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【検証と改善】最適解を見つけるためのアナログ+デジタルな結果検証方法

「採用できたわ、ありがとう!」というクライアントに
「何人応募が来て、何人面接されてたんですか?」と聞いてもしっかり答えられる人はほとんどいない。残念ながらこれが今も昔も変わっていません。

私の採用活動のトレーニングでは効果測定を必ず細かく行ってもらいます。ここを習慣化することが一番大変です。涙。
採用活動がセルフサービスになるこれからだからこそ、自社の求人活動の結果検証をちゃんと行い、改善の打ち手と共に次の採用活動へつなげることは重要です。

ここでは検証と改善のために必要な数字、検証手法、改善の打ち手を「アナログ」と「デジタル(テクノロジーツール)」の両面で紹介します。


検証と改善に必要な4つのポイント

まず検証と改善の活動において、採用担当者は以下の4つのポイントに留意することが大切です。

目標、ゴールを必ず決める

期間を定めて、定量、定性、の目標を必ず決めましょう。定量集計の期間はキリの良さで1か月単位がベター。ここをしっかり設定することが、結果オーライから脱却できるはじめの第一歩です。

応募反響の効果測定は必ず行う

先述の通り、このデータがないと全く振り返ることができません。もれなく必ず行いましょう。
どういった数字をとる必要があるかはこの後のチャプターで紹介します。

数字の「なぜ」について考える

数字がなぜ「下がった」のか、なぜ「上がった」のかを必ず考えましょう。
その数値に至った「原因」を考えることで、成功手法が再現可能なものになります。

改善の打ち手を知っておく

その数字を変えるためには何を行うことが必要か、打ち手を理解することが「改善」に繋がります。この方法もこの後のチャプターで紹介します。

「必要な数字」と「改善策」について

検証と改善には「7つの実数」が必要です。「え!そんなにとるの・・・涙」と思われるかもしれませんが、改善を行うポイントがそれだけ存在するのでぐっとこらえてください。そして、その実数と実数のあいだの「遷移率」も測定しましょう。「実数」だけでなく「遷移率」にも注目することで、相場比較での「合格ライン」が顕著にわかり改善制度が上がります。

2024年2月 @WaGaGoToプランニング

①一覧表示回数

くさんの求人票から自社の求人を見つけてもらうための一次選抜の数値です。求人のポイントと求職者の検索キーワードが合致した場合に表示され、一覧表示回数が1となります。Indeedなどの検索型求人では、案件によって異なりますが月間2,000回くらいを目安に置くとよいといわれています。

【改善点】キーワード合致がポイントになりますので、職種や地域で入力されやすい「ヒットキーワード」を押さえる事がまず大切。つぎにターゲット求職者が入力しそうな「言葉」を推測してそれを求人に使用することが改善のポイントになります。

②クリック数(詳細原稿表示回数)、クリック率

一覧画面に一次選抜された求人票のダイジェストがクリックされると詳細求人原稿が姿を見せます。その表示された回数をクリックされて初めて求人票は全体像を求職者の前に表すことから「クリック数」といいます。ダイジェストが何回クリックされたか(表示回数)、一覧表示された回数のうち何%が詳細にまで遷移したか(遷移率)、両方を確認することが大切です。

特に遷移率に注力ポイントを置くべきで、5%を超えることが目安と言われています。

【改善ポイント】求職者に「この広告をもっと詳しく見たい」と思わせることがポイント。そのためには一覧表示画面に出現する部分を魅力的にみせる必要があります。
メディアは違えど出現部分はほぼ共通で、「職種」「求人タイトル」「給与」の記載内容を魅力的に磨くことがポイントになります。

「職種」「求人タイトル」はシンプルにかつ求職者に伝わりやすく記入することが大切。余計なことを書くとルール違反になるメディアもあります(特にIndeed)。
「給与」は17万5,000円~22万3,000円のように募集時給与の上限も記載することが大切。この一覧表示画面でしか情報を入手できない求職者に、入社時の給与幅があることはしっかり伝える。応募を増やすコツです。ここに留意しましょう。

③応募開始数、応募開始率

求職者が求人広告を見て応募ボタンを押した数です。応募ボタンが押されない事には応募は生まれません。求人原稿改善の最終チェックポイントですね。
詳細原稿が表示されたうち3%が応募ボタン「ぽちっ」にまで到達することが目安と言われています。

