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エッセイ

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エッセイや雑感、色々なお話♪
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そこはかとない探り合いが繰り広げられた駅のコンコースは春の匂いがした

夜は嵐になるかもしれない。 そんな天気予報にみんな足早の夕方。 ちょっとお買い物をしてから帰ろう、と寄り道したわたし。 駅のコンコースにハンドメイドアクセサリーの出店がいくつか出ていたので「あ、どんなのあるのかな」と吸い寄せられてしまった。自分でもアクセサリーをつくるから、ついつい見ちゃうの。 作家さん「どうぞ鏡で合わせて……あっ!お久しぶりですー!!」 わたし「(!?)」 作家さんの、めっちゃ笑顔の挨拶にたじろいだ。 だって、大抵は作品しか見ていない。ごめんなさい

坂の上の小さな古本屋さんは、研ぎ澄まされた世界の入り口だった。

聴くエッセイも一緒に作ってみたよ。(良かったらチャンネル登録してくださいね) 伸び切った髪を切りに渋谷まで。 すっきり軽くなった頭で信号を待っていると、向こう側の古本屋が目に止まった。これまで全然気づかなかった。 屋根には 「詩集・文学書」の文字。 わたしは以前、詩集を作りたいと漠然と思っていたけれど、そういえば歌詞は書いても、詩集を読むということはほとんどしていない。 キュキュ、と音を立てるガラスの引き戸を開けて店内へ。 「すみません、看板の…、詩集、というの

雪街タクシー

"海街ダイアリー" みたいに言ってみた。 そんなわけで関東、とりわけ東京は、雪が3センチ積もっただけで大混乱なのは毎度のことなのだけれども。それなのにやっぱり、会社もお店も休みにはならないスゴイ日本なのである。 お昼頃はぼたん雪になったり、止んだりしていたから出かけるのを迷った。先日、明け方に激しいめまいに襲われて、一人で嵐の中の船に乗ったようにぐるぐるしたので、病院を予約していたのだ。 「うーん……落ち着いていそうだから、雨に変わるかな。今日逃したらお仕事忙しくなっち

「願う」と「叶う」の間には「動く」が要るっぽい。

コツコツ。 このオノマトペを考えた人ってすごいなあ。 靴の足音じゃなくて「コツコツ努力して……」っての方のコツコツ。淡々と、継続してやることを、コツコツやる、って表現するの、ピッタリじゃない? 一歩ずつ、とかそんな感じで派生したのかしら…‥違うか。 「今年やりたい10のこと」で色々書いたけれど、やりたいことの他に「やらなくちゃいけない50のこと」があると思われる。時間と体力が足らぬ。やらなきゃいけないことを頑張ってるうちに、やりたいことはつい先延ばしになっちゃうけど、なんと

2023年を振り返る・その2・扉を開けて、その先へ。

気持ちを整理したり、パソコンの中身を整理したり、棚を整理したりの、新春・断捨離中のボサノヴァシンガーKaren Tokitaです。うーん、はかどらん! 「振り返りその1」は、昨年出版したエッセイの締切後どんなふうに進んでいったのか、メイキング的なものを書きました。 出版や印刷関係の方々から、タイトル決めをはじめ工程について「わかる!!」の感想をいただきましたよ〜。みんな大変な労力を使って創っているんですね! 感謝感謝です。 その2は、改めていま思うことを。 首根っこ捕

2023年を振り返る・その1・エッセイ出版の裏ばなし(メイキング)

改めて、あけましておめでとうございます。 本年もどうぞよろしくお願いいたします。 今年のモットーも昨年から引き続き「来た波には全部のる!」のボサノヴァシンガー、Karen Tokitaです。 2023年はコラボライブも多く、ギターの弦メーカー・LA BELLAの国内とアメリカの公式サイトに使用アーティストとして載るという大変光栄なこともあったりと、とても充実しました。そして節目の、エッセイ出版とボサノヴァシンガーデビュー20周年記念。 たくさんの応援をありがとうございまし

ミッション・インポッシブル・カレンダー

「Karenちゃん、カレンダーつくらないの?カレンのカレンダー!なんちゃって」とサックス&ハーモニカ奏者の菅野浩さんが言ったダジャレを2年くらい放置していた。次の年また同じギャグを言うので、もうちょっとギャグひねらんかーいっ!と思いつつも、なんとなく面白くなって、Facebookに半分冗談で「欲しい人いる?」と書いたのがきっかけのスタートだった。 菅野さんが毎年、無邪気にフレッシュに同じギャグを繰り出してくれた成果である。 思いのほか手をあげてくれた人が多かったから、いくつ

