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マッチョ先生の話

僕は中学校の時にソフトテニス部に入っていました。
本当はバスケとかサッカーとかやってみたいなと思っていたのですが、どちらも僕の中学には部活が無かったので、なんとなくソフトテニスを選んだ記憶があります。
そして、そのソフトテニス部の顧問のあだ名がマッチョでした。

マッチョ先生

マッチョ先生は身長が190cm近くあり、色黒で体格もガッチリしたゴリゴリの体罰教師でした。
部活に来ると、それまで和気あいあいとしていた雰囲気がガラッと変わり、みんなが真面目な顔で練習を始めます。
マッチョ先生は、部活の間ベンチでずっとタバコを吸い続け、時に怒鳴ったり時にラケットを投げたりと厳しいご指導をいただきました。
ずっとそんな調子なので、僕たちはすっかり萎縮し、マッチョ先生と楽しくお話をするなどの交流は一切ありませんでした。
どんなプライベートを過ごしているのか、謎に包まれた人でした。

20年ぶりのマッチョ先生

前置きが長くなりましたが、なぜこんな話を書きだしたかと言うと、昨年の年末に、スーパーでレジ行列に並んでいるマッチョ先生を見かけたからです。
20年経っても風貌は全く変わっておらず、まだソフトテニス部っぽい恰好をしていました。20年ぶりのマッチョ先生を懐かしく思うと同時に、当時の恐怖の記憶も色々と思いだしました。
「今見てもまだ怖いな」と思いながらも、当時、謎だったプライベートに興味がわき、この人はスーパーで何を買うのか観察することにしました。
こちらの風貌は当時と全く違う(まず髪が無い)ので、気づかれることは無いだろうけど、一応じろじろ見ないように気を付けて近づきます。
買物カゴは持っておらず、手に何かを持っていました。
一度目の接近では何を持っているのか確認できませんでした。
一旦その場を離れ、安全を確認後にもう一度接近します。
そして、二度目の接近で何を持っているか確認できました。

20年ぶりのマッチョ先生が買ったものとは?

グミです。グミを2袋買っていました。
「あ、グミ好きなんだ」って20年越しに知ることができました。
「年末の激混みスーパーで、マッチョはグミを2袋買っていたよ」と、当時のカツ丼マンに教えてあげたいです。

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