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読書記録「アンの青春」

川口市出身の自称読書家 川口竜也です!

今回読んだのは、モンゴメリ 村岡花子訳の「アンの青春」新潮社 (1955) です!

モンゴメリ「アンの青春」新潮社

・あらすじ
16歳になったアンは、小学校の教師として秋を迎えた。

いつの日か、カナダの有名人が(できれば大学の総長か、総理大臣がいい)、私の野心に火をつけたのは、他ならぬ先生のおかげですと言われる日を夢見て…。

だがアンもまだまだ齢16歳の少女。教師として時に毅然と振る舞うこともあれば、思わぬ不幸を想像しては右往左往することも。

またアンの住むグリーン・ゲイブルズでは、マリラが親戚から引き取った双子の世話をすることになった。物静かな妹のドーラとは対象的に、兄のデイヴィーはいたずらばかりで手を焼いていた。

それ以外にも、ダイアナやギルバートと立ち上げた「改善会」で思わぬトラブルが起きたり、隣人のハリソンさんの牛を勝手に売ってしまったり、鼻のそばかすは相変わらず消えなかったりと、悩みは絶えない。

だけど、アヴォンリーで起こることは、なにも悪いことだけではない。

ヘスター・グレイの素敵な庭園へのピクニックや、「山彦荘」のミス・ラヴェンダーとの出会い、生徒のポール・アーヴィングとの素晴らしい空想などなど…。

そして、子供の頃から仲良しだったギルバートに対して、友情以外の何かを感じ始めたのだった。

先日の読書会にて「赤毛のアン」が紹介されたのをきっかけに、そう言えば1作目を読んで以来積読のままにしていたのを、約2年半振り(記録を辿ったら2021年9月だった)に紐解いた次第。

正直、1作目を読んでからしばらく経っていたため、若干登場人物や関係性について忘れてしまっているところもある。

それにも関わらず、幼少時代から変わらないアンの底抜けの天真爛漫さと、夢見がちな物事の捉え方に惹かれてしまう。好きすぎて、姪っ子のプレゼントに、赤毛のアンの絵本を用意しちゃうくらい。

でも流石に16歳ともなれば、多少は現実を知るというか、思春期特有の悩みとかもある。

幼い頃からの親友のダイアナも徐々に空想をすることもなくなり、考えるのは、将来誰と結婚するのだとか、現実と向き合いはじめる。

無論、アンも現実に向き合っていないわけではない。ただ、目の前の現実に対して、少しでも素敵な側面とか、良い面について想像しようとしているだけである。

「あたしが想像したいのは、愉快なことばかりなのよ。…世の中にはもう、ありあまるほど不愉快なことがあるのですもの、これ以上、想像する必要はないわ」

同著 111頁より部分抜粋

それが悪い方向につながることもあるし、それこそ今の御時世、もっと将来のこととか考えて行動した方が良いと言われるかもしれない。

でも、何かに付けてリスクや悪い点ばかり想像するよりも、楽しいこと、愉快なことを考えて生きるほうが、人生豊かになる気がする。

そういった点でも、小説や文学に触れる意義ってあるかもしれないね。ものごとを散文的に見ないためにも。それではまた次回!

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