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銀河英雄伝説を観すぎるとどうなるのか? 第2話

…………国家が社会的不公平を放置し、いたずらに軍備を拡大し、その力を内に対しては弾圧、外に対しては侵攻として用いる時、その国家は衰退の途上にある。これは歴史的に証明可能な事実である……………


民主政体とは最悪な政治体制

翻って現下、我々は強力な専制国家と対峙しておりいまや衝突は避けられない、という文脈で語られがちだ。
だがどうだろう、この文脈こそが間断なき情報操作の果実ではないだろうか。
我々が採用している民主政体は、言論の自由を中枢として支配者なき支配を至上命題としている。
これ自体は確かな理念であり、否定する術をワタシは持たない。
だが情報操作に対する安全保障という見地からは、民主政体は最悪の政治体制だといわざるを得ない。

どういうことか?
説明しよう。

言論の自由とは、極論すれば、言論規制ないし情報掌握の権利を国家から取り上げ、民間の何かしらにつけかえた状態だ。

2007年 iPhone販売開始
2010年~ SNS全盛
 IT企業による平時の情報掌握
 平時による行動パターン掌握
2019年 4Gから5Gへ移行
2020年 コロナ事変勃発
 IT企業による有事の情報掌握
 有事における行動パターンも掌握

昨今において、GAFAという巨大IT企業郡がすでにして情報掌握を完成させて久しい。
情報掌握とは、すなわち、大衆の行動パターンの把握ひいてはコントロール可能な状態に他ならない。
したがってGAFAは、政治に対して圧倒的なコントロール力を得ている。
他方において、民主政体とは原則、過半数によって決定がなされる政治体制であるため、大衆の過半数の情報掌握のみにて政治を支配することが可能だ。
いや、与党内派閥をも勘案すれば、過半数の過半数つまりは全体の1/4に対する情報掌握により、政治を支配することが可能だ。

全体のたかだか1/4の情報掌握にて全体が支配されてしまう。
だから、民主政体は、最悪の政治体制なのだ。
情報操作ないし情報掌握に対する安全保障という見地からは、民主政体は最悪の政治体制だといわざるを得ないのだ。

専制というアンチテーゼ

一方、専制政治はどうだろうか?
確かに専制政治は、権力が一点に集中するため、凡庸な為政者のもとでは途端に悪政に陥るデメリットがある。
だが情報操作ないし情報掌握に対する安全保障という見地からは、専制政治は非常にスマートな政治体制だといえる。

どういうことか?
説明しよう。

ユリアン、つまりこういうことなんだ。ワタシは専制政治が嫌いなんじゃあない、大嫌いなだけだ。だがね、ユリアン。嫌いなものだって褒めなければならない時がある。民主政体というものはその理念上、どうしても言論の統制が出来ない。これを裏返せば、情報の掌握者が民間にあらわれても阻止できないってことさ。他方において、専制と情報掌握の相性はどうだろうか?そう、そうなんだ。専制の場合には、専制者が情報掌握者足りえるんだ。いやむしろ、情報を掌握しているからこそ専制者足りえるのかもしれない。ここらは言葉遊びになるかもしれないがね。だから、だからこそ、現代進行形でなされているITガリバー企業による情報掌握、専制政治はこれに対して強い耐久力があるんだ。


ロシア・ウクライナ問題の正体

2007年 iPhone販売開始
2010年~ SNS全盛
 平時による行動パターン掌握
2019年 4Gから5Gへ移行
2020年 コロナ事変勃発
 有事における行動パターンも掌握
2020年 ロシア・ウクライナ問題開始

この一連の文脈において起こったのが、ロシア・ウクライナ問題なんだ。ロシアという極めて専制に近い国家は、そう、そう、そういうことだ。そういうことなんだ、ユリアン。世界の情報掌握を目前にひかえたヤッコサン達にとって、ロシアは目の上のたんこぶ、だったんじゃないか、と。これがワタシの見立てなんだ。まあ状況証拠のみで物的証拠なんてものはないさ。だがね、我々の状況は限りなく悪化しているのは事実だ。ロシアという国家が我々の最後の砦になっている。これはおそらく事実に近いところにあるんじゃないかな。だがまあ情報掌握者が、それを広く耳目にいれることは許さないだろうね。かくも情報を掌握されるというのは厄介な代物なんだ。たとえば、紅茶の中のブランデー量をつぬに制限されてみろ、そんな世界に夢や希望があるか?? だがね、そんなマサカが起こりかけているのが我々の、い、ま、なんだよ。

