見出し画像

「仁義なき戦い」を見た(ネタバレあり


菅原文太さんがひたすらにかっこいい、スピード感のある組織抗争映画


はじめに

この映画は、広島を舞台に戦後に主人公を含めた血気盛んな若者たち(後で調べると土建屋さんの人たちということだったみたいですが、映画からはその辺がよくわかりませんでした)が、やがて山村組という組織に所属し、敵対勢力との抗争を経ながら組織を拡大し、さらに内部抗争でかつての仲間たちとも争い合っていくという物語になっています。


組織抗争をスピード感をもって描いた作品

主人公が所属することになる、山村組の趨勢を中心にして物語が進んでいきます。組織の成り立ちから、成長、そしてない部分列、時代背景も戦後から、朝鮮戦争、高度成長という時代を1時間半ちょっとという尺で語っていくので、息をつかせないペースで話が展開していき、常にハラハラ、ドキドキな状態で最後まで見られます。

組織間の抗争を主に据えている映画であるため、映像のスピードを維持しながら、物語の重要な要素をポイントごとに必要且つ十分な量提供するやり方は、非常に上手い撮り方だと感じました。


菅原文太さんかっこよい!

菅原文太さんが演じる広能昌三は、刀を振り回す暴漢を山村組の組員たちに代わって射殺したことをきっかけに、山村組に所属することになるのですが、とにかく彼の顔から始まり、スリムな感じや、仕草、それほど多くはないけど、刺さる広島訛りのセリフなど全てがピッタリあっていて非常にかっこよかったです。

一番良かったのは、他の登場人物、例えば一緒に登場する、梅宮辰夫さんや松方弘樹さんはいかにもというスタイルで登場するのですが、菅原文太さんはいかにもという感じではないのですが、一般人とも言えない雰囲気を纏っていたところです。この雰囲気が非常にかっこよく、人気が出た理由ではないかと思いました。


金子信雄さんと田中邦衛さんの演技が絶妙

山村組の組長を金子信男さん、山村組の若衆(幹部)を田中邦衛さんが演じられているのですが、この二人の配役は絶妙でした。

山村組組長は武闘派ではなく、お金儲けに非常に長けた組長という設定で、他の組長が自ら先頭に立って乗り込んでくるようなところを、とにかく組員を泣き落とししたりしながら、なんとか危機を乗り切ろうとするところが、非常にコミカルに感じられ、抗争を描いた映画の中で緊張を緩和させる機能をうまく果たしていました。

それだけではなく、この組長と若衆の田中邦衛さんは、ラストシーンのキーパーソンになっているというところも、二人のキャラクター並びに序盤の演技が最後シーンに巧妙に繋げられていて、お二人の演技力の巧さが感じられました。


おすすめするひとしないひと

スピード感があるストーリー展開と組織抗争ものが好きなひと。今まで題名は聞いたことはあったけど興味がある人は、時間も短めなのでおすすめです。

暴力シーンとか、流血シーンが苦手な人はお勧めできません。とにかく、すぐに小競り合いが始まり、何かにつけては殴り込んでいく感じなので。


この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?