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【ピン留め本】311東日本大震災と『ライト、ついてますかー問題発見の人間学』。当時、人生二毛作目の5歳。

2008年に黒船と言われたiPhone上陸後、ケータイの商品企画を担当していた僕は断崖絶壁に追い込まれた結果、越境と共創による新しい価値創造に挑戦し始めました。リーマンショックやiPhone上陸に続いて、2011年の311東日本大震災で価値観の再定義がさらに加速。福島から川崎に避難してきた家族を目の当たりにして、誰にとっての価値なのか?を考えるようになりました。

311東日本大震災から2日後の出来事

東日本大震災から2日後に僕の恩人の一人でもあるAR三兄弟の川田十夢さんがBLOGで『ライト、ついてますかー問題発見の人間学』を読み返したことを書かれていました。

AR三兄弟 川田十夢さんの投稿に触発されて、僕も『ライト、ついてますかー問題発見の人間学』を僕も久々に読み返しました。初めて本書に出会ったのは大学4年の時。テクニカルライティングを題材に卒業研究していた時の参考図書でした。

311東日本大震災の時も、今のCOVID-19同様に様々な問題が話題になりました。本書の中で度々出てくるフレーズが「それは誰の問題か?」です。

被災地から避難してきた家族の会話

311東日本大震災後も僕が住んでいる神奈川県川崎市でも余震が続いて不安が解消されることはなかったですが、ニュースで東北地方の映像が流れる度に僕らの周囲とは段違いに非日常な不安な毎日が続いていることを間接的に感じていました。

近所のアリーナにも震災直後から100名以上の被災者が避難し始めた頃のエピソードです。バスで、被災者の家族(3世代家族)と一緒になり、話し声が聞こえてきました。「4月から、あの小学校に通うんだよ」「お兄ちゃんは、あの中学校に通うんだよ」と説明する父親。横で悲しい顔で頷く祖父母。両親たちの言葉に耳を傾ける子どもたちからは同級生と一緒に卒業(終業)できなかった切なさや新学期に対する不安が背中越し伝わってきました。ニュースとは違い、震災の被害を直接的に感じた瞬間でした。

古着よりも新しい衣類を

それまでも少額ながら義援金の募金をしていましたが何かをしなければと思い、翌日、アリーナに支援物資として何が必要とされているか?を聞きに行きました。答えは「缶詰」でした。衣類は、古着でなく新しいものが欲しいとのこと。阪神大震災の時も同様だったようですが、善意で集まった古着が使われないまま多く残ってしまったのこと。受付の横に視線を移すと、すでに多くの古着が山積みになっていました...。他人の古着を着るには躊躇があるのも、自分事として考えてみると理解できます。

アリーナに暮らす被災者に僕ができることとは缶詰を届けることだと思い、自宅に戻るも普段缶詰を食べないので、もちろん家にはありません...。スーパーに行っても買い溜めの影響で缶詰は一切なく、結局、缶詰を届けることはできませんでした。

何もできなかったことに落胆したものの、数日後、アリーナに関する被災者掲示板で救援物資が事足りていること、現時点では余剰となるので当面は救援物資は必要ないとの発表がありました。僕自身は何もできず落胆していましたが、多くの方々が缶詰や新しい衣類などを届けたからであり、周りの方々を信じて僕自身ができることを見つけるのが全体最適につながるのだと考え直しました。

『ライト、ついてますかー問題発見の人間学』を読み返して

本書に「他人が自分の問題を自分で解けるときに、それを解いてやろうとするな」という一節があります。本書を読み返したことで、自分は何を解いているのか?、つまり、問題は何なのか?、自分の問題の本質は何なのか?を問うことができました。

20200823_誰の問題か

311東日本大震災と『ライト、ついてますかー問題発見の人間学』を通じて学んだこと

問題に直面した時、ついつい自分で解決しようとしてしまう。問題を他人事でなく、自分事、自分たち事にするのは大切なことだが、全てを自分で解決することはない。問題を解決したいという気持ちが本質なのだから、その問題を解くのは他の誰かでいい。



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