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読書記録「かもめ食堂」

川口市出身の自称読書家 川口竜也です!

今回読んだのは、群ようこさんの「かもめ食堂」幻冬舎 (2008)です!

群ようこ「かもめ食堂」幻冬舎

・あらすじ
フィンランドはヘルシンキの街角にひっそりと開業した「かもめ食堂」。看板メニューのおにぎりはあまり売れないが、店主のサチエは今日ものんびりとお客さんを待っていた。

道場の師範である父親に「人生すべて修行」と教えられて育ってきたサチエは、いつの日か、素朴でいいから、おいしいご飯を食べてもらうようなお店をつくりたいと考えていた。

父の弟子にフィンランド人が入門していたのをきっかけに、(年末の宝くじが当たったこともあり)単身ヘルシンキへ移住。エテラ港にいたかもめを見て、「かもめ食堂」と決める。

最初こそ、閑古鳥が鳴くようなお店だったが、不思議なご縁で知り合った日本人女性のミドリとマサコがお店を手伝うようになって、お店は徐々に繁盛していく。相変わらずおにぎりはいまいち売れないけれども。

普通だけれども、ちょっとおかしな人たちが集まる「かもめ食堂」での、ゆったりとした幸福な物語。

従姉妹がいらない本を処分するからと、一応持ってきてくれたのをいただき、今回紐解いた次第(私は病気以外は何でも貰うと決めているので)。

登場人物一人ひとりが、過去のしがらみや将来についてちょっと行き詰まってはいるけれども、かもめ食堂を通じて元気になっていく。

飲食店を切り盛りするからそれなりに忙しい感じもあるけれども、そこまで売上に対して必死にならないのはサチエの性格なのか、宝くじのおかげなのか、はたまたフィンランドの気候の違いなのだろうか。

時に、生きていると、何かしていないと落ち着かないときがある。それこそ旅行中とか、連休最終日にひどく出てくることはないだろうか。

でも何をすればいいのか分からなくなって、何をしていても頭の中がスッキリしないことがある。このまま何もせず一日が終わるんじゃないかって。

「目的がなくてもいいんじゃないですか。ただ、ぼーっとしていればいいんですよ」

同著 150頁より抜粋

そんな時は、京都で見た星空を思い出す。それは夜空ではなく、ハットを顔に乗せて真っ昼間から公園で寝ていた時の、繊維の隙間から溢れる光である。

いいじゃん、無理に何かしようとしなくたってと。日々真面目に生きているのだから、なんにもしない日があっていいじゃないかって。

そんなことを思い出したり、考えたりしながら、ゆったり幸福に浸れる本はやっぱり良いね。本を読むこと自体の幸せを感じれるから。それではまた次回!

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