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なぜあなたは市場分析をするのか

はじめに

対象企業(事業)の将来性を見極めたり、事業戦略を考えたり、事業計画を策定したり、新規事業を考えたりする際に市場分析をすることがあると思います。

本日は市場分析って結局何のために必要で、どう分析すればいいのかについて書きたいと思います。

市場分析の言語化

市場分析とは、①市場を理解し、②自社に有利となる行動を検討するために行うものだと考えております。

なお、
①市場を理解するとは、
「市場を意味のあるグループに分け、それぞれのグループの競争ルール、今後の見立てについて理解すること」

②自社に有利となる行動を検討するとは、
「事業の注力度(含む新規参入)・戦い方・今後に備えた準備を検討すること」

上記の定義含め、市場分析の全体像を以下でまとめてみました。


①市場理解

市場理解にあたってはまず市場セグメンテーションが必要になります。
物事を「分かる」とは「有意に分ける」ことほぼ同義と考えています。

例えば、EV市場といっても、「ハード部品、ソフトウェア、組立、サービス」と産業のバリューチェーンの担当ごとに分けたり、「高価格帯と低価格帯」で分けたり、「ToC向け(自家用EV自動車)とToB向け(業務用のEVトラック等)」に分けれたりします。

このどういった切り口で市場を分けるかがとても重要です。

ただ、まずは現市場がどのように分かれているかを調べます。そこでは注目するのは、対象製品・サービスの最終顧客は誰か、またその用途何かです。
その結果として、製品の種類ごとに競合が違ったり(大企業の寡占マーケットや、有象無象の中小企業がいるマーケット等)、商流が違ったり(高級品は直販だが、大衆品は間接販売とか)します。

上記は比較的調べれば簡単、客観的にわかるのですが、最終顧客・用途で競合・商流が違うのには理由があり、そこの深掘りが大切になります。

その理由は大きく、KBF(購買決定要因)事業経済性の2つになるかと思います。

KBFはKey Buying Factorの略。顧客が商品の購買を決める際に重視する要素です。
例えば品質、価格、ブランド(実績)、リアル拠点、アフターサービス、営業力等が挙げられます。
ただ、Keyは1つではなく、市場ごとにその要素の重み付けが違うのが一般的です。

事業経済性は、規模の経済、範囲の経済、密度の経済、スイッチングコスト、ネットワークの外部性等、企業が事業展開をする上で他社に対して優位性を作るメカニズムのことです。

なお以下に市場のセグメンテーション分けの視点をまとめてみました。

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A)特徴・戦い方
特徴とはKBFと事業経済性のことで、それに合わせた戦い方としては以下になります。
 ①KBFに照らしたリソース配分を変える
 ②事業経済性にの原理・原則に従う

KBFは大前さんの企業参謀、事業経済性は冨山さんの経営分析リアルノウハウというコンサルの巨頭の方々の本が参考になります。

B)今後の見立て
対象市場の市場規模はいくらで、今後どのように推移(拡大/縮小)するかという量的側面と、市場規模が拡大/縮小する要因及び、今後の変曲点の有無といった質的側面を確認します。

まずは過去の市場推移を分析しどのような要因で市場が変動してきたかを分析することで、市場の構造を掴むことができます。

C)隣接市場、他市場
市場をセグメンテーションすると、今まで気付かなかった自社の強みが活きる市場が見つかるかもしれません。なので、現在の隣接市場等にも目を向けて見てください。

②行動計画への落とし込み

分析だけを行っても、シンクタンクのように市場分析そのものが事業でない限りは、色々わかったけど、だから何?となってしまいます。
なので、分析をもとにどういった行動を起こすべきを検討します

こちらは記載の通り、
市場の注力度(含む新規参入・撤退)を決め、KBF・事業経済性に鑑みた戦い方にし、今後のKBF等の変化や、マーケット変化を踏まえた準備といったことを検討していくことにになります。

ただ、自社のアクションプランは市場分析だけではきめれず、自社の存在意義、強みの再定義といった内部分析と競合分析を踏まえて決定していきます。

競合分析についても書いておりますので、ご興味のある方は是非ご一読ください。


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