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将棋記事

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1%だけがやっている将棋積読/右玉編

1%だけがやっている将棋積読/右玉編

積読が先か?観る将が先か?
それくらい積読も観る将もありふれた光景になった。
しかも明確な共通項がある。
それはどちらも息を吸うレベルに簡単だということだ。
だが1パーセントがやっている将棋書籍の積読は一味違う。

なかでも「右玉」というニッチな分野では差がつきやすい。
観る将クラスでは、右玉というだけでたじろいでしまいがちだ。
だから、
だからこそ右玉についての積読に研鑽を積むことは大きな意義を

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将棋書籍は積むより預けろ/積読パラダイムシフト

将棋書籍は積むより預けろ/積読パラダイムシフト

有史以来、将棋書籍ほど積まれた本はない。
買ったはいいが、読まずに積む。
これが棋書愛好家のスタンダードだ。
ここ10年でデジタル書籍が猛威を振るって久しいが、やはり将棋書籍は紙書籍でなければという御仁はまだまだ多い。
棋書がこれほどまでに積まれ、愛され続けるのには理由がある。
本日はここらあたりプラスαを語ってみよう。

5万部でビッグヒットの世界

将棋書籍が積まれる1つ目の理由は「そもそも発

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杉本和陽/C級2組の天下取り/14のポイント

杉本和陽/C級2組の天下取り/14のポイント

杉本和陽は日本将棋連盟の棋士。
1991年9月1日生まれの32歳。
竜王戦は4組、順位戦はC級2組。

1991年といえば「羽生の頭脳」が刊行された時期であり、羽生の頭脳をリアルタイムで知らない世代が中堅どころに足を踏み入れていたとは隔世の感しきりだ。

本日は、
昨年2023年度の銀河戦で藤井聡太に大敗した挙句、感想戦でも勝負所で叩きのめされ涙目寸前になっていた杉本和陽五段について語ってみよう。

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屋敷伸之//優しすぎるオバケヤシキ

屋敷伸之//優しすぎるオバケヤシキ

屋敷伸之は日本将棋連盟の棋士。
1972年1月18日生まれの52歳。
竜王戦2組で順位戦はB級1組。
変幻自在な棋風であり「やぐら二枚銀」などのマイナー戦型も指しこなす。

18歳で棋聖位を獲得したことが語られがちだが、奨励会をわずか2年10ヶ月で突破した記録は未だに破られていない。
この2年10ヶ月での奨励会突破は「凄まじい」。

6級入会で四段まで昇段するのに2年10ヶ月しか要していない。

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佐藤康光//変態発/剛腕経由/殿堂行き

佐藤康光//変態発/剛腕経由/殿堂行き

佐藤康光は日本将棋連盟の棋士。
1969年10月1日生まれの54歳。
竜王戦は1組、順位戦はB級1組。

一言でいえば凄い棋士だ。
何が凄いかといえば直近の成績を刮目すれば一目瞭然である。

佐藤康光・直近10戦の戦績
2024/4/30 ● 瀬川晶司
2024/4/25 ● 羽生善治
2024/4/10 ○ 伊藤匠 竜王戦1組
2024/3/27 ○ 佐藤天彦 王座戦
2024/3/7  

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森下卓/藤井システムに殺された男

森下卓/藤井システムに殺された男

森下卓は日本将棋連盟所属の将棋棋士。
1966年7月10日生まれの58歳。

谷川浩司と羽生世代の狭間でタイトルに6度挑戦するも無冠に終わる。
駒得は裏切らなかったが、ファンの期待は裏切ったかもしれない。
だがその実力は千駄ヶ谷界隈で高く評価されており「ナンバーツーの男」と云われていた。

戦法を深化させシステム化するのを得意としており、対振り穴の銀冠森下システムは特に秀逸。
プロの公式戦で四間飛

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北島忠雄//29歳と15年1/2の助走

北島忠雄//29歳と15年1/2の助走

将棋界隈で苦労人といえば木村一基の名前が上がるだろうが、それはあくまで観る将向けのわかりやすい苦労人であり、ホンマモンの苦労人は別途存在するのだ。
いってみれば木村一基は日のあたる苦労人であり、今日紹介する北島忠雄は日の当たらない苦労人であって生粋の苦労人だ。

