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米国発、ホリデーシーズンに役立つマーケティング戦略とは?

2023年、アメリカのホリデーシーズンの消費はいよいよ復活の見込み

世界四大監査法人のデロイトは、アメリカにおけるホリデーショッピングが回復し、パンデミック以前と比べて、初めて消費支出がパンデミック前を上回ると予想しました。

消費者1人あたりの支出平均額は1,652ドル(約240,000円/2023年12月1日現在)と予測していて、前年比14%増となっています。そして、デロイトが調査した対象者のほぼ全て、95%が今年のホリデーシーズンに参加すると答えているから驚きです。ですから、例えば4人家族の場合、ホリデーシーズンだけで100万円近くが消費されるという計算になります!

また、調査対象者のほぼ3/4(72%)に当たる人がインフレの影響を受けていて、よりお買い得な商品を探す傾向(66%がブラックフライデー〜サイバーマンデーで買い物)にあると報告されています。

今年のホリデーシーズン、マーケティングキーワードは”リテンション”

今年のホリデーシーズン、上記のようにお買い物自体は復活しつつも、インフレや物価高により消費者の目はよりシビアになっているようです。筆者はこの傾向から、より多くの消費者が今まで利用したことのある商品やサービスから先にチェックしているのではないかと考えています。例えば、いつもつながっているお気に入りのショップから、お得なキャンペーンやクーポンが届いたら、何はともあれ、最初にチェックしてみようと思いませんか?

筆者は今年のホリデーシーズンは今まで以上にリテンション・マーケティング(Retention Marketing)が重要だと考えています。

リテンションとは、簡単に言ってしまえば「既存顧客の維持」となります。企業が自らのサービスや商品を売るためには新規顧客を開拓して販売していく方法と、一度(または複数回)販売した後、その顧客に対して販売する2パターンがあります。もちろん、新規顧客開拓するよりも既存顧客にアプローチしていった方が時間もコストも少なく済みます。これは1:5の法則と言って、新規顧客を獲得するコストは既存顧客を維持するよりも5倍のコストがかかる、というものです。

マーケティングとして顧客との長期的な関係性を保つことは、ブランドの忠誠度を上げたり、購買意欲を刺激したりして、次の購買に結びつけるために顧客とコミュニケーションしていく必要があります。特にホリデーシーズンに入ると、このリテンションに力を入れている企業とそうでない企業に雲泥の差が出ることは言うまでもありません。筆者の滞在しているアメリカでは、最近はメールだとジャンクメールに入って読まれないケースが多いので、電話のプッシュ通知が増えています。毎日のように「○%オフ!」「今日がセール最終日!」といったSMSメッセージが届きます。企業のアカウント登録する際にメールアドレスと電話番号はセットになりつつあるようです。

リテンション・マーケティングを活用して長期的なビジネスの成長を促す

「顧客離れ」を防いで「顧客定着率」を上げる、アイデアの一例

では、具体的にどのような手法が「顧客離れ」を防いで「顧客定着率」を上げることに効果的なのでしょうか。

よくある手法の1つがリワードプログラムです。これはポイントや割引、特典を付与して顧客の継続的な購買に対するモチベーションを高めます。

また、個別相談や個別対応、名入れなどのパーソナライゼーションも人気があります。これにより、顧客は”他にはない特別感”を得ることができ、より好みやニーズに合ったサービスや商品を手に入れることにより、競合他社に流れず、購入後にリピートする動きが高まります。

継続的なコミュニケーションはできる限りCRMツールを利用しながら効率的に行います。「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」では顧客のリテンションを上げることはできません。多岐に渡ったコミュニケーションが各グループ、部署から継続的に流れてくれば、顧客は忠誠度が上がるどころか、その企業への不信感を高めてしまうことにもなります。CRMを上手に活用して、オーガナイズされたメール配信、電話でのコンタクト、情報提供を心がけましょう。

ここ、アメリカではリテンション・マーケティングを制する者がホリデーシーズンを制すると言っても良い位、ホリデーシーズンの消費者のお買い物熱が高まっています。ぜひ、リテンションを有効に運用して、競合他社との差別化を図り、高い顧客満足度を実現し、顧客ロイヤルティを築いてくださいね。それでは皆さん、Happy Holidays!


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