- 運営しているクリエイター
記事一覧
『ドライブマイカー』映画感想。
言葉の魅力の強い作品だと思った。
『ワーニャ伯父さん』のセリフも良いし、キーとなる亡くなった妻の脚本も良い。
映像としては赤みがかったオレンジをした主人公の愛車の色がとても良い。
薄曇りや暗闇を跳ね返す生命力のある色だった。
主人公の家福とドライバーのみさきの2人がドライブを通して心の交流を深めていく。
大切な人の多面性とどう向き合っていくべきか、2人が辿り着く結論とは。
役者陣の落ち着いた
『戦場のメリークリスマス』映画感想。
たけしの“メリークリスマス、ミスターローレンス”が未だに語り継がれる理由がよく分かった。
死の淵にありながらも生の喜びに溢れる凄まじい表情と言えばいいのか、説明は難しいが、たけしの迫力のある表情と繰り返される“メリークリスマスミスターローレンス“、そして名曲『戦場のメリークリスマス』により、心がぐちゃぐちゃに壊される。
現代アートの展示として、そのシーンのみを流していても成立するくらい素晴らしいシ
『おやすみオポチュニティ』映画感想。
アバのSOSで泣かされるとは思わなかった。
90日間の火星探索の命を帯び、火星に降り立つ双子の姉妹ローバー・オポチュニティとスピリット。
到着した矢先に機械トラブルに見舞われるスピリット。
彼女を起こすために目覚ましソングを流すのだが、そのセレクトがアバのSOSだった。
“あたしの声が聞こえないの?S.O.S.“という歌詞と異星でたった1人困り果てるスピリットの状況がマッチしていて、スピリットが愛
『13人の命』映画感想。
4年前にタイで実際に起きた、洞窟遭難事故の救出劇。
ボランティアできた国際的ダイバーチームの斬新な救出策に度肝を抜かす。
事実は小説より奇なり。
失敗したら取り返しのつかない、究極の選択を実行したダイバーたちの勇気と決断力に感動した。
『天気の子』映画感想。
健気な生贄少女と少年のラブストーリー。
ディストピアものだと事前情報で聞いていたけど、全くディストピア要素を感じられなかった。
ただ、今より雨の多い日本というだけ。
そもそも今の日本がディストピアだということか?
そう考えると納得がいく。
ラストが『君の名は』と似過ぎていて、ちょっと食傷気味になった。これが作家性というものなのか。
『シン・ウルトラマン』を観た直後なので、どうしてもセクシ
『シン・ウルトラマン』映画感想。
会話シーンの珍妙さが印象的。
笑って良いのか悪いのかわからない高度なコント劇を観ているような気分になる。
コミュ症が妄想する会社員たちの日常会話だと考えると合点が行く仕上がり。
そう思うとますます笑いが込み上げくる。
メフィラス星人(山本耕史)がウルトラマン(斎藤工)の隣でブランコをぶんぶん立ち漕ぎしてるシーンはさすがに我慢できず吹き出してしまった。
話題になっていた長澤まさみのお色気シーンは全
『カセットテープダイアリーズ』映画感想。
聡明で家族思いな主人公の葛藤とブルース・スプリングスティーンの曲とのマリアージュ。
あの年齢で自分以外の幸せの中に自身の幸せがあることに気づく主人公の出来の良さに衝撃を受ける。
ちょっとハッピー過ぎて、気温が低くなってきてクサクサし始めた私の心にはフィットしなかった。
でも観るタイミングが合えば、とても良い映画だと思う。