見出し画像

30代後半、女性・未経験・異業種でIT業界転職は無理ゲーか?

私は30代後半で2回目の転職をしました。

同業の転職は周りに多かったが、異業種へこの年齢で転職している人はあまり見かけなかった。

しかし、とあることをきっかけに異業種転職を目指し、無事成功できたので、ここにどのような方法で進んだかを記録しておく。

30代後半で転職をしようと思ったきっかけ

転職は20代で一度したことはある。
20代半ばくらいであれば、ギリ第二新卒扱いとなり、未経験の業種でも転職は容易だった。

しかし2社目で12年も働いてしまうと、課長という立場もあり、もう今更転職はできない、きっと転職したら給与が下がる、もうこの会社しか居場所は無いのかもしれない、と思い込んでしまう病気にかかっていた(きっと同年代にとってはあるあるだと思う)。
年齢とともに自己肯定感は徐々に下がっていたのだ。

そんな時転機になったのは、お世話になっている取引先の社長から引き抜きの話をもらった時だった。
「ひょっとしてまだ私には市場価値があるのかもしれない」と思い、「活動するだけならタダだ」という事で、転職の情報を集める事にした。

どういう転職を目指すか

転職によって何を得たいかを考えた。
正直、マネージャー業には辟易していた
部下が3人いるとしたら、責任は3倍になり、業務量は3倍になった。その割に、給与は3倍にはならない。

私がもっとマネジメントが上手ければ、もしくはマネージャー教育のレベルが高い会社であればそんなことにはならなかったかもしれないが、少なくとも私の負担は膨大だった。

そうなると、何か専門性を身につけなくてはならない。

また、マスメディアの広告業界は縮小することは見えている。わざわざ衰退産業の中で移動するよりは、拡大産業に行った方がいいだろう

結果的に、IT業界を目指す事は早々に決めていた。

大手転職エージェントに登録してみる

大手転職エージェントを選んだ理由は、最初の転職もそれで上手くいったからだ。

再登録し、条件と希望を伝え、紹介可能な案件を送ってもらう。

これが来る案件、来る案件、全て今より給与が2/3くらいになるものばかりだった。
もしくは全くITとは関係ないものばかり、、。

担当者に問い合わせたところ、「やはり異業種となると未経験扱いになるので仕方ないです」との回答。
ここのエージェントは、きっと第二新卒には強いが、IT業界に強いかというと、きっとそうではないのだろう。

ハイクラス転職サイトに登録してみる

自分がハイクラスとは思わないが、ほかに方法が思いつかなかったので、ひとまず登録してみた。

登録してすぐに、何人かのスカウターから連絡が来た。
そこに返信する形で「こういう案件を希望していますが、ありますでしょうか?」という質問を2人にしてみた。
2人からの返信は一向に来なかった(3年経った今でも来ていない)。
これは自動的に配信してるのか。配信しても返信する仕組みまで作らないとむしろ印象悪くするだけではないか、、。

すぐにこのプラットフォームを利用するのを辞めようと思った。

しかし、その中で唯一興味のある会社の求人があった。
オープンの求人は釣りの場合もあるし、応募数も多いと思うので、簡単に飛びついてはいけない。

ただ、その紹介している会社について調べてみた。私が求める業界について専門の人材紹介会社のようだ。そしてそのエージェントのブログも読み込んだ。かなり知見がありそうだ。
私はその会社に直接相談の問い合わせをしてみた

業界専門人材紹介会社に相談してみる

そのエージェントはすぐに返信をくれて、職場がある駅付近カフェまで来てくれた。
絶妙に職場の人が来なさそうな距離で、じっくり話せる程度に席が離れているホテルのラウンジを選んでくれた。

やはり話が早かった。
そしてキャリアの相談も乗ってくれた。いや、大手エージェント会社の担当者もオンラインで相談に乗ってくれてはいたが、ただ聞くだけで、特に新しい提案は無かった。
しかしその専門エージェントの方は、「このままでは希望の会社に採用されるのは難しいです」と言ってくれた。
大手エージェントの人も、難しいならこうやって早めに言ってくれたら良かったのに、、。

まず私のキャリアのキーワードをリストアップしてみる。

・広告代理店
・営業歴が長い
・マネージャー歴(希望しなくても、経験はアピールすべき)
・一部WEB広告、サイト制作、運用に携わったことあり

異業種×異職種は価値が下がる

そのため、異業種を選ぶのであれば、職種は今までの経験を活かせる営業職・プロデューサー職を選ぶべき。

職種を変えるのは、入社したあとに社内移動などで経験を積めばいい。
要するにピボット転職だ。

なるほど、と思った。

業界が異なっても、アカウント管理、契約管理は共通するものはある。そこで会社にパフォーマンスを出してもらえると感じてもらえればいいのだ。

1回目の打ち合わせは応募戦略を決める事で終わった。2時間くらい話したと思う。

2回目の打ち合わせは、その戦略に沿った職務経歴書の作成。こちらも丁寧にアドバイスしてくれた。
希望した3社、全て書類審査は通った

しかし、「この年齢でも異業種で私を採用してくれる可能性はあるのでしょうか」という質問に対しては、エージェントはずっと一貫して「わかりません。50%だと思います」と言っていた。