【改善ポイント】求人原稿が求職者に魅力的に伝えるよう、求人原稿内容を見直すことがポイント。以下の5つには特に注意しましょう。
・レイアウトを整える
・文字の塊にならないように行間を作る
・「この求人のポイント」をまとめて冒頭に出す
・写真は最大枚数まで追加する
・「内装」「外装」「働く仲間」「商品」「扱う道具」「社長や上司」と写真は被写体を変える。同じ系統ばかりの写真にしない

④応募完了数、応募完了率

応募開始した人が全員応募完了まで到達するわけではありません。何かの理由があれば取りこぼしてしまいます。ここは100%になるように意識しましょう。

【改善ポイント】応募フォームの必須項目が多いと離脱しやすくなります。履歴書添付、職務経歴書添付などの提出書類が多いことも離脱の原因。
名前、性別、年齢、住所、連絡先くらいにとどめ、あとは会ってから確認するようにしましょう。

以上の4つのステップはIndeed画面上ではこういった順番になります。

⑤面接設定数、面接設定率

面接設定率を上げる項目で紹介しましたが、応募受付と面接日決定までを爆速で行うことがカギです。自動受付botや面接日程調整のテクノロジーを使うと改善されやすいです。

⑥面接来社数、面接来社率

いかに面倒くさいと思わせないか。当日手ぶらで来社できるようにするなど、持参物をゼロに敷居を下げることが大切です。ショートメールでの当日朝のリマインド、駅からのルートマップを送るなど、応募者はお客様だと思って「来てもらう」ための工夫が必要です。

⑦入社数、入社率

これもカギはタイムラグをどう減らすかになります。手続きをデジタル化して、極力スマホで「ぴ」と完結するように、テクノロジーツールを導入するなどしてスピードアップしましょう。

テクノロジーツールを活用して検証スピードを上げる

採用サイトで作った求人は、Indeed、Google、求人ボックス、スタンバイ、といった複数の検索エンジンに求人情報が自動で配信され、これからIndeed PLUSが始まれば、加えて様々な求人媒体にも情報が配信されるようになります。ひろい範囲での募集活動がスタンダードになります。

そうなると、もはや手運用で情報を収集し、集計し、検証することの難易度が大きく上がります。ひとりではもはやできないレベルですね。
こういった時には、検証と改善を助けてくれるテクノロジーツールを使いましょう。

採用管理ツール(ATS)を使う
リクオプ、ジョブオプ、Hito Manager、ビズプラといった結果検証機能が充実している採用管理システムを使う。

Google Analyticsを活用する
GA4と言われるツールを使うことで、無料で非常に細かく検証する方法もあります。

すでに採用サイトを使っている企業は、採用管理ツールを使うと一部機能が重複しますし、月額の利用料金も8万円~20万円前後と比較的高価です。

GoogleAnalitycsは無料ですが慣れるまでは操作が複雑です。

なにより、これら二つの方法では、面接以降のローカルデータと掛け合わせての検証ができないのが大きなネックです。

検証専用のツールを使う
データ集約と検証に特化したツールを使うと上記の2つの懸念が払しょくされ、利便性が非常に高いです。わたしはこの方法をお勧めします。代表例は『採用見える化クラウド』というシステムです。

広告掲載から面接設定までのデジタルデータと、面接から入社、入社後の稼働に至るまでのローカルデータを掛け合わせて分析する事ができて、ここで紹介した各手順の「実数」と「遷移率」をレポートしてくれます。

複数のメディアを使っていればその手法別地域別職種別求人案件(原稿)別などの検証も設定どおりに行ってくれます。

複雑なデータの処理をテクノロジーツールに任せておけば、人間はこれを見て打ち手の検討と決定、実行に注力でき、ループが一周してからのリスタートが早くなります。


終わりに

応募が何件入っていたかすらわからず、いつも結果オーライだった企業さんもこの考え方を導入したことで、採用担当はどんぶり勘定ではなくコスパが一番いい手法を考えるようになりました。

全体予算の圧縮だけでなく、採用が厳しかった案件にも応募の手ごたえを感じはじめたと伺っています。

やりっぱなしにせず、結果を検証することで必ず改善の打ち手が見えてきます。採用担当の仕事は求人予算の振り分けではなく、検証結果を見ての改善打ち手の検討と実行です。採用活動のループを回すための最後の工程、しっかりと進めてみてください。


おまけ

現在、投稿しているnoteの内容をまとめ、ITが苦手な人でも採用~離職防止までの活動を便利に進める入門書籍を作成しようと進めております。順不同の五月雨でどんどん投稿してまいりますので、応援をよろしくお願いいたします。

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