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「子どもたちが自分で人生を創っていけるように」ヨガインストラクターを経て、不登校支援の現場で働くわたしの価値観

こんにちは!カタリバ広報部の本田です。

職員一人ひとりにスポットを当てて、一緒に働くあの人のことをもっと知りたい。そんな思いからスタートした、連載「9BOX 〜わたしが大切にしている9つの価値観〜」。

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第3回は、カタリバが島根県雲南市から委託を受けて運営する「おんせんキャンパス」で働く黒瀬麻衣さんにインタビューしました。

ヨガインストラクターとして社会人のキャリアをスタートし、現在はおんせんキャンパスで不登校の子どもたちに寄り添う黒瀬さん。そんな彼女が大切にしている、9つの価値観に迫ります。

黒瀬さんの9BOX~わたしが大切にしている9つの価値観~

Q. 真ん中に書かれた「運」という言葉が、まず目に留まりました。自分を表す一文字に挙げたのはなぜですか?

私って運がいいんです。これまでの人生も今も、人に恵まれてきたなと思っていて。自分を表す一文字と聞かれて、まず「運」が思い浮かびました。

それから、運動が得意という側面も「運」という一文字で表せるなと思いました。大学時代はラクロス部で4年間活動して、新卒でヨガインストラクターになりました。

おんせんキャンパスでも子どもたちとスポーツをする機会が多く、今日も運動好きな子どもたちとバドミントンをやっていました。11点マッチのつもりでスタートしたのですが「もうちょっとやろう」となって、結局55点マッチになりました(笑)

Q. 自分を表す一文字のまわりに書いてあるキーワードの中で、黒瀬さんが一番意識されていることはなにですか?

「軸を持つ」です。組織の中でも、社会の中でも選択を迫られる場面がありますが、「まず自分はどう思っているのか?」と自分自身に問うことを大切にしています。

以前は、自分の思いと組織の思いを全て一致させないといけないと思っていたのですが、最近になって「全てが重ならなくてもいい」と考えるようになりました。やりたいことや考えを自分の中でしっかり持っておき、そのうえで組織でどれくらい実現できるのか、どう貢献できるかをすり合わせていきたいなと思っています。

Q. 「観察する」「整える」についても詳しく聞いてみたいです。

どちらも、ヨガをやっていたことがきっかけで意識するようになりました。
日々子どもたちと接する時も、観察からスタートするんです。まずは子どもたちを観察しないと変化に気づけないですし、どのように声をかければいいかもわかりません。

自分に対しても、「私はこういう行動で、こういう感情になるのか」というように、自分自身を観察して理解することを心がけています。

「整える」については、身体と心が整っていないと何事もうまくいかないですし、自分が整っていることで、周りにもいいエネルギーを広げていけるのではないかなと思っています。

Q. カタリバに入ってより意識するようになった価値観はありますか?

一番は「創造」です。未来を創造することを大切にしているカタリバならではの言葉だなと思っています。創造に近い言葉として、カタリバに入るまでは「生み出す」とか「課題解決」といった言葉を意識していたと思うのですが、「創造」という言葉を使うようになったのは入職してからですね。

おんせんキャンパスでは、子どもたちに対してコミュニケーションや自己探究についてワークショップを行う機会があるのですが、「子どもたちが自分で人生を創っていけるように」ということを意識しながらプログラムを作っています。

もう一つは「Enjoy」です。おんせんキャンパスのスタッフは、みなさんいつも楽しそうにしているんです。まずは大人が楽しそうにしている姿を子どもに見せるのは、大切だと感じています。

Q. 新卒でヨガインストラクターのお仕事をされていたと聞きました。教育分野にはいつ頃から関心を持っていたのでしょうか?

大学時代は教員をめざしていました。教員免許も取りましたが、まずは広い世界を知ったうえでそれでも教員になりたかったらなろうと考えて、民間企業に就職してヨガインストラクターになりました。インストラクター時代もキッズヨガの資格を取ったり、その後カナダに1年留学した際も教育にはずっと関心を持っていました。

帰国後は、社会課題に向き合いながら子どもたちの未来をつくる仕事に就きたいという思いから、地元のNPOで学習支援を始めました。「もっと現場のことを知りたい」と次のキャリアを考えていた時に、おんせんキャンパスの記事を目にして転職を決め、島根に移住しました。

写真で見たおんせんキャンパスの木の校舎がかわいくて温かい雰囲気を感じたのと、スタッフの1日の過ごし方の中に「子どもとバレーボール」と書かれていて、「運動ができる!」と思った記憶があります(笑)

ここ数年は不登校というテーマに社会的な注目も集まっていますが、おんせんキャンパスではそれ以前から不登校支援に取り組んでいる点も魅力的でした。

おんせんキャンパスの校舎

Q. 入職されてもうすぐ2年ですね。おんせんキャンパスは、黒瀬さんにとってどんな場所ですか?

子どもや他のスタッフから、学ぶことがたくさんある場所です。子どもたちのサポートをしたいと思って仕事をしていますが、子どもたちに助けられていると感じることも多くて。

それから、私はこれまで学校に対してあまりいいイメージを持っていなかったのですが、学校関係者と関わるなかで「先生って本当はこんな思いを持っているんだ」という気づきを得ることもあります。

こうあるべきと1つの正解を定めるのではなく、「目の前のこの子に必要な関わりは何なのか?」ということをスタッフみんなが考えている組織だなと思いますし、たくさんの子どもたちと向き合ってきたノウハウがあるから、今どんな関わりが必要かを見極めることもできるのだと思います。

おんせんキャンパスに通うことが難しい子どもと、今、交換日記でコミュニケーションをとっているのですが、これも他のスタッフからのアドバイスで取り組み始めたところなんです。

おんせんキャンパスでたくさんのことを学び、その後も何かしらの形で子どもたちの変化をサポートしていきたいと思っています。アプローチの方法は、フリースクールやコーチング、もしくはヨガなど色々な形がありそうですが、ここで学びながら考えていきたいです。


≪インタビューを終えて≫

インタビューのなかで「相手を変えることはできないけれど、自分がいいエネルギーを発していれば周りを引っ張っていくことはできると思う」と語っていた黒瀬さん。取材でも明るくポジティブな空気感をまとっていて、おんせんキャンパスには黒瀬さんからエネルギーをもらっている子どもたちが沢山いるように感じました。黒瀬さん、お話いただきありがとうございました!

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