日本将棋連盟の棋士である北島忠雄は奨励会を突破するのに15年を要した。
プロになったのが29歳の時という遅咲きのプロ棋士である。
木村一

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関西将棋会館移転へ/工事進捗状況/視察してみた

関西将棋会館移転へ/工事進捗状況/視察してみた

2024年秋に大阪府高槻市へ移転することとなっている関西将棋会館だが、果たしてその工事は予定通りおこなわれているのだろうか?
我々は建設予定地である高槻市芥川町2丁目2ー9を視察してみた。

秋に開館は無理筋

読売新聞の記事によれば「2024年秋に開館へ」と述べられていた。
結論から書けば2024年秋に開館は不可能だ。
まず我々が極秘に入手した下記画像の右下部を刮目して欲しい。
工事期間が「至 

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藤森哲也/37歳の坊や哲/Go for broke

藤森哲也/37歳の坊や哲/Go for broke

藤森哲也は日本将棋連盟所属の将棋棋士でYouTuberとしても高名。
1987年5月9日生まれの37歳。
主宰しているyoutubeチャンネル「将棋放浪記」の総再生回数は1億回を軽く超えている。

好きな格闘家はドン・フライなど。

フライ?
ドン・フライって誰だよ、、、、だと???

・・・

ドン・フライとはアントニオ猪木の引退試合の対戦相手をつとめた燻し銀だ。

猪木??
アントニオ猪木って

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叛逆の鈴木大介/鈴木システム 四間飛車編

叛逆の鈴木大介/鈴木システム 四間飛車編

その手があったか!!インスタ映えする表紙で拡散を狙うっ!!!
これが鈴木システムかっっ!!!!
まさか将棋本から新機軸が産声を上げるとは!!!!
オレは見事にお先棒担がされてるのかっっっ!!!!!

将棋界の東野圭吾 汝の名は鈴木大介

鈴木大介ほど筆が早く滑脱な棋士は他にいない。
筆者は鈴木大介の著作をデビュー以来、ブックオフを中心にくまなくあまねく漏れなく購入しているが、もはや20作目以降はよ

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冨田誠也/98.25%の十字架

冨田誠也/98.25%の十字架

相居飛車率1.75%。
これは凄い。
振り飛車にまつわる戦型採用率が98.25%というのは凄い。

生粋の振り飛車党といっても何かの拍子で相居飛車戦になってしまうことがままある。
だが日本将棋連盟所属の棋士・冨田誠也五段は確認できる範囲という注釈つきながら相居飛車の将棋は僅かに2局のみだ。
対局数136でたったの2局だから分母数も申し分なく、これはもはや頭のてっぺんからつま先まで振り飛車に染まって

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福崎文吾 大盤解説も感覚破壊

福崎文吾 大盤解説も感覚破壊

福崎文吾
日本将棋連盟は関西所属の棋士でありタイトル2期経験者であることはあまり知られていない。
1959年生まれの福崎は十段、王座のタイトル獲得歴があるがあまり知られていない。

だが、
大盤解説で喋り倒してときおり一線を超えてしまうのは公然の秘密である。

それでは今日はあの谷川浩司永世名人をして「感覚を破壊された」と云わしめた福崎文吾九段について語ってみよう。

解説しない大盤解説

おりか

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安用寺孝功 パン屋の二代目は対抗型好き

安用寺孝功 パン屋の二代目は対抗型好き

安用寺孝功
日本将棋連盟にあって関西所属の将棋棋士。
森信雄門下、1974年生まれ25歳にしてプロ入り。
74年生まれ??
ということはジャンプ黄金期を良く知る人物であって北斗の拳、風魔の小次郎、キン肉マン、キャッツアイからシティーハンター、穴狙いならばコスモストライカーないし男塾を幼少期に愛読して内在的論理が形成されたのではと、筆者の中の怪物がそう云っている。
ひいては25歳にしてプロ入りとい

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