多数派による専制の終焉

2007年 iPhone販売開始
2010年~ SNS全盛
 平時による行動パターン掌握
2019年 4Gから5Gへ移行
2020年 コロナ事変勃発
 有事における行動パターンも掌握
2020年 ロシア・ウクライナ問題開始


それにしても、カイザー・ラインハルトの手並みといったら見事の一言につきる。我々をつねに戦略的に追い込んでから、本格的に侵攻してくる。一矢乱れぬ情報掌握術に、付け入る隙はまあまずもって皆無だね。あまり天才という言葉を使いたくはないが、カイザー・ラインハルトこそ不世出の天才だろうねえ。賭けてもいいが、後世の歴史家は彼を不世出の天才と持て囃すだろう。それが歴史家の給料分の働きってやつさ。人類のさぼりぐせというものは、どれだけ時代が下ろうとあまり変わらずに移ろうだろうからね。だかね、ユリアン。後世の歴史家の解釈云々に関わらず、我々は現状をなんとか打破するべく知恵を絞らねばならない。なあに、給料分の仕事だけで十分だ。しかしね、その給料分の仕事というやつを誰かが怠っていたツケで、我々が苦境に立たされているのも事実さあね。人これを理不尽というなりだ。だから、ワタシだってさっさと年金生活で人生をサボって、間尺を合わせようとしているんだ。これほど立派な信念はないぞ。ちゃんと働いて美味い紅茶を呑む、ブランデーがあれば云うことなしさ。


情報掌握者による専制の始まり

2007年 iPhone販売開始
2010年~ SNS全盛
 平時による行動パターン掌握
2019年 4Gから5Gへ移行
2020年 コロナ事変勃発
 有事における行動パターンも掌握

だがね、ワタシだって、あの時なんとか出来たんじゃないか、そう想うときがある。おもいきって無理な仮定だというのは解っている。だがワタシだって仮定法で語りたくなる時はある。便利だから、楽だからという理由で、我々は情報をヤッコサンにただ同然で明け渡した。これは歴史の中で幾度となく繰り返されてきた法則だといえばそれまでだがね。怠惰におちいった民主政体の中から繰返し専制者がうまれてきた、この専制者が今回に限ってはヤッコサン達に置き換わったってワケだ。種明かしをされてみれば、ギャフンの一言で片付く手品の類いだねえ、これは。ところがだ、ユリアン。。ここが大事なところだから良く聞いて欲しい。。。このギャフンってやつが曲者でね、何度も何度も人類はギャフンと云わされてきたんだ。ギャフンとその時は驚いてみせる、だがそのうちに「不世出の天才」がやったことだから仕方がないと達観してしまうんだ。これが歴史家の悪いクセなんじゃあないかな、と思ったりもする。


スタバでも紅茶を一杯

それにしても、ユリアン。スタバで真っ昼間から紅茶を呑む、ノンビリ呑む、というのも、なかなかどうして悪くないものだ。他のみんなが働いている時の紅茶は、極上のこれ至れるかなだねえ。。本当に、、美味い、、、最高だ。。。他のお客さんはコーヒーばかりだが、スタバといえばやはり紅茶だろう。ここだけは譲れないなあ。ユースベリーティーだっけ?たまには、こういう甘いのも悪くない。ところでユリアン。我々は小一時間もここでブツクサ禅問答をしているワケだ。さすがにそろそろ潮時だとも想う。だがまあ、残りわずかな紅茶。これを飲み干すまでは、ヤッコサンだって後世の歴史家だって大目にみてくれるんじゃないか、と、、まあそう想うワケだ。



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