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毎週水曜日はコールセンターの話

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コールセンターのオペレーターからリーダー、SV、企業向け電話応対研修講師へと叩き上げた経験から学んだことを書いていきます。電話応対に必要なこと、コールセンター運営に必要なこと、コ… もっと読む
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記事一覧

電話応対は、自分も好きになる仕事

電話応対は、自分も好きになる仕事

前回の記事では、会社も相手も悪くないと書きましたが、もっとも大事なことは自分も悪くないということです。

自分も悪くない「こういう機能があれば買うのに」「なんでこの機能がないんだ、当然必要だろうが」と客は言ってくるかもしれませんが、製品の機能を決めているのはあなたではありません。

会社の代表として電話に出るとき、入電者の期待に応えることができなければ謝罪は必要です。そして該当部署に改善要望があっ

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電話応対はあっちもこっちも好きになる仕事

電話応対はあっちもこっちも好きになる仕事

前回の記事は、「自分の好き嫌いではなく、感情労働として働く」と締めました。それと今回の題名は矛盾しているように見えますが、まぁ、読んでみてください。

人を好きになるのが仕事電話応対の良いところは、(大概の仕事は同じだと思いますが、)誰も嫌いになったり憎んだりしなくてよいところです。

電話応対が苦手な人、電話の仕事がつらいという人のお話を聞いていると、共通点があるように思います。

・「こういう

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客によって対応を変える~④対応者の好き嫌い

客によって対応を変える~④対応者の好き嫌い

3回にわたって、客によって対応を変えるケースについて書いてきました。
4回目の今回が最終回です。

対応者の好き嫌い一人社長、一人親方であれば、自分の好みで客を選んでもいいかもしれません。
この人は相性がいいから親切にしてやり、この人は馬が合わないからちょっと冷たくあしらう。
それによって客が離れてその分の売り上げが減ったとしても、それは自身の収入であり、自身の責任なので本人さえ納得づくであれば誰

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客によって対応を変える~③対応力不足/営業判断

客によって対応を変える~③対応力不足/営業判断

「客によって対応を変える」の3回目です。
コールセンターに限らず、客がどうあれ対応を変えないのがサービスの基本ですが、実際には違うこともよくあります。
今回は、対応力不足など、本当は変えたくないんだけれども変えざるを得ない場合について書きます。

対応力不足/営業判断これは、クレーム対応など対応者側の力不足により、本来は特別対応をしてはいけないところではあるものの、やむなく特別対応をして案件を完了

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客によって対応を変える~②戦略的に変える場合のやり方

客によって対応を変える~②戦略的に変える場合のやり方

1週あきましたが、「客によって対応を変える」の2回目です。
コールセンターに限らず、客がどうあれ対応を変えないのがサービスの基本ですが、実際には違うこともよくあります。
今回は、戦略的に変える場合について書きます。

戦略的に上げる戦略的にあえて待遇を変えるということは多くの企業が行っています。
例えば、列に並ばなくて済むファストパスや、操作方法の質問に答えてくれるサポート契約など、追加料金を払う

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紅麹健康相談・返品受付センターについて考える

紅麹健康相談・返品受付センターについて考える

小林製薬の紅麹サプリメントによって腎不全が起きたというニュースが紙面を賑わせている。
健康になりたくて買い求めた商品のせいで健康被害があったとなれば、消費者の怒りも心頭に発しようというものだ。
さて報道によれば、3000件を超える問い合わせが窓口に寄せられているそうだが、おそらくは報道を受け、さらに問い合わせは増えているだろう。
そこで気になるのは、誰が電話を受けているのかということだ。

社員の

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客によって対応を変える~①得意客を贔屓する場合のやり方

客によって対応を変える~①得意客を贔屓する場合のやり方

先週は、相手がどんな人であれ、距離を変えずに対応を変えるという話をしました。

その記事に対し、てるとさんが下さったコメントがこちら。

皆さんも客の立場だったときのことを思い出してみていただければ、良くも悪くも特別扱いされた経験があるのではないでしょうか。そこで今回は、得意客を贔屓する場合のやり方について書いてみようと思います。

