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写真撮影はビジュアル・コーチング?

先週末、プロのフォトグラファーに頼んで、仕事用の写真を撮影していただいた。その日が来るまでの1週間、なんだか気分が落ち着かなかった。後で思えば、スタジオでの写真撮影は七五三以来だったので、未知なる世界に対する期待と不安が私を覆っていたのだろう。

当日は、他のコーチ仲間二人と一緒に撮影してもらうことになっていたので、緊張はかなり和らいでいたが、普段、化粧をせず、洋服を気遣わない私が化粧をし、衣装を選ぶのは内心とても気恥ずかしく、居心地が悪かった。

また、スタジオで撮影をするということは、なんだか自分のビジュアルの試験を受けにきているような感じもしていたように思う。いつもの生活の中で自分の写真を自分で撮ったり、他人に撮ってもらう場合、最適な写真環境にいるわけではないので、光が最適でなかったり、ピントがボケたり、背景が変だったり、上手く撮れない言い訳がいっぱいある。いくら友人が「良く撮れてるよ!」と言っても、なんだか信じられない。

だが、スタジオで、プロのフォトグラファーとなると、言い訳はない。自分の素材が浮き出る感じがした。ちゃんと光が当たって、化粧もして、(自分で選んだ)衣装も合わせて、それであなたはどんなビジュアルなの?と言われているような気がした。今思うと、結構、怖かったんだろう。

先に、衣装とお化粧がもう決まっている先輩コーチたちの撮影から始まった。先輩コーチたちは、自分たちの似合う色や衣装を心得ているようだった。普段からお化粧もされているので、その日は少しだけ濃い目にした、と言っていた。

普段素顔の私にとって、撮影のために、化粧をするか否かは大きな決断だった。撮影当日の数日前、慌ててカラー分析を受け、合う化粧を習った。その時の顔がいつもの自分とあまりに違って、「自分じゃない!」と思ってしまった。だから当日は、とにかく素顔でスタジオ入りし、先輩コーチとの会話で決めようと思っていた。

「口紅も塗りたくないし、化粧もはしたくないけど、どうしよう?」って正直に言ったら、先輩コーチはささっと必要なものを渡してくれて、指示をくれた。そのおかげで、本当に薄く、でも眉、目元、リップは整えて、「自分の思う自分」になる化粧に収まった。嬉しかった。

他の人たちが撮影している最中、まだ衣装に迷っていた。迷いに迷って選んだ第一番目の衣装は、姉からもらったピンクの半袖ブラウスだった。先輩コーチの助言で、お借りしたシルバーのネックレスをしたり、スカーフを巻いたりして、撮ってみた。なんかしっくりこない。

突如、私の悪い癖が垣間見えた。お化粧のように全くどうしたら良いのかわからない時、他人のアドバイスを受けつつ、自分がやりたい方向性を探るのは問題ない。でも、私の本当に悪い癖は、はっきりと自分が好きなものがあるのに、そのものや状況に自信がもてなくて、他人に聞いてそれを優先させてしまうことだ。他の人が悪いわけではなく、自分が自分の好きなものを好きという勇気がないだけなのだ。まるで、Jane AustenのPersuasionのように。

2回目の衣装を替えで、自分で買ったワンピースに着替えた。このワンピースは、何年も前にサステイナブル・ファッションの店でタイツと一緒に買った。フクロウが沢山ついていて、とても気に入っている。だけど、自分に似合っているのか全く自信がなかったので、ほとんど着ていなかった。でも、自分の中の動物好き、サステイナビリティへのこだわりが凝縮した服のような気がする。それもそのはず、着た瞬間、着心地、心、エネルギーがすぱーとシフトした。撮影中、おしゃべりや動きが多くなったし、よく笑った。

これに触発され、自信がつき始めた。3回目は自分が大大大好きなボーダーのシャツで撮ってもらうことにした。ボーダーが大好きなのに、ボーダーを着て正式な撮影で撮るというのは、いくら気楽が好きな私でもちょっと場違いか。。。と勝手に躊躇していた。

ボーダーを着てカメラの前に立った。私は、ちょっとオーバーだけれど、自信に満ちていた!アクセサリーも何もいらない。大好きなボーダーシャツを着て嬉しそうだった。心が喜び、身体が解放された気分になった!そして、「自分」をしっかり抱きしめた感覚がした!

この写真撮影は、とても特別な体験だった。思えば、私のコーチングの基本は「今の自分が本当に求めているもの、必要なもの」をクライアントに探してもらいたいが基本だ。その基本を、無意識ではあるが、私は自分の日常生活の中で一生懸命にやろうとしていることに気づいた。自分なりのキャパで、お化粧、髪型、衣装を自分が納得のいく形に落としていく作業だった。身体と感覚はわかっていて、それがベストなとき、撮影がとても楽しく、心地よいものに変わった。フローがあった。

最後に、お気に入りのボーダーのシャツに、祖父が使っていたグレーのマフラーを巻いて撮影してもらった。シャツの上にマフラーはチグハグなのかもしれない。でも、私には「これぞ私!」という感覚があった。巻いた瞬間にふわぁーとした安心感と自信が身体中に広がった。

追伸 後日、出来上がったすべての写真を見せていただき、自分の内面で感じていた感覚が本物だったことを知る。それらはすべて、写真にしっかり現れているから。

追伸 他の先輩コーチたちと自然な状態を引き出す腕の良いフォトグラファーに出会えたことに感謝します。

Photo by Luke Lung on Unsplash

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