見出し画像

家族がいちばん大事、だからこそウエディング業界へ。

結婚を機に新たなキャリアをスタート、というのはよくあることですが、
ウエディング業界は、[結婚・出産を機にキャリアを離れてしまう人が多い業界]といわれています。

矛盾しているようですが、私は30歳での結婚を機に、新卒入社でずっと働いた大手IT企業を辞め、ウエディングプランナーにキャリアチェンジをしました。

結婚して、子どもを産んで、幸せな家庭を築きたい。
だからこそ、ウエディングプランナーというキャリアを選んだ。
そんな、業界の構図と矛盾するような選択をなぜしたのか。

画像1

”将来の夢”

私は、地方の小さな街で生まれ育ちました。
父は自営業をしており、広島へ嫁いだ母は専業主婦に。
母は、とてもとても愛情深いタイプの人で、小さな頃から大人になるまでずっと、私と妹を大切に大切に育ててくれました。もともと保育士でもあった母とは、幼稚園が終わると、家に帰って一緒にお菓子作りをしたり工作をしたり、一緒に過ごして可愛がってもらった時間がたくさんあったことをよく覚えています。

私にとって、母は”理想の母親像”そのもの。
私の将来の夢は、母のように、我が子にたくさんの愛を注げる「ママ」になることでした。

そんな思いが根底にあったからか、大学進学で東京に出てから、社会人を目指す時までずっと、「キャリアウーマンになんてなりたくない。私は家庭をいちばん大切にしたい」と、強く思っていました。

ウエディング業界との出会い

私のウエディング業界との最初の出会いは、”就活”でした。
6月にアメリカ交換留学から帰ってきた私は、全員同じような黒いスーツに身を包み、攻略本をそのままなぞったような就活をすることに、違和感と嫌悪感を強く抱いていました。

すぐにでも始めなければならないはずの就活に全く気持ちが乗らずにいた私でしたが、「1つくらい大きな就活フェアに行ってみるか。」と軽い気持ちで就活フェアへ。

そこで出会ったのが、今現在も就活生に大人気の、とあるベンチャーのウエディング企業でした。満員のブースに立つ社員が、皆さんすごく表情豊かでキラキラしていて、会社の方針も先進的で面白いし、驚くほどフランクな社風。「こんな会社もあるのか!」と私の中での既成概念を取りはらわれるような体験でした。

「社会に、こんな面白い会社も存在するなら、やっぱりどこかの会社に就職しよう!」「仕事をしながら、30歳までに、やりたいこと、自分が面白いと思う仕事を探してみよう!」

そう思って就活を始めた私でしたが、やりたいことが定まらず旅行・ウエディング・教育・IT・メーカー・・・と雑多にエントリーしていた最中に東北大震災によりほとんどの企業の採用活動が一斉にぴたりと止まってしまったこともあり、いち早く内定をもらっていた中から最もフィーリングの合っていた大手IT企業に就職を決めました。

IT業界は、どんどん会社を変えながらキャリアアップしていく人が多いため、3年での離職率50%以上も当たり前の業界なのですが、新卒で入った会社では、縁あって、営業、社長室秘書、ブランドマーケティング・・・と転職レベルで幅広い経験をすることができたため、飽き性の私でも気づけば社歴は両手で数えるほどに。
常に仕事に全力投球で、休みの日でもパソコンを持ち歩いていたので、友人からは「仕事大好き人間」と思われていたと思います。

優秀な上司や同僚に囲まれ、役職をいただいて部下を持ち、バリバリと仕事を楽しんでいたそんな折、私は仕事のプレッシャーとストレスで、体調を崩してしまいました。長いトンネルの出口を探しながら、しばらく必死にしがみついていた私でしたが、次第に、「この会社でどうしてもやりたい仕事がある訳でもない。この業界でキャリアアップをしていきたい訳でもない」と気付くに至ったのです。

30歳を目前に控え、結婚間近という頃でした。


私がウエディングプランナーになった理由


当時付き合っていた彼は私の5つ下。
結婚するならば、私も稼ぐことが大前提でした。しかしだからといって、子どもができた時に「ママはあなたのために仕事をしてるのよ」とは絶対に言いたくない!と、ふと思ったのです。

「私にとって、家族が一番大事」という揺るぎない信念。
それを突き詰めると、自分を大切にせずして、家族を大切にすることはできない。そんな気がしました。

何十年も仕事を続けていくなら、自分らしくいられる仕事を。


「何十年と子育てをしながら続けていくには、自分らしくいられる仕事じゃないと、無理だ!」と思った私。

やりたいこと・自分の好きなことって、なんだろう?
自分の良さを生かして自分らしくできることって、なんだろう?

自己分析と直感、どちらのルートからも自然とたどり着いたのが、「ウエディングプランナー」という仕事でした。


30歳での”キャリアチェンジ”への勇気


ビビッと来た仕事に、思い切って舵を切った。
・・・と言えればかっこいいのですが、実際は全くそうでもなく、これでいいのかと自信が持てず、転職を考えはじめてから実際に転職するまで、丸一年かかりました。
ノートを広げて人生を振り返るために、何度スタバに通ったことか。何十冊と本を読みながら飲んだコーヒー、数知れずです。

長年勤めた大手企業から、全く違う業界にゼロからチャレンジするのはとてもとても勇気の要ることでした。年収も福利厚生も、圧倒的に条件が変わるわけです。結婚や出産を控えながら、この選択をするのは、普通に考えると大いに間違っているような気もしました。

それでもやっぱり、何度考えても、このままじゃいけないという心の声の方が明らかで。
世の中で正解とされるルートを辿ることに力を注ぐのではなく、自分を信じて、私らしさをもう一度引き出してあげたい。そこに自分の大切な時間を投じてみたいと思いました。

「もしどうしても上手くいかなかったら、道を引き返したっていい。まずは進んでみたいと思う道を進んでみよう!」

旦那、友人、憧れの人、占い師さん(笑)、たくさんの人から後押しをもらって、最後はえい!!!と飛び込みました。
人生で初めての、ビッグチャレンジ、です。


子どもが生まれて


子どもを産んでからというもの、母親としての責任感がMAXに高まり、夢や理想を語ってばっかりで、現実的に本当に大丈夫だろうか?と正直めちゃくちゃ不安な気持ちが再燃しました。
この記事を世に生み出す勇気と自信が持てなくて、数ヶ月あたためてしまっていたほどです。

けれど、夢や理想を語るのは自由。そこからどれだけ努力を積み重ねるか、というだけだと思うんです。
実家は遠くて頼れない、土日に仕事をしたい、子どもはどうする?
ハードルはとてもとても高いのですが、理想を理想で終わらせたくないから、やれるだけのこと、やってみようと思います。

夢を叶えつづけることほど、難しいことはない。
でも、夢に挑むチャレンジこそが、人生の面白みだと思うから。


「プランナーとして自分らしく輝きながら、
 母親として、幸せいっぱいの家族を作る!」

これが果たして、自分の思うように叶えられるか。
3年後、5年後、10年後・・・、どんなふうに自分は感じるだろうか。
答え合わせの人生が、今まさに、始まろうとしています。



この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?