
と納得していた。

結果は?

結果、息子はIQが高く、ギフテッド傾向があることがわかった。その中でも「言語理解」の分野が飛び抜けて高く、「ワーキングメモリ」や「処理速度」のアウトプット分野との差が大きかった。この「差が大きい」というのがポイントで、差が大きければ大きいほど、周囲とのズレや自分の中でのアンバランスを感じやすいという。各分野ごとの指標の差をとった、「標準出現率」という項目が示される。この分野間にこれだけの数値的な差があることが、どれだけ珍しいことかというのをみるための指標で、15%(同世代でこの差が出現する確率が15%くらい)を切ってくると、「生きづらさ」につながることがあるという。インプット側の「一般知的能力」とアウトプット側である「認知熟達度」の差の出現率が、1.8%。これは、、、そりゃあ周囲とのズレや居心地の悪さ、感じるよね、というのが数値的に裏打ちされていた。…納得。

受けてみてよかったこと

本当に、受けてみてよかったと感じている。なぜなら、この結果を受けて息子への接し方のアドバイスをもらえたこと、そしてそのアドバイスに沿った接し方が、今の所、息子との関係や彼の心に良い影響をもたらしてくれているように感じること。
息子の場合「わかっているけどうまくいかない」「理解はしてるけど気持ちをコントロールできない」という傾向があって、理解できる量、飲み込む力に比べて処理速度が追いつかない、ということらしい。結果や今できているものはどうであれ、まずは「わかっていること」「やろうとしていること」を認められるのが大事と言われた。
字が汚い、とか、文章が雑、とか、言いたいことは山ほどあるけど、まずは全て飲み込んで「よくこんなに読んだね」「自分で考えて始められたね」「こうしようとしていたよね」「頑張ろうとしてたよね」という姿勢を誉める、それで「わかってもらえた」「認められてる」という安心感を感じられることを意識してみた。
天邪鬼な小3男子、「こんな大したことないことで褒められる意味がわからん」「何が偉いの、何も偉くない」と憎まれ口を叩きながらも、以前のように「できない!わからないよ!」と爆発して泣き出すことや塞ぎ込むことが、極端に減ったと感じる。

結果をどう子どもに伝えたか?

結果が来る頃には、検査を受けたこと自体覚えているか微妙な感じだったので、伝えるかどうかすらどっちでもいいかな〜と思っていたのですが、せっかくだし話題の一つとしてフィードバックしてみた。IQがすごく高かったというのは、ピンとこないだろうし、今知ることで特に良い影響もないかなと思ったので、言わず。
「前に受けた、得意不得意がわかるテストあったじゃん?」
と切り出すと、
「あー」
と覚えている様子。
「インプットとアウトプットってわかる?自分の頭に取り込む力と、入ってきたものを処理して引き出す力。インプットの方がアウトプットよりも得意だから、わかってるのにできないな〜とか、自分の考えに手が追いつかないな〜と感じることがあるんだって」
というと
「そうそう!」
とかなり思い当たる様子。
「結果のところばっか見て、お母さんがぐちぐちいうと嫌になっちゃうよね。わかってもらえてない、って思っちゃうもんね」
というと
「そうそうそう!」
と嬉しそう。というかドヤ顔。
でも、そういうことなんだろうなと思った。
「気持ちわかるよ」「どんなでも受け止めるよ」と寄り添うことがまだまだこのこには足りていなかったのだと痛感する。
そして検査結果を受けた、具体的かつ信頼度の高いアドバイスに、これまでのモヤモヤがクリアになり、とても救われた気になる。

「わかってるのにできない」気持ちはとてもよくわかる。特に母親になって頻繁に感じる。
寄り添うと決めた同じ日に、いつもと変わらない強い言葉で口論してしまうし、止められず怒鳴ってしまうこともある。
でも、意識するのとしないのとでは、やっぱり違うと信じたい。
できないことは自覚しつつ、一歩ずつ。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?