27歳なりに読んだ人に感動を刻む小説書いてく予定が世界救ってた 第13話~〇〇がプロデュースする~
部屋に戻り、怜の背中に見えた傷のことを考えていた。
あれは紛れもなく優華に出来た傷と同じものだった。
しかし、二人が同じ傷を負うことなんてあるのだろうか、こんな偶然って・・・
ザザッ
うっ!また頭痛が・・・―――
「かわちゃんは悪くないよ」
「僕のせいだ」
「自分を追い詰めないで」
「全部僕のせいだ」
「大丈夫だから。私がそばにいるから」
「僕にはあすかしかいなかった。大好きだったんだ。本当に、本当に・・・」
「辛いよね、だからって生きているかわちゃんが死んだような顔をしてあすかさんのお墓の前で手を合わせたってあすかさんは喜ばないんじゃないの?」
「優華に何がわかるんだよ!!!こんなことなら死んだほうがましだ!!」
ザザッ―――
「あすか、今から会いに行くからな。悲しまずに待っていてくれよ・・・。あれ、どうしたんだ?死にたいはずなのに、首を吊るのが怖いよ。あすか、力を貸してくれ。早くあすかに会いたいんだ」
「かわちゃーーーん!!!」
―――――ううぅ。何だったんだ、今の光景は。
確かに僕の記憶のようだったが一切覚えていないぞ、あんなこと。
よく考えてみたらあすかが死んでから、僕はどうしていた?
・・・だめだ、全く思い出せない。
「かわちゃん、温泉空いたよ」
「うわああああ!!!」
突然優華の声がしたのでなんともまぬけな声が出てしまった。
「ざまーみろ!裸を見たやつが悪い!」
優華は笑いを堪えている。
よくこんな時にいたずらしようって思うな。
「わーごめん!!ってあれ?温泉入ってたのって怜さんじゃなかった?」
「私と怜の二人で入ってたよ。私と目が合ったらすぐ逃げてったね」
僕が見たのは優華だったのか?さっきは怜に見えたが、二人が似てるせいか間違えたのだろう。
「それにしてもかわちゃん、今日はやたら傷だらけじゃん!怜の話聞いてたー?ゆっくりするようにって言われてたでしょ。明日筋肉痛になっても知らないからね」
「あ、わかった?実はトムがさ―――」
気が付いたら僕たちは1時間ほど話し込んでいた。
「かわちゃん、じゃあそろそろ温泉入ってきたら?久しぶりにちゃんと話が出来て楽しかったよ」
「ほんと大学ぶりにちゃんと話したな。ありがと。よし、じゃあ一緒に温泉入りますか」
「ばか!!」
バチンッ
僕は優華に叩かれた後、赤くなったほっぺたと共に温泉に入って寝た。
―――次の朝8時
「グッドもーにんぐ!エブリわん!」
なんでだよトム、英語なのに片言じゃねえか――というツッコミから今日は始まった。
「皆さん集まっていただきありがとうございます。おさらいですが、今日の朝10時にテレビ局へ連絡し、この計画が開始されます。いいですか、心してください」
「せっかくナノデ計画に名前ツケマショウ。怜がプロデュースするのでゼロ計画に決定デス。ちょっとジョークみたいで可愛イデショ」
―――――ゼロ計画、始動。
by克也
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