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飛行機

夏の、とても暑かった日のこと。

ようやく日が落ちて暗くなった後、ぽつりぽつりと雨が降りだした。
空気はまだ熱を帯びたまま、僕の肌のうえを生ぬるい感触を残しながら這う。
すこしだけ冷たい雨の粒が、熱をもった腕に、首筋に、ぽつりと落ちる。

空を見上げる。

飛行機が、赤や黄色の光を点滅させながら上空を横切っていた。
この雨は続くだろうか。