写真家が心理学を学ぶ理由

写真家である私が心理学を学び始めたと言うと「ちょww マジwww ぜんぜんつながりみえないんですけどーーwwww」なんて言う人がいます。

しかし、これはおそらく世間が写真家に抱いているイメージと心理学に抱いているイメージが関係しているのだと思います。

まず写真家ですが、世間の人は概ね「きれいなものをきれいに撮る仕事」とか「普通の人が撮ったらダサく写るものを、おしゃれにかっこよく撮る仕事」みたいに思っている節があります。

芸術家の写真作品制作プロセスは人によって程度の差はあれ、基本的には
・課題やテーマを決める。
・それらに対して「問い」を立てる。
・リサーチを行なう(根拠を集める)。
・プロトタイプを作る。
・レビューやアドバイスをもらう。
・写真作品という形で主張をする(問いに対する答えを出す)。
というプロセスをたどります。

特に昨今の美術系の大学では昔に比べてこういうことをきちんと教えているようです。
上記を見てもらえればわかるように、ほとんど大学の論文に近いことがわかるかと思います。

一方心理学にも勘違いをしている人がいるようです。
心理学とは人を相手にする学問だと思われています。もちろんそれは正解ですが、人を理解するためには社会を理解していなければなりません。
例えば、貧困家庭という言葉がありますが、貧困という概念もここ数十年の間にずいぶん変化をしてきました。
昔はお金がない、物がない、という皆が思い描く貧困だけが貧困でしたが、昨今は塾や習い事にお金をかけられない家庭や家庭の養育機能の低下による貧困問題も出てきました。
このように心理学の世界でも社会をよく観察します。

写真家の世界も心理学の世界も社会がとても深く関わっているのです。
ゆえに、両者は全然つながりがない関係性ではないのです。


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