27歳なりに読んだ人に感動を刻む小説書いてく予定が世界救ってた 第17話~〇〇心をくすぐる~
「ないしょのお話・・・?」
異安心をくすぐる言い回しに、僕はつい言葉を返してしまっていた。
「キャハハハ、厠さん気になるでしょ?びっくりするようなお話を知ってるんだ~^^」
「かわちゃんだめ!!!こんな女の言うことを簡単に信じないで!このまま早く地下道を進みましょ!」
優華は無理やり僕の腕を引っ張って進もうとした、その時――
「あすかって女の話なんだけどなぁ――」
あすか!?
「どうして!どうして佐藤さんがあすかの名前を知ってるんだ!?あすかは3年前の事故で死んでるのに。1年前に知り合った君が知っているはずがない・・・」
「厠!早く歩け!!!」
優華、怜、二人は何かを知っているのか?
「あすかのことは、出てきたら教えてあげるよ^^」
僕は頭の中が真っ白になっていた。
優華と怜は僕を制止しようとしたが、それを振り払うように扉のロックを外してトムが横たわる部屋に頭を出し、お姉さん座りをして待っていた佐藤さんを見つけた。
「教えてくれ、佐藤さん!あすかの何を知っているんだ!」
「そいつの戯言を聞いてはだめだ、厠!!」
足元から怜の声が聞こえた。
この時、僕は冷静になるべきだったんだ。
指名手配されたこと。あすかと付き合ったこと。佐藤さんが僕の小説を読んだこと。ミステリー小説を書き始めたこと。優香と出会ったこと――様々な結果は小さな蝶の羽ばたきで生み出されたんだろう。
「厠さん、えらいえらい。ちゃんと戻ってきてくれたんだね^^言うことを守ったから教えてあげる。あすかはね、事故で死んだんじゃないの、殺されたの。
今、厠さんの足元にいるゴキブリ達にね。」
僕は初めて人生を呪った――。
by克也
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