書評 佐藤優『十五の夏』

今日もウィスキーを飲んでいる。
依存症になりつつある。

最近読んでいる本。
ユヴァル・ノア・ハラリ『ホモ・デウス』
佐藤優『十五の夏』
ドニー・アイカー『死に山』

『十五の夏』が予想以上に良い。
作者は元外務省の官僚で鈴木宗男の事件で有名になった佐藤優。
外務省のラスプーチンの異名を持つ男。
専門はインテリジェンスと神学。

実はこの人の著作は今まであまり読んだことがなかった。
ベストセラーになった『国家の罠』もパラパラめくった程度だった。

しかしチラホラと、彼のインタビューや対談を色々なところで見かけるうちに、ただものではないなとは感じていた。
実際のところ、ただものではなかった。

『十五の夏』は彼が十五歳の時、東欧やソ連などの旧共産圏の国を一人で旅した時の自伝的旅行記だ。
十五歳で、一人で、共産主義の国を、だ。
送り出した親も凄いと思う。

内容は、十五歳の視点からみた共産国の旅の記録。
読んですぐに、沢木耕太郎の『深夜特急』や五木寛之の『青年は荒野をめざす 』を思い出した。

だが、上記の本が共に青年の旅行記であるのに対し、こちらはまだナイーブな感受性を持った少年の目で綴られたものだ。
そこがいい。


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