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北海道の中でも札幌~住んでいた頃に感じた気候、人、食~

 北海道は、でっかい……。
 私は札幌に6年住み、他の地域は遊びに行ったことがある、という程度なので、北海道全体に関しては広すぎて熟知していないのだけど、札幌で住んでいた頃に実感したことを書きたい。

 北海道は、大自然というイメージがあるが、実際そうだ。札幌は200万人近くが住む大きな都市だけど、そこまでの都市は北海道の中では札幌だけだ。他に大きな街は存在しているが、都会という感じではない。しかも札幌は大都市なことにも関わらず、やはり土地が広いからか、ビルの奥の景色が何だかスカスカしている。最初は慣れないこの景色も、とても好きになった。

 やっぱり、そこの土地のことを語ろうと思えば、「気候」と「人」と「食」だろうか。

 札幌はそれなりの都市だから、当然あらゆる物が揃っているし、雪は大変だけどそれをカバーするくらい、5~7月半ばの気候がとても心地良い。本州だと梅雨が大変な時期に、青く澄んだ空が高くてとても爽やかで。都市なのに空気がキレイ。休みが取れるようでしたら、この時期の観光がおススメです。あと、観光する時の心がけとして、北海道内の広さを甘く見てはいけないというところです。札幌からちょっと函館へ、なんて軽く思わない方が良いことは、聞いたことがあるかもしれませんが、くれぐれもどこへ行くのにどのくらいの距離かということを調べてから計画を立てていただきたいです。道東へ、なんてのもちょっとドライブって距離じゃないからどうぞお気を付け下さい。

 札幌の、それなりに過酷な雪については、以前書いたことがあるので、こちらでどうぞ。

 「食」に関しても書いていこう。
 私はニュージャージーで結婚したもので、そこから主婦生活が始まった。現地のスーパーで手に入りにくい日本食材は、日系や中国系、韓国系のスーパーで手に入れた。それでも色々と不自由に思ったことはあった。ちょっと違う物で代用すると思ったような味にならないなあとか。固さとかも含めて。
 そして札幌に住んだ。

 宝塚に住んでいた頃に、母についてスーパーに行ったことは時にはあったけど、それほど頻繁ではなかった。つまり、食材に関して少々知識はあるけれど、その値段とか旬の物に関しては漠然としていた。だから札幌のスーパーに通うようになって、驚きと共に、それが当たり前になっていったし、関西がどんなものだったかよく思い出せなくなっていった。ただ今は内陸部に住んでいるので、それまでにない不自由さを感じることもある。いくら流通が良くなったって、現場に近いものにはかなわない。

 札幌のスーパーには時期が来れば、筋子がバンバン売っている。当時、600~700円も出せば、毎食どっさりご飯に乗せても、夫婦二人で何日かは持つくらいの量。筋子は自分でおろして醤油などに漬けておく。イカも自分でおろす。ドンと一体で売っているので、おろして料理にする。面倒くさがりで、説明を見聞きするのが苦手な私でもそんなに難しくはない。さらにホタテ。これも生でたくさんパックに詰められている。自分でおろす。もうどれも柔らかいし生臭さは全然ないし、美味しいのだ。これに慣れちゃうと、内陸部の魚介類は小さくて高くて脂が少なく、においが気になってしまう。
 魚の切り身は、ほっけや鮭が安く売っており、やはりこれも脂が乗っていた。鮭は、北海道産じゃなくても、皆さんの舌が肥えてしまっているからか、外国産でもアブラの乗った良い物しか置いていない。塩漬けされていない生鮭が売っていて、どのように料理してもパサパサにならず、とても美味しい。そしていずれも安い。

 野菜も、ジャガイモや玉ねぎはいつだって安いけれど、時期になれば、アスパラガスやトウモロコシも安くて、歯ごたえと甘みの良い物がたくさん出る。
 私は札幌に住んでいて、スーパーに行くことが楽しくて仕方なかった。
 今もあの食材だけのためだけに、住んでも良いと思っている。

 あとは「人」ですね。
 合理的とよく言われているが、確かに暑苦しい関係を望まないようで、お互いの間柄もサッパリしていれば、風習とかならわしとかこだわらない。色々な土地から来ている人が多いからなのかもしれない。サッパリしているけれど、冷たいわけでもない。
 私が住んでいた頃、今や全国でも知名度の高い大泉洋出演の「水曜どうでしょう」全盛期であった。彼は今でも道民らしさを持ち続けている。男の人たちが他人に対して優しく、穏やかな印象だ。あとツッコミよりボケが好きなようで、延々とボケ続けるノリに遭遇した時には少々戸惑った。「ツッコミ入れないと!」とよく叱られていた関西から来た私は、ボケる人たちに対して、必死でツッコミを入れていたが、途中で「これ、ここでは必要ないんだな」と気がついてただただ笑って楽しむようになった。ラクだったけれど、そのせいか、女性たちはおっとりしていると言えば良いのか、店員さんたちに関しては、ちょっと愛想のない人が多いような印象である。一人一人話すとそんなこともないのだが、サービス過剰なほどの関西から来ると、少々ヒンヤリ感じる。私は関西に行くと、正直ちょっとホッとすることがある。

 そんなですが、全体的に、札幌では人が穏やかで優しい印象です。そしてボケるのが好きみたいです。夕方の地方情報番組もフザけていることが多くて、面白い。仲間意識も強くて、北海道が大好きって人が多いと思う。あと市同士で対抗心を燃やすことなく、その辺りもおっとりしています。

 ただ好きなところを羅列しただけになっちゃったけど、北海道の良いところ、たくさんあります。住んでみて「もうここでずっと住んでも良いな」と思わせられた場所でした。


#エッセイ #北海道 #札幌市 #食 #気候 #人

読んでいただいて、ありがとうございます! 心に残る記事をまた書きたいです。