ミッション・インポッシブル・トートバッグ

朝の通勤ラッシュは乗り慣れていない。ちょっぴり贅沢だがグリーン車に乗ることにした。流石に混んでいる。出勤途中と思わしきお姉さんの隣に座った。女性の隣りが空いている時は極力そこへ座るようにしているのだ。良かった。足元ひろびろ快適である。なぜおじさんはあんなにお股を広げるのだろうかと熟考する。 しかし… わたしが座って5分するかしないか「ちょっとすみませぇん♪」と可愛い声で言い、鞄とコートをそのままにして席を外した隣のオシャレなお姉さん。 ゴミを片手にしてたので、捨てたら戻るか

干物女子は潤いたい

からっからである。湿度40%を下回っている。加湿器をオンにする。 若い頃から乾燥肌であるが、歳とって加速している気がする。 顔を洗ったあとは、 化粧水、乳液、クリームと三層も塗るのだ。 そしてそのあとは、 下地、ファンデーション、パウダーと地層を形成するのだ。それでも隠れないシミってなんなの。ああ、素肌はもはや遥かなる太古の地層…。 ロマンもへったくれもなく、 全体的に砂漠と化すわたしのわがままボディ。 油分が足りないのかと良質な油をとれば、中性脂肪の数値があがり、コラー

あなたの「こうしたい」をなくさないで

先日、「玉野市(岡山県)の図書館にエッセイ入りましたよ」とお写真いただきました。図書館へのリクエストや情報提供うれしいです。わーい! わたしの地元の藤沢市の図書館にも、いつの間にか入ってたの。誰かリクエストしてくれたのかな、地元紙にインタビューが載ったからかな? 嬉しいです。読んでくださる方がいらっしゃるといいな。取材やご感想待ってますーう! あなたの思いをなくさないで20年前、大きなレコード会社からデビューしました。右も左も分からないまま、録音して、契約して。当時は事務

めっちゃ不利な恋をどうにかしたい。

夏に河出書房さんから出版していただいたエッセイ「歌って、恋して、生きてやる」、お読みくださった皆さま、ありがとうございます。今年は「本」という、初めての制作をしたから、なんだか1年がぶっ飛びました。気づいたら年末のKarenです。ボサノヴァ歌ってます。 エッセイには、わたしがもがいてきたセンシティブなお話から、出会った人のエピソード、趣味の話、色々書いています。1話も長くならなようにしたから、抵抗なく読めるみたい。勇気をもらった、前向きな気持ちになれた、時々読み返してるとい

忍者ラブレター | #毎週ショートショートnote (追記あり)

たらはかにさんが主催している #毎週ショートショートnote (超短編小説)、今回も参加させていただきます♪ たらはさん、ありがとうございます。 先日の「スベり高等学校」セレクトしていただき光栄です……! 今回のお題は忍者ラブレター。 410文字くらいで書く、などのルールは上記のたらはかにさんのnoteでみてね。 忍者ラブレター 「ねえ、ニホンゴ、どこで覚えたの?」 ブラジルはリオ・デ・ジャネイロのジューススタンドで、よく会うホベルトにたずねた。毎回とっても嬉しそうに、

裏切りの髪型にラナウェイ 〜MYスベり高等学校卒業式〜

昨日、ショートショート(超短編小説)で参加したお題「スベり高等学校」ですが わたしの高校の卒業式の話も書くね。 直後の写真がコチラ。 髪、どうした? という皆さんの心の声が聞こえてくる……気がするわね。 夏に出したエッセイの中には、いくつかコラムが挟まれている。友人たちが書いてくれたわたしの印象や、赤子時代〜学生時代の写真とキャプションからなるMYメモリーなどだ。 MYメモリーコラムは見開き1ページに7つの写真が載っているので、ぎゅぎゅっと説明の文章が添えられている感じ

マルファン症候群、大丈夫だったよ

この時期は冷えてくるからか、背中の鈍痛で活動力が下がるのは子どもの頃から。 脊柱側湾で頸椎も腰椎もズレ気味 顎が小さくて歯が入り切らず子供の頃8本抜く 歯列矯正2度 足幅が細くて(AAAAワイズ)履ける靴がなかなかない 腱がゆるめらしい、筋肉つきにくい 手の小指だけ標準より短くてギターの演奏はちょっと大変 そんなこんな、なんやかんや色々あって、何かと病院いきがちな人生。 だから、春頃に行った遺伝系の病気の専門クリニックで「マルファン症候群の典型的な体型だ」と言われた時に