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27歳なりに読んだ人に感動を刻む小説書いてく予定が世界救ってた 第12話~ありのままの〇〇~

この部屋は誰の部屋だ?この言葉はなんだ?


「HEY!!カワ!ドコイルノ!?」


私は悪戯が見つかった子供の様に体が一瞬強張った――そっとお札の中に怪しい紙を戻した。


――トムのやつ、うるさっ!なんか調子狂うなぁ~――

私は廊下に出るとトムの声がした方向に顔を向けて返事をした。

すると、

バタバタと走りながらものの数秒で私の目の前に来て手を掴み言う。

「オニワイクゾ、カワ!」

――オニワイクゾ?あぁ、お庭に行くぞか……というか、呼び方慣れ慣れしいなオイ………ん?なんかトムがリュック背負ってるけど何やるんだろう――

私は終始無表情で、引っ張られながらトムの後を歩いて靴を履き玄関から庭の開けた場所に出る。

そして、トムはやっと私から手を離して背負っていたリュックを地面に置くとジッパーを開け手を入れる――中からスタンガンとインカム(小型の通信機)、さらに薄手の防弾チョッキと手袋に催涙スプレーをくれた。

トムは道具の使い方を私にレクチャーすると言い、

スタンガンの効率的で確実な当て方――

インカムの操作方法――

防弾チョッキの着方や、ただの手袋だと思ったそれは防刃の手袋でナイフを使う敵の相手の仕方――

あとはあんまり期待はできないけどとトムが言いながら渡してきた催涙スプレーの噴射距離や威力をトムで実践したり(トムは「ワタシニやってみて」と言い催涙スプレーを食らうと2時間程目の周りがパンパンに腫れて激痛で泣いていた、これは期待できる)――

それから、基本的な逃げ方や護身術をトムに親身に教えてもらった。

※後に知ることになったのだが、トムの父は軍人で勲章も数えきれない程持っている実践経験の持ち主だったらしく、トムは幼少期からずっとしごかれてきた

トムは本気で掴みにきて、

私を投げたり関節技をきめてくる。

逃げるのにかなり必死になった――

反撃できない私を見かねてトムは、

掴まれた時の簡単な反撃方法もレクチャーしてくれ気づくと――

外はすっかり日が沈みかかり、夕暮れ時だった――

私の体からは久しぶりの激しい運動もあってかなりの汗が出ていた…トムは汗をかいていない。あんなに動いたのに――

周りの木々がザザザっと風で揺れ音を立てている—―不思議と心地良い。

「あー……トム、本当にありがとう!なんか体中痛いけど」


「カワ!家に籠ってるバカリ聞いてたケド、中々動きイイヨ!カワは自分が助かるように上手にエスケープするのポイントだヨ!」

――敵の始末はワタシに任せればOK♥――

トムはひっそりとそんなことを思っていたが私は知る由もなかった。



トムを撒いて、

一人で温泉に行く事にした。

――今朝はトムのグイグイ来る感じに邪魔されてゆったり温泉に浸かれなかったからなぁ、ゆっくりしよ――

温泉のある建物に入り、

脱衣所の扉を開けた。

ドテーン!


私は尻餅をついた。

なんとそこには背中を見せている全裸の女がいた。

背中には薄っすらと横一文字に切り傷跡があった。

こちらにゆっくり振り返り、怜が無表情で見てきた。

私は咄嗟に両方の手の平で目を覆った。

「ご!ごめん!混浴ってしらなくてってっててー!!」

私は顔を赤くして外に走った。

走りながら私は考えた。

――思い出したくはないが……あの切り傷は優華が受けたものだろ……待てよ、あの頃の優華は今の怜なのか?――


ありのままの怜は……どこにいった?

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