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悲喜こもごも

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日々の移ろいの中で思いついた短編集
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悲喜こもごも No.2 文字コードの相客

悲喜こもごも No.2 文字コードの相客

「今度結婚することになったの。」
1年と少し同棲した彼女から急に告げられた一言は重い一撃だった、同棲と言っても同居に近い。ほとんど部屋は別だし一緒にいると言っても食事は別だし、たまに一緒に出掛けたり風呂に入ったりすることも愛をささやき合うこともある。
「あなたの方が断然いい男、顔好みだし話もしっかり聞いてくれるし。」
ならなんで俺ではないんだと言葉さえ言わずに君の言葉を聞く、俺の長所だから。
「褒

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悲喜ここごも No.1 パルマ―の数値

悲喜ここごも No.1 パルマ―の数値

雨のにおいが好きだと気づいたのは思春期が安定したころだった、地面の熱がじわっと雨に溶けていくその匂い。
傘に滴り落ちる雨の音も好きだ、水や木々に落ちていく音やスーパーやデパートの中で雨を知らせるクラシック音楽の繊細なその音。
「雨は好きよ」
そう口にできたのはいつだっただろう、哀しい思いをしたことを覚えている。
「雨が似合う」
ある日、お気に入りの傘をさして一歩踏み出した瞬間に言われた言葉。梅雨明

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