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stand by me / 映画『サヨナラまでの30分』

*以下、ネタバレあります!



「邦楽ロック好きは観るべし」という感想を目にしたのと、番宣でイケメンふたりを見てたのと、TOHOの無料券が月末期限だったので駆け込み。

たしかに「青春映画(恋愛要素あり)」なんだけど、なかなか良い「音楽映画」だったので敬遠せず観てほしいなと思っています。新田真剣佑と北村匠海、思った以上に歌上手い。ユニットやってくれませんか?

音楽プロデューサーがandropの内澤崇仁さんで、雨のパレードとかが楽曲提供してます。7曲(内1曲はguitar ver. / piano ver.)入りのアルバムをまんまとお迎え…。歌詞がどれも場面に合っていて素敵なんだけど、メロディーで今の所一番ぐっときてるのはGhost like girlfriend作曲の「stand by me」かな。ギターとピアノで印象が変わる。。正しくギターロックとして鳴らされる「瞬間 (sayonara ver.) 」も好き。サヨナラver...
骨太な歌声がまっけんで繊細な歌声が北村くんです。

オフィシャルツイッターもあった…!

肝心の映画の話

公式サイト(http://sayonara-30min.com)のあらすじはこちら。ほぼ全てw

「お前だけなんだよ、俺が見えてんの。
お願い、ちょっと体貸して。」
メジャーデビューを目前に解散したバンド「ECHOLL」。
1年後のある日、突然大学生の颯太が現れ、 メンバーのヤマケン、重田、森の日常にずかずか踏み込み再結成を迫る。
誰をも魅了する歌声を持ち、強引だがどこか憎めない颯太に、少しずつ心を動かされていくメンバーたち。
実は颯太の中身は、1年前に死んだボーカルのアキだった!
偶然拾ったアキのカセットテープを颯太が再生する30分だけ、2人は入れ替わる事ができ、1つの体を共有していく。
人づきあいが苦手で、はじめはアキを毛嫌いしていた颯太。
「俺にこじ開けられない扉はない」が口癖のポジティブなアキ。
30分ごとの入れ替わりを何度も繰り返す、正反対の2人の共同生活がスタート。
ひとりで音楽を作っていた颯太も、次第にアキや仲間と音楽を奏でる楽しさを知る。
アキも颯太の体を使ってバンドを復活させ、音楽のある生活を取り戻したが、「ECHOLL」を去った恋人・カナだけは戻ってこない。
カナに再び音楽を始めてもらうため、最高の1曲を作り上げようとする2人。
そんな日々の中で颯太もカナに心惹かれていき、カナもどこかアキの面影を感じる颯太に、心を開き始める。
すべてがうまくいくように見えたが、ふとした事から颯太=アキなのではないかとカナは気が付いてしまう。
一方カセットテープに異変がおき、アキと颯太の入れ替われる時間は短くなっていく——。

以降ちょびっと考察。

アキとソウタ=空きと層

記憶として収録されているカセットテープの「空き」がアキの二度目の寿命。
颯太はアキを消したくないと自分の方を消そうとするけれど、上書きされても「層」になって前のデータは残っている。アキは見えなくなっても生き続けるのだ。カセットテープの中に、そして颯太やみんなの中に。
それが解ったから颯太はアキの代わりではなく、アキの想い出も持ったまま、自分自身として生きていけるのだ。
最初はアキの容れ物だった颯太が、意志を持って人と触れ合い、溶かされていく。閉ざした心の扉をアキの得意技で「こじ開けられ」、ひっそりと作っていた自分の曲を他人と演ったり、恋をしたり。
就活も上手くいかず空いていた颯太の心を満たしたのは、アキに巻き込まれて出逢った縁や経験が層になったおかげ。

ふたりが水の無いプールで曲をつくるのも良い。渇いた心を潤すように、満たされたいと願うように。
バンドを取り戻そうとしながら実は新しいかたちで再構築することは即ち、アキを生かそうとしながら颯太を生かすことになった。
空き部分に想い出の層が重ねられて人生が上書きされ充実していくのだから、空いていることが決して悪い訳でもないのだ。
アキと颯太がふたりでひとつの身体を共有した意味。

透明化と具現化

友人を作らず、存在を消し「透明になって」生きてきた颯太。就活も上手くいかず社会のなかで透明化しようとしていた。
一方、カセットテープが透明になるほどアキというメモリーが消えてゆく。
僕はあなたを上書きしたくない(消したくない)、とアキに言う颯太。アキは自分の存在をバンドメンバーに知らせようとしていたのに、消える間際で、颯太としての言葉を彼らに伝える。
颯太はアキの代わりとして認められた負い目を感じていただろうけど、最後はちゃんと颯太自身として認められていて。彼が歌う決意が何より眩しい。

"此処に立って映してる世界は
夢に見ていた僕らの世界だ
あの日思い描いてた未来を越えて"

アキが具現化されたことで颯太が現実世界に具現化され、アキは颯太の中で透明になって存在し続ける、その美しさに思わず目元を濡らした。

とにかく!観て!

場面毎の歌詞で追ったりしたいけど、ひとまずこの辺で。。。とにかく「人気俳優を使ったメジャー映画でしょ?」とか思ったら勿体無いよと強くお伝えしたい…バンドシーン是非観てください。長野の松本りんご音楽祭だよ🎸

余談:北村くんとまっけん

ふたりがそんなに仲良しだったなんて知らなかったんですが、素敵な友人かつライバル関係、「同志」感が堪らず…。
北村くんはDISH//のボーカルギターだから歌えるの解るけど(それにしても好きだった…爽やか…軽率に推してしまう…)まっけんがあんなに歌える子だったなんて知らなかったよ…ギターの当て振りだけ可愛すぎたけど…笑

五度目のふたりの共演、音楽ユニットも期待してます。笑



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