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<読書>マジカルグランマ

 「マジカルグランマ」は以前に読んだことがある本です。その時は、急いでストーリーを追って読了したのですが、改めてもう少し丁寧に読みたいと思っていました。

・マジカルグランマ 著者:柚木 麻子

 主人公は元女優、映画監督の妻の正子。

 生活のため、シニア俳優として仕事を始め、人気者になります。しかし、家庭内別居をしていた夫が亡くなり、夫の死にすぐに気が付かなかったことや、夫の葬儀の際の発言が世間に非難され、俳優の仕事がなくなってしまいます。

 正子は、金銭的に苦しくなります。しかし、姑から学んだ手作りの知恵と技を駆使して節約生活をし、自宅に転がり込んできた若い杏奈とメルカリで自宅の古い物たちを売るなど、なかなか、したたかに苦境を乗り越えていきます。

 映画監督だった夫のファンだという杏奈、隣に住む間島家のお嫁さんの明美、近所のゴミ屋敷の住人の野口たちが、徐々に正子の行動に巻き込まれ、協力者になっていきます。
 そして、正子は協力者を得て、古い自宅を使って、お化け屋敷を経営します。

 正子は、世間の人がイメージするおばあさん(=マジカルグランマ)とは対極にあるような人で、行動的です。他人を非難もするし、愚痴も言う。可愛いおばあさんではありません。高齢者ですが、自分のやりたいことに向かって進んでいきます。

 そして、正子も、正子の協力者たちも、お化け屋敷に関わることで、新たな道が開けてくる、この本の後半の展開が興味深かったです。

 登場する人たち皆が、各々が行動することで、近い未来を引き寄せています。未来は見えないけれど、現在の行動と確実につながっていることを改めて気づかされました。
 

 私も人生の折り返し地点は確実に過ぎている年齢ですが、20才以上年上の正子のように、もっと積極的に行動してもいいのかな、と思いました。
 自粛生活の中、このストーリーから、少し元気をもらいました。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。









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