見出し画像

”フェス”に踊らされる私たち

発売してすぐに購入したのに、読めていなかった本をようやく読み切った。

夏フェス革命 / レジー

帯より
一大産業「夏フェス」成功の裏側には、主催者と「協奏」(共創)する観客の存在があった。
ロック・イン・ジャパンフェスティバルの仕組みを分析して見えてきたユーザー主導の消費スタイルは、社会の未来をどう映しているのか。
1998年よりフェスに通い続ける音楽ライター兼戦略コンサルタントが世に問う、最新エンタメビジネス論!

私が感じた、ざっくりした構成
・フェスの歴史
・参加者の動向をフェスに取り入れたロッキンの仕組み
・SNS(セルフブランディング)、一体感=お祭り騒ぎで楽しむフェス
・フェスを中心に回り始めた音楽業界
・フェス、音楽業界の行く末

以上をとても丁寧に書かれている。
 私は野外フェスに行ったことがなく、(ビクターロックフェスのみ)
「へぇーそうなんだ」と思うことが多かった。
 ただ、音楽業界がフェスありきで回り始めていることは共感した。
(リリースやツアーの照準をフェスに合わせる、イントロが短くなり聴く人を逃がさないようにする、四つ打ちの曲が増えたなど)

 一番震えたのは、内容云々よりも”音楽業界人にインタビューをせず、記事やアーティストブログからの引用、収益面のデータを集めて書き上げた”ことだ。(多分)
情報の取捨選択の難しさもさることながら、自分の(フェスに行った)経験+情報収集で1冊の本を書きあげられる時代なんだなと呆然となった。
しかし、大変なことは承知のうえだが最後に参考ページをまとめて欲しかった。

コアな音楽ファンが聴く場から、お祭り騒ぎが好きな人たちの場へのシフト。
少子高齢化社会と経済状況を考えると、右肩上がりにはなりにくい”フェス”。
音楽を作る方も、聴く方も”フェス”にどう動かされていくのだろう。
この先を考えるのが怖いような、楽しみなようなそんな一冊だった。 


CD代、ライブ代からのレポ費用にします。今のところ。