サポートは手厚いけど言うべきことは容赦なく言うところは信頼はできるが、嘘でも「きっと大丈夫ですよ」と言って欲しい気弱な私は、終始不安な気持ちでいっぱいだった。

いざ、面接へ

希望度が高い会社を後半にしたかったので、最初の面接は軽い気持ちで臨んだ。

エントリーシートには自分の気持ちをそのまま書いたし、それを伝えればいいだけだ。転職経験はあるのだから、それなりに話せるだろう、と、たかを括っていた。
面接官は現場のマネージャーだった。

しかし、面接が始まってから頭が真っ白になった。日本語を忘れてしまったみたいになった。
なんとかエントリーシートを再確認し、気持ちを伝えることができた。

そんなアタフタしている姿は、即戦力を求める面接官からすると頼りなかっただろう。

最終的には面接官に、「うちのチームは若いし、20代でも一日で提案書を書き上げるやつもいる」と、暗に私の年齢が高過ぎることを指摘するような発言が多く出た。

悲しい気持ちになって帰宅した

翌日、採用お見送りメールが届いていた。

自信喪失、自己肯定感どん底

自信を喪失した後の2社目の面接は、やはり上手くいかなかった。
やはりこんな年齢だと、今イケてるIT業界の人気企業からは求められないのか、、。

しかし、泣いても笑っても面接はあと一社。
このタイミングなので、他の名のある会社もピックアップしてもらってエントリーはしたが、当時の仕事と近しいため、仕事の幅が広がる感じがせず、モチベーションは上がらなかった。

次が上手くいかなかったら転職は諦めようと思った。

しかし、諦めモードだときっとまた上手くいかないから、なんで上手く行かなかったのかをもう一度考えることにした。
面接を思い出すのは少し辛かったが、反省を生かさないと前進ができない。

思い返すと、どちらの面接も、自分らしく話せてなかった
仕事でクライアントに提案したり自社のアピールをする時の自分と違った。なんだか恐縮してしまって、相手に合わせてしまっていた
もう一度、仕事で自信持ってプレゼンしている自分を、面接で出してみようと思った。
面接も自分のプレゼンである。
アイスブレイクも、相手から切り出してもらうのを待つのではなく、営業している時と同様に自分から切り出す。それによって空気を自分のペースに持ち込む。

その流れで考えたのが、営業マンなら知ってる人も多いと思うが、プレゼンは午前中にした方が、聴く側の頭がクリアになっているので入りやすいと言う法則がある。
これは面接にも当てはまるのではないだろうか。
エージェントには、日程が延びてでも面接を午前中でセッティングしてもらうように依頼した。

最後の希望会社の面接へ

最後ということと、上記の気付きもあり、割と開き直って面接ができた。
これが最後なのであれば、悔いがないように、自分を全部出し切ろうと思った

すると、今までで一番盛り上がった。

聞いてきたことだけに答えるのではなく、もっと素直に自分が感じている現状の課題、これからのテクノロジーの可能性などを、思う存分話した。
ただ、話が脱線しすぎないように、面接官が飽きるほど長くならないようにだけは努めた。

なんだか話したいことをたくさん話せて楽しかった。質問も聞きたいことを聞けた。
自分らしさが一番出せた面接だった。

通過

一次面接が通りました、おめでとうございます!」エージェントから連絡が来た。
そうか、やはりこれで良かったのだ。

そのあとは同じ要領で二次面接、三次面接に進むことができ、とんとん拍子で内定は決まった。

どん底から考えて改善した点をまとめると、

  1. 気負いせず、自分らしく話す。

  2. アイスブレイクは自分から切り出し、会話のペースを握る

  3. 面接時間を午前中にセッティングする

ただのテクニックのように思えるが、結局パフォーマンスを最大限出せる環境を作ってからでないと始まらない。
強い志望動機は当然だが、それを伝えられなければ意味がないのだ。

これから転職を検討している、30代後半で年齢を気にしている方へ

エージェントを間違えなければ、案件はあるようです。
また、異業種、異職種への挑戦だからといって、恐縮せず、自分らしく、悔いがないように伝えたい事を伝えてください。

すでに自信があり、上手く自己アピール出来る方には関係ないことですが、そうでない方はこの気づきがあるかないかで大きく変わることもあるかと思います。

私の転職活動が少しでも参考になれば嬉しいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?