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10年をかけてピースが埋まりつつあるNew Normalに向けたキーワード

2007年のiPhone誕生、2008年のリーマンショックや2011年の311東日本大震災などが契機となって2010年代にあらゆる価値観が再定義されて始めた結果、「New Normal」という言葉も出現し、2019年のCOVID-19で世界中にNew Normalが一気に広がりました。
New Normalの広がりと共に段階的に注目されたイノベーションやコクリエーション、パーパスなどのキーワード。10年をかけて3段階のステップを通じNew Normalに向けたキーワードが揃ってきた気がします。


New Normalの息吹を感じた2010年代初頭のキーワード「イノベーション」「コクリエーション」

2010年代初頭のキーワードは「イノベーション」「コクリエーション(共創)」でした。あらゆる価値観が再定義される中、オープンイノベーションで新しい価値を創造していく。オープンイノベーションで導入されたのがデザイン思考。デザイナーや社会起業家が中心となり、イノベーター理論に照らし合わせるならば、イノベーター(2.5%)がNew Normalを牽引した時期。

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イノベーター理論とは?5つのタイプと具体例を解説!
ONE MARKETINGより引用

会社という枠を越境して、コクリエーション(共創)してアイデアを創出すると共に、新しい視点を結合することでイノベーションが起こって新しい社会価値が創出され始めました。

僕自身、当時、ガラパゴスケータイ(ガラケー)の商品企画やマーケティングを担当していました。2008年に黒船と言われたiPhoneが上陸して断崖絶壁に追い込まれた結果、越境して出会ったのがワールドカフェであり、フューチャーセッションでした。マルチステークホルダーが対話を通じて価値共創することの可能性を感じると共に、幾つかの実績も残すことができました。

2010年代初頭のキーワード
【コクリエーション】→【イノベーション】

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イノベーションの目的を問い始めた2010年代中盤のキーワード「パーパス」「モチベーション」

2010年代中盤に注目を集めたキーワードは「パーパス」と「モチベーション」。働き方改革が代表的な事例。何のために働いているのか?と目的(意義)を問い直すようになり、そして、気持ちよく働ける制度や環境づくりが広まり始めました。パーパスとモチベーションの掛け算の一つの指針が「ウェルビーイング」や「サステナビリティ」とも言えます。その結果、健康経営という指標も生まれましたし、兼業の解禁やリモートワークの導入が加速しました。より多くの人たちにNew Normalが広まった時期。イノベーター理論でいうアーリーアダプター(13.5%)も加わって社会変革が広まった時期。

コクリエーションとイノベーションで新しい社会価値を生む際にパーパスを意識するようになり、また、イノベーションも使命感だけでなく、自分自身や相手・社会のウェルビーイングを意識するようになりました。

2010年代中盤のキーワード
【パーパス】→【モチベーション】→コクリエーション→イノベーション

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キャズムを越えるきっかけになったCOVID-19

アーリーアダプターからアーリーマジョリティに移行する際に課題となるのがキャズム

働き方改革でリモートワークが導入され始めるなどNew Noramlがアーリーマジョリティ(34.0%)に広がる兆しはあったものの、「意識高い系」のライフスタイルという意識の距離感、つまり、キャズム(溝)があり、すぐには浸透しないと思っていた中、訪れたのが2019年のCOVID-19。世界中の人々が同時にこれまでのライフスタイルの限界を感じて、New Normalへの転換期であることを実感したはずです。

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New Normalが世界中の人たちに広がり始めた2020年代初頭のキーワード「コモンズ」「コモニング」

COVID-19であらゆる活動が制限され、また、緊急事態宣言の施行などが自分が関与できない中で決まってしまう“もどかしさ”に向き合いながら過ごし続けている2年間。一方でリモートワークなどでNew Normalな社会を実感すると同時に、リモートワークを例にすれば、会社のチームメンバーとのコミュニケーションのとり方もそうですし、自宅で家族が一緒に仕事と勉強、掃除や料理などをする新しい家庭での過ごし方などを創意工夫しながら、つまり、DIY(Do it yourself)的にライフスタイルを試行錯誤して作りあげる手触り感ある楽しさを感じ始めているとも思います。

在宅勤務で自分が住む街で過ごす時間が増えてきた結果、地域コミュニティに参加し始めた方も多いのではないでしょうか?従来の町内会とは異なる地域との接し方。例えば、街の飲食店でのランチ巡り、グリーンバードのようなゴミ拾いコミュニティへの参加、プロボノ活動など。

自助(個人)・共助(コミュニティ)・公助(公共サービス)で分類すると、これまでは自助と公助に偏重していました。個人から公共サービスに外部化していた育児や介護、教育、地域清掃などに関与し始めた結果、共助(コミュニティ)の比率が高まってきています。

他人任せであるとベストな結果を求めがちになり、求める結果が得られないと他責にしてしまい、スパイラルダウンによって息苦しい社会になってしまいます。
一方、自分たちで作り上げるとベストな結果が得られなくても、その結果を自分事・自分たち事として受け止めることができ、また、作る楽しさが原動力となり次のチャレンジも生まれやすくなり、スパイラルアップによる柔軟性のある社会になります。

With/After COVID-19に向けて、誰もが社会に関与しながら合意形成(コモニング)を通じて、新しい共有財(コモンズ)を作り上げていくライフスタイルが広まってきている予兆を感じませんか?

2020年代初頭
パーパス→モチベーション→【コモニング】→コクリエーション→イノベーション→【コモンズ】

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10年をかけてピースが埋まりつつあるNew Normalに向けたキーワード

これまで述べてきたように、2010年代初頭、2010年代中盤、2020年代初頭という3段階のステップを経て、New Normalに向けたピースが埋まりつつあります。

パーパス→モチベーション→コモニング→コクリエーション→イノベーション→コモンズ

おおよそ5年ごとに新しいピースが見つかってきたこともあり、上記のプロセスもこれで完成形なのか、UPDATEされていくのか、現時点ではわかりません。これから5年後、僕らは新たなピースを見つけているのでしょうか?

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