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読書記録「少女地獄」

川口市出身の自称読書家 川口竜也です!

今回読んだのは、夢野久作さんの「少女地獄」角川文庫 (1976)です!

夢野久作「少女地獄」角川文庫

・あらすじ
ある日病院の看護婦として雇い入れた女 姫草ユリ子は病的な虚言癖を持つ「謎の女」。一つの嘘を支えるために、また新たな嘘をつき、その嘘がまた新たな嘘を呼ぶ。果たして彼女は一体何故意味のない嘘を重ねるのか、「何でもない」ことに苦しんで行った女の物語。「殺人リレー」「火星の女」その他「けむりを吐かぬ煙突」などを収録した作品集。

当時の時代背景としては、男尊女卑の風潮が強かったと思われる。「火星の女」の中でも、登場人物である校長先生の演説の中で、今日での人類文化の歴史は、男性のための文化の歴史でありますと、一方で女性は一日も早く健全な家庭を持たれ、潔白な、正直なお子さんを大勢育て上げられて…と、あまり声を大にして言えないが、そういう風潮の時代だったと言える。

この物語に出てくる女性たちは、そんな社会に対抗する、作中の言葉を使えば、女性のための五・一五事件を起して、この世界が男性のためばかりの世界でないことを思い知らせようとしているのかもしれない。

ミステリーとしても面白く、一体何故彼女たちはそのような振る舞いをしてきたのかたというところに、徐々に引き込まれていく。夏の終わりに是非ヒヤッとするお話を。それではまた次回!

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読書感想文

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