ウェイクの組織化理論②

組織化

ウェイクは組織を生きた姿で捉えるため、「組織化」という概念を重視している。「組織化」とは

意識的な相互連結行動によって多義性を削減するために妥当だと皆が思う文法

であると定義されている。この定義で示された、「相互連結行動」・「多義性」・「文法」と呼ばれる概念を以下で説明していきたい。

「相互連結行動」

行為者Aの行為が、行為者Bの特定の反応を引き起こし、Bのそれが次にAの反応を喚起する、二重作用のこと。組織化を記述、分析するための基本要素。

「お互いが相手のためになる行動をとる」といった、互恵的意味合いをもつ相互連結行動の集合が一度確立されると、そこに集合構造が生まれる。この構造が組織化の要素と言える。

「多義性」

組織に働きかける基本的素材として挙げられる情報インプットのうちの一つであり、組織化のきっかけになるもの

すなわち、多義的特性を有している。

組織化という活動は、多義的な情報を組織が機能し組織にとって不都合でない程度の非多義性へと変換するようなものであるとウェイクは述べている。

ここで、多義性と区別しておきたい2つの概念がある。それは、「あいまい性」・「不確実性」である。多義性も含め、これらは情報インプットの際に発生する概念であるが、微妙に意味が異なるので、注意したい。

あいまい性

何が問題か、どのような対処法や解が存在するのかといった点が不明確である状態

多義性

何らかの事象が発生した際に、問題・解に対する複数の解釈があり得る状態

不確実性

多義性による解釈が一義的に決まったが、その問題に対してどのように対処するかが明確でない状態

以上をまとめると、あいまい性→多義性→不確実性の順の過程を経ることが分かる。組織化においては、多義性を削減することが目的であるから、多義性→不確実性の間に組織化プロセスが発生すると言える。

では、多義性の削減とは何だろうか?

多義性の削減

小橋勉は、多義性の削減について

人々が因果関係及び結果についての選考に関して合意に達しようとすること

と定義している。

さて、ここで改めて「組織化」を定義し直すと、

組織化とは、行為者に理解できる社会的過程を形成するために、いかに種々の相互連結行動を組み立てるかに関する文法のようなものである。

「文法」

この続きは以降の記事で解説する。


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