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【詩】夢情歌


悩ましき夢の追憶。ほろ苦き闇に暗鬼の影ぞ忍び寄る、あまりりすの仄めき静こころなし。

街灯の倦怠、車燈の鮮やかなる宵月のはためき。淫る乙女の口惜しき接吻の夢の香よ、薫香のしたためる甘美な袖ぞ、狂い泣くその戯れの夜。

乱るる吉利支丹の悪の喧騒ぞ、口惜しき、苦き老齢の果実ぞ頽廃せる…

狂おしき、口惜しき、苦き追憶の夢ぞ咽び泣く。慟哭の乙女ぞ、乱れたその袖の香に何を夢見たか。

悽愴の号哭の、退廃せる末世の終焉。

硝子に映像せるネオンの陰鬱に、乱れた寝具の月光の囁く…

阿蘭陀の壺ぞ交われる薬草の香、暗鬱なる滅びゆく魂の震えに身もほろろ、墜落し、頽廃し、夢にめく、淫月の衰退…

暮れかかる肉体の蝕まれる悪夢。

闘争せよ、追想せよ、若き乙女。

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