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問題はいつの日か解決する。

川口市出身の自称読書家 川口竜也です!

先日近所の図書館にて、覆面本の企画が行われていた。情報は作中から引用されている一文のみ、言葉とのフィーリングで本を選ぶものだ。

それでたまたま手に取ったのが、山極寿一さんの「京大総長、ゴリラから生き方を学ぶ」朝日出版社 (2020)。京都に出かける前に京大総長の本を手に取るとは、もはや運命かもしれないと一人興奮する。

この本では、学生時代にゴリラの研究でアフリカへフィールドワークした頃の経験や、ゴリラやチンパンジーといった霊長類の生態を通じて得た知見を時に面白く、時に真面目にまとめている。

御存知の通り、京都と言えば霊長類の研究で有名である。京都大学ヒト行動進化研究センターと言えば、世界でも有名な霊長類の研究施設である。

だが設立当時は、人類の起源とも言われるアフリカではなく、なぜ日本のような小さな国が?と話題になったらしい。

著者の山極さんがはじめてアフリカへ訪れたのが1978年。まだフィールドワークの基盤も整っていない中、試行錯誤を繰り返してゴリラの研究を進めていたらしい。

言語や考え方、文化の違いなどに直面しながらも、アフリカの人たちから学んだことを胸に研究に注力したという。

アフリカの人たちは、「There is no problem. There is a solution.」と言います。どんな困難に直面したとしても、必ず解決策があるという意味です。問題はいつか解決する。そこには解決があるだけだ、と。

同著 44-45頁より抜粋

困難や課題に直面すると、それしか目に見えなくなってしまう。

他に選択肢があるはずなのに、他の道もあるかもしれないのに、この問題のせいで自分は身動きが取れなくなってしまう。

でも問題というものは常にあるものではなく、必ず解決される。辛い時期というものは永遠に続くことはなく、いつか解消される日が来る。

今やっていることは、本当に自分のやりたいことに少しも繋がらないことなのでしょうか。きっとどこかで繋がるはずです。…自暴自棄になりそうなときも人生のなかにはあると思います。

同著 57-58頁より部分抜粋

私もまた、紆余曲折あってライターとして仕事をしている。

道端で溺れそうになるほど辛い時期もあったけれども、そんな時期があったからこそ今の自分がいる。

もちろん、ライターとして仕事をしているにしても、全てが自分の望むことができているわけではない。相変わらず書くことは好きだが考えることは苦手である。

でも、その先には今より確実に良くなる未来があるだろう。だから毎日頑張れる。

There is no problem. There is a solution. 辛いときはふと思い出していかがだろうか。それではまた次回!

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