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マヨネーズ

 なか卯で唐揚げ丼を食べる。
 590円。1ヵ月使い放題のクーポンを持っていたので490円。
 トッピングを見ると「マヨネーズ 50円」と書いてある。脂と油、太ること間違いなしの組み合わせだ。ホンジャマカの石塚英彦氏はお弁当でたまたま食した唐揚げマヨネーズがきっかけで、今の道に進んだと聞く。それでもなお、「唐揚げ+マヨネーズ」の魅力というのは知らないでわけではない。

 しかし、ふとテーブルに目をやると、そこにはかつてマヨネーズの仲間だったはずの七味唐辛子や醤油なんかが鎮座している。テイクアウトでは調味料というより食材に近い紅ショウガが袋に小分けされている。これらの調味料・食材は基本的に無料だ。

 もちろん、なか卯は親子丼が有名で、(主に卵方面で)マヨネーズを有料にするだけのこだわりがあるんだろうと、言われずともそんなことを想像し、納得してしまう。ただし、醤油だって紅ショウガだって、まるでこだわっていないわけではないだろう。そこらへんのものが一通り有料化されても消費者としては困るが、他の調味料と前倣えでマヨネーズを果たして無料化しても良いものか。その中でもマヨネーズを特別扱いし、有料化したというのは一つの経営判断であると思われるが、有料化と無料化、その線引きは案外難しい。

 ちなみに、ある評論家が以前、寿司屋のお茶は無料なのに、どうしてジュースは有料なのかと疑問を呈していたことがあった。初出は50年ぐらい前のエッセイだが、お茶とジュースの「差」が希薄化しつつある、むしろ今の目でこそ不思議に見えてしまう(もちろん、お茶を有料化しろということでは無い)。

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