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隣の席の女の子

僕の席は窓から2列目の1番後ろから2番目。隣の席には、窓からの暖かい日差しを浴びながらでいつも寝ている女の子。

今日は朝の天気予報が言ってた通り、木枯らしが吹いていた。空気が籠るからとちょっと開けられている窓。

彼女はそんな木枯らしもどこ吹く風かと、平常運転で寝ている。

少し鼻がツンっとするような冷たい風が、彼女を通り抜け、僕まで届く。この甘い香りは、彼女のシャンプーの匂いなのか?とふと思い、1人でドギマギしながら、勝手に照れてたら、顔を上げた彼女と目があった。

なぜこのタイミングで顔を上げるのかと?と思い、彼女から目を背けるも、彼女はにやにやしながら僕に、「どうしたの、そんな照れて。いい匂いでもしたー?」と悪魔な笑みを浮かべながら言ってきた。

「そんなことない!」って言ってみるものの、言い当てられたからなのか、シャンプーの匂いを想像したからなのか、どちらもなのかわからないが、顔がいつもより熱い。

「そこ!授業中にうるさいぞ!」と先生に注意されたことで一区切りつき、僕は心の中で「助かった。」とホッとした。

さあ黒板を写そうとノート見ているとそこに小さな4つ折りのノートの切れ端が飛んできた。

見てみるとそこに小さな4つ折りのノートの切れ端が飛んできた。

そこに書かれていたのはエッチとアッカンベの絵文字。またそうやってからかって!と思いながら、彼女を見てみると、木枯らしで髪をなびかせながら、意地悪だけど可愛らしさも併せ持った笑顔でこっちを見てた。

部活終わりの帰り道、自転車で2人乗りの後ろに乗って、いつも僕に見せる笑顔とは違う、恋愛感情がどこからか感じられる笑顔で話す彼女を見かける。

彼女も僕に気づいたのか、こちらを向き、昼間の机に投げられた手紙に書いてあった絵文字のように、あっかんべーをしてきた。

そんな2人乗りの後ろに乗った彼女の髪が、自転車が前に進むたびに綺麗になびく。

彼女にとっては、たまたま隣の席になった、クラスメイトにしか過ぎないのだと理解しつつも、どうか僕の近くでだけ麗しくなびかせてほしい。
そしてまた僕をからかいながらも、笑っててほしい。
風でなびいて感じる彼女のシャンプーの匂いも、風のせいでくしゃくしゃになった髪の毛も、それを直す仕草も全部僕にしか見せなければいいのに…と思わずにはいられなかった。

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