①得意客を贔屓するいつも来てくれる客、たくさん買ってくれる客であ

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距離を変えずに対応を変える

距離を変えずに対応を変える

表題は、最近作った医療接遇の講座を先日受講してくださった方が、共感と同情の違いを説明したときに一言でまとめてくださったものです。

とてもきれいにまとめてくださったので、自分でも覚えておこうと記事にすることにしました。

共感と同情の違いについては、何度か書いてきました。

あれ?
一方では「距離を変えずに対応を変える」と言っておきながら、前の記事では「クレームの大小で対応は変わらない」と書いてい

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電話応対と対面接客の共通点~顧客との良い関係を目指す

電話応対と対面接客の共通点~顧客との良い関係を目指す

巷には電話応対研修や接客研修がバラバラに存在します。

私もストリートアカデミーで電話応対研修をやっています。

しかしながら、コールセンターのような電話応対に特化した特別な職場でなければ、電話応対もあれば対面接客もあるというのが一般的ではないでしょうか。

そんなとき、それぞれを別のものとして学ぶより、共通部分を基礎として、違いをも含めて学んだ方が効率的であるだけでなく理解が深まります。
前回は

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電話応対と対面接客の違い~視覚情報の有無

電話応対と対面接客の違い~視覚情報の有無

巷には電話応対研修や接客研修がバラバラに存在します。
私もストリートアカデミーで電話応対研修を開催しています。

しかしながら、コールセンターのような特別な職場でなければ、電話応対もあれば対面接客もあるというのが一般的ではないでしょうか。
そんなとき、それぞれを別のものとして学ぶより、共通部分を基礎として、違いをも含めて学んだ方が効率的であるだけでなく理解が深まります。

では、その違いとはなんで

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アウトバウンドってどんな仕事?~獲得系発信

アウトバウンドってどんな仕事?~獲得系発信

インバウンドとアウトバウンドについては上記にてご案内しましたが、今回は、アウトバウンド業務の中から、獲得系アウトバウンド業務についてご案内します。

獲得系発信会社に営業電話がしょっちゅうかかってくるという人もいらっしゃるでしょう。恐らく発信業務というと、この獲得系を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
インターネット回線を変えませんか?とか、部長に取り次いでほしいと電話がかかってきて、会社

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アウトバウンドってどんな仕事?~情報提供発信

アウトバウンドってどんな仕事?~情報提供発信

インバウンドとアウトバウンドについては上記にてご案内しましたが、今回は、アウトバウンド業務の中から、情報提供発信についてご案内します。

情報提供発信もう去年の話ですが、令和5年4月から、医療機関や薬局ではオンライン資格確認導入が原則として義務付けられました。

もしかしたら医療機関では、「4月までに導入してくださいね」「経過措置の届け出は3月までですよ」なんていう電話を受けたことがあるかもしれま

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アウトバウンドってどんな仕事?~不備発信

アウトバウンドってどんな仕事?~不備発信

インバウンドとアウトバウンドについては上記にてご案内しましたが、今回からは、アウトバウンド業務について、いくつか具体的にご案内してイメージしてもらおうと思います。今回は、不備発信です。

不備発信例えば何らかの申し込みを受け付ける場合、それが保険やクレジットカードの申し込みであれ、住所変更や氏名変更の受付であれ、不備は一定割合で発生します。手続き中に不備が見つかった場合、たいていはセンターで修正す

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インバウンドセンターってどんな仕事?~ヘルプデスク

インバウンドセンターってどんな仕事?~ヘルプデスク

今回は、電話をかけてもつながらずずーっと待たされることで有名な、ヘルプデスクについてご案内したいと思います。

ヘルプデスク自社の製品やパソコンの操作方法をサポートする窓口ですので、詳しい知識が求められます。また、操作はできるかできないかですので、あいまいにごまかすということはできません。有償サポートであれば、なおさらです。
あいまいにごまかすことが嫌いな人、​エラーがあれば原因を一つ一つ検証し突

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