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勉強は学校で完結させてくれ 【3分で読めます】

私はずっと宿題否定派です。

自らの子ども時代も,宿題を忘れて廊下でやらされたり(先生に),
宿題をしなかったから,少年野球の練習を禁止されたり(父親に),
ろくな思い出がありません。

そんな私が,学校の先生になりまして…。
宿題を出すってめんどくさいなぁ…と,ずっと思ってました。
だから,「保護者の要望で」しかたなく宿題を出していました。
そのときの私には,宿題が不要な確固とした理由を
保護者に主張するなんて力はありませんでした。

でも,今なら言えます。
宿題は不要です。
家で勉強したい子はすればいい。
家で勉強させたい親はさせればいいのです。

学校でのことは学校で終えるべき。
大人になって仕事をするときも
職場で決まった時間の中で終わらせることが大切。
遅くまで残ってやったり,仕事を持ち帰るというのは
能力がないと見なされる。
それに家での余暇の時間を充実したものにするのはとても大切なこと。
              岩瀬直樹・寺中祥吾『せんせいのつくり方』

学校での勉強は本業です。
家での勉強や活動(遊びも含めて)は,副業・復業です。
国は副業・復業を奨励していますが,
会社の仕事を持ち帰ってやってくれってことじゃないでしょう?

学習したことを定着させるためには,
反復練習が効果的というのは事実です。
エビデンスがあります。
では,その反復練習を宿題に頼らずにどこでとるか?

それは「授業中」です。

授業には多くのムダと思われる時間や活動があります。
先生の長い説明,課題が早く終わったのに待っている時間などです。
そこを削って,反復練習に当てればよいのです。

時間は生み出せます。

宿題をしないと,宿題を出さないと,学力水準が保てない??
実におかしな話です。

様々な家庭環境の子どもがいます。
宿題を毎日見てあげる,教えてあげる,付き合ってあげる…
そんな恵まれた家族ばかりではありません。
教育格差は経済格差といわれて久しいです。
それは,家に本がある,塾に通えるなどのお金の格差だけでなく,
親が子どもと過ごす時間,親が子育てについて学ぶ時間が,
お金を稼がねばならない時間に奪われているという格差もあるのです。

宿題は,格差のある家庭環境にベッタリ頼って学力を上げようという愚策です。

結論。
親ではなく,先生が責任をもって「学習」を見てあげるべきです。
プロなのですから。

以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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