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アドバイスに使ってみたい漫画の名言⑦ ~『GIANT KILLING』~

私は教員時代、
どこにでもあるごく普通の女子ソフトテニス部の顧問をしていました。

中学校に入って初めてラケットを握り、
本格的にスポーツを始めるような生徒が大半だったので

最初のうちは、

小さいときからソフトテニス界の最前線で活躍しているような選手や
小学校のときからスポーツに取り組んでいて運動に慣れている選手には

全く歯が立ちませんでした。

それでも負けず嫌いな私は、
なんとか頑張っている生徒たちを勝たせたいと思い、
日々、指導方法や練習内容を試行錯誤しました。

だからこそ漫画『GIANT KILLING』に、
タイトルも含めて惹かれたのだと思います。

ジャイアントキリング
格上の相手に勝つ、弱者が強者に勝つ、番狂わせ

強豪校に注目されていない平均的な部員にとって、
魅力的な言葉で憧れるシチュエーションです。

この強者に立ち向かうチャレンジ精神を生徒にもってもらいたいと思い

「ジャイアントキリングしようぜ!」

と事あるごとに発言していましたが、
私の熱意が強すぎて
部員たちが若干引き気味になってしまったことは反省しています。

その漫画『GIANT KILLING』の中の達海猛監督の名言

「何でも思い通りにいって何が楽しいよ
 俺が楽しいのは
 俺の頭の中よりスゲーことが起こった時だよ」

にふれたとき、
私は指導者としてもう1つの目を開くことができました。

それまでは、私のアドバイス通りに
生徒たちがプレーできるよう腐心して練習メニューを組み、
型にはまったプレイスタイルの構築を目指していましたが、
この場合、

私の指導力の限界=選手の限界

になってしまうことになります。そのことに気づかせてくれた名言でした。

実際、上位大会に進むと小学校の頃から
全国〇位というような肩書を持っている選手がゴロゴロいるので、
私のアドバイス通りにプレーして序盤は善戦できても、
経験豊かな選手にその場で対応、修正されてしまうと
その後は手も足もでない状態になってしまい、悔しい思いをしたものです。

この名言から学んだ私は普段の練習から

・練習で身につけるのはあくまで基本的な技術や戦術、考え方であること(ある程度の型はつくる)

・それをベースにして、
 その技術や戦術をどう活用するかを考え、創意工夫すること

とアドバイスするようになりました。

そして、一緒に練習する中で

「想像通りやな」
「そのプレーは予測できた」
「すると思った」

などと、生徒の気持ちを煽り

少しでも私の想像をこえたプレーを見せた場合は

「それは想定外のプレーやった」
「失敗したけど、面白い発想やな」
「やられた!」

と認めて評価するようにしました。

また練習試合において、
小さいことでも創意工夫しようとする姿勢を見つけたら、
たとえ負け試合であっても、そのことを褒めるように心がけました。

そうすると、自分の中のジャイアントキリングが起こったのか、
自ら考えてプレーする生徒が増え、
徐々に練習試合での勝率も上がるようになってきました。

そして、
3年最後の大会に全戦全敗だった相手に勝てるようになったときは、
感動で震えが止まりませんでした。
ただ、生徒たちも含めて感動に浸りすぎたため、次戦の準備を怠り、
あっさり敗退してしまったのは私の痛恨のミスでしたが…

ジャイアントキリング、挑戦者としての気持ちを忘れず、
私自身も私のことを想定している以上の私になりたいと思わせる名言です。

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