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27歳なりに読んだ人に感動を刻む小説書いてく予定が世界救ってた 第10話~あなたも〇〇わたしも〇〇~

私と優華とトムは怜の待つという一室の襖の前についた。

「ボクは一足先に怜さんにこれからのスケジュール、

聞いたから厠と優華にアラカジメイッテオクヨ――明日はハードな日になりそうだけどガンバロウゼ!」

私は嫌そうな顔だけして何も答えなかった。

「優華だけど――入るわよ」

優華は細く長い綺麗な指で襖をスっと横に開く――眼前に現れたのは客間で、

立派な富士山の掛け軸があるのと部屋の奥の床には3枚の座布団が敷いてあるくらいで無駄なモノが一切置いて無い――畳の上にもチリやホコリなど見当たらない見事に綺麗な部屋だ。

その部屋の中央に怜は背を向けて正座で待っていた。

「どうぞ奥へお座りください」

奥に敷いてある座布団の上に私たちは横3列に座る。

位置は優華・私・トムとなり私は真ん中に座っている状況だ。

怜は1人、正面に座っている――

優華が一番最初に口を開いた。

「まず、かわちゃん.......貴方に聞いて欲しい事実があるの――貴方の敵は神代家であり、それを率いている私達の父なのよ……」

「私達の父?」

「私と怜の父……神代 神世(かみよ)」

私は優華と怜を交互に見た。

――優華と怜のお父さんが敵?

なんで自分の父親の狙っている私を助ける?

さらに、怜と優華は姉妹だったのか……

小学生の時に優華に兄妹はいないのか聞いたことがあったがいないと優華は言っていたのに――おかしい………優華は嘘をついた?それはない、優華は嘘をつけるほど器用ではないのだから……途中で怜がやって来たのか?――

「神世は、貴方の書いた小説【人殺しと呼ばれた神代一族】の一文で計画の全てが台無しになってしまった。その一文がどこか分かる?」

私はだいたい検討はついていたので主人公が犯人を追い詰めた時の台詞を口に出す。


「調布市(ちょうふし)の旧名は神代(じんだい)。お前の始まりの場所だ。つまり、復讐の場所には植物公園だろうってな」


――この台詞は優華と私が大学生の時、

優華が小説を書きたいとしきりに言っていた私にネタを提供するためにネタノートを書いてくれていたのだが――そのネタノートの隅に書かれていたものが今の台詞――


「正解。かわちゃんはこの台詞、当時大学生の私のネタノートに書いてあったのを小説に書いたら私は驚くだろうと軽い冗談で小説に書いたのよね」

優華は一度深呼吸し不自然な笑顔でこう言った。


「これ、いまだに私のノートに誰が書いたかわからないけどーーまぁ、こうしてあなたも狙われわたしも狙われってことね」



【by 